2013/03/08 ※サイトで読む 配信中止はこちらから
金融経済まぐ
 平成25年3月8日号 毎週金曜日配信 
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[This week TOPICS]
◇colum1 大前研一『TPP交渉参加と日本の農業改革』

◇イエスノー世論 『TPP参加で日本経済は良くなるか?』

◇colum2 北浜流一郎『含み資産リッチ企業の株が熱い!』

◇colum3 高城剛『アメリカの住宅バブルは世界へ広がり破裂する…』
 
▼日本の農業を成長産業に位置づけるなど、世界を知らなすぎる

 安倍首相は18日、政府の産業競争力会議で今後の農業政策について「成長分野と位置づけ、産業として伸ばす。農業の構造改革を加速し、農産品、食品の輸出を拡大する」との考えを示しました。また同時に「『日本の農業は弱い』という思い込みを変えていくことが重要だ」と指摘したとのことですが、私は理解に苦しみます。

 産業競争力会議のメンバーには、竹中氏などもいるはずなのに、なぜこのようなことになってしまったのでしょうか。日本の農業を成長分野と位置づけて、あまつさえ輸出で1兆円規模を目指すなど、まず不可能です。主要国の平均経営農地面積を比較して見ると以下のようになっていて、日本の農業に国際競争力がないことは一目瞭然です。

 米国:178.6、イギリス:55.6、フランス:48.6、ドイツ:43.7北海道:18.7、日本全国:1.8(単位:ヘクタール)

 北海道でも米国の10分の1に過ぎませんし、それ以外の地域は箸にも棒にもかからないレベルです。世界的に見れば、オーストラリアの方が米国よりも、さらに広い農地面積を有しています。この現状で農業によって世界と戦おうなど、「井の中の蛙」の中でも相当レベルが低いと言わざるを得ません。

 また日本の農業について考えるとき、次の2点が重要だと私は思います。まず1つは、農作物は工業用品よりも嗜好品に近い感覚で捉えるべきだということです。市場が開放されたからと言って、必ずしも価格が安ければ受け入れられるわけではありません。

 日本でも、ピーナッツやさくらんぼの市場が開放されましたが、今でも千葉県のピーナッツ、山形県のさくらんぼの方が海外から輸入したものよりも高値で売れており、見事に生き残っています。つまり、国際競争力とは関係なく、ニッチなニーズが存在するという事実を認識すべきだと思います。

 2点目は、日本では耕作放棄地も耕作放棄地面積率も共に増加し続けているということです。特にこの十数年間で、耕作放棄地に占める自給的農家と土地持ち非農家の割合がぐっと増えています。ウルグアイ・ラウンドの後、莫大な資金を投じて農耕地の拡大を図ったのに、結局は耕作放棄地に成り下がり、日本農業の弱体化は進む一方です。

 日本の農業従事者の平均年齢は65歳を超えていますから、頑張れと言っても体力的にも難しいでしょう。このような現状を踏まえて、「農業で国際競争力を持って成長分野と位置づける」など信じられない話です。もしかすると、この話題そのものが何かのためのフェイクなのかも知れませんが、それにしても「筋が悪い」話だと私は感じます。

▼例外なき貿易自由化はあり得ない。米国にも悩みの種はある

 日米両政府は22日、環太平洋経済連携協定(TPP)についての共同声明を発表しました。「あらかじめ、一方的に全ての関税撤廃を約束するよう求められるものではない」としており、安倍首相は交渉への日本への参加について、「なるべく早い段階で決断したい」と意欲を示しました。

 TPPで米国が市場開放を求めて狙ってくるのは、農業に加えて、郵政(特に簡保)の利益だと思います。TPPによる「例外なき貿易自由化」の危険性を訴える人がいますが、実際にはどこの国でもあり得ません。

 米国にしてみても「悩みの種」はあるのです。米国の場合、それはGMとフォードです。

 両社ともピックアップ・トラックの業績が好調ですが、日本のピックアップ・トラックにのみ25%の関税をかけています。もしTPPによって、この関税が撤廃されれば、せっかく回復しつつあるGMもフォードも危ういかも知れません。

 特にフォードはかなり危険だと思います。ですから、全てをテーブルの上において議論したとしても、米国にも「これは例外にしてほしい」というものはあるはずだから、極端に恐れる必要はないのです。日本の場合、農業団体が騒ぎを大きくしている節があります。これは、おそらく補助金狙いでしょう。すでに補助金漬けの日本の農業が、さらに補助金をとるために騒動を起こしているというのが実態だと私は見ています。

 米国側の事情も分かっているので、安倍首相としてはTPPへの参加を決断できると思います。党内の手続きは少々面倒になることが予想されます。おそらく、参議院選挙の直前まで引き伸ばして6月くらいが最終的な目安になるでしょう。
著者
 大前 研一
経営コンサルタント、経済評論家、社会起業家。世界的な経営コンサルタントとして知られ、平成維新の会後の特定非営利法人「一新塾」創立者。
 
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安倍首相は、農業を成長分野と位置付け、国際競争力を上げようとしているようですが、日本は農業で世界と戦っていけるのでしょうか?それを考える上で、まずやらなければならないことは──
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今週のイエスノー世論
TPP参加で日本経済は良くなるか?
TPPに参加した場合、日本経済全体で考えると良くなると考えますか?
それとも悪くなると考えますか?
 
【あなたの意見はどっち?】
Yes!  日本経済全体では良くなると思う
No!  いや!悪くなるなるだろう
 
【寄せられたコメント】
Yes! を選んだ方
オレはTPP賛成派。が、TPPを直接的収支だけで考えてはいない。農業等、既得権益でがんじがらめの状態を崩して欲しいのだ。農業の自由化となれば日本農業は崩壊ではなく、産業として脱皮しよう。意欲のある企業や人材も少なくない。保険も同じ。郵便保険を完全民営化、世界と伍する保険企業ともなり得る。総合的に見て、将来日本にとってプラスになると考える。
(ごえもんさん)
No! を選んだ方
TPPは日本にとって単なる農業問題ではない。医療・保険分野もアメリカは狙っている。混合診療を認めれば、アメリカ並に国民皆保険は崩壊し、アメリカの保険会社がどっと流れ込んでくる。アメリカは軽自動車の優遇税制も関税障壁だと主張しており、TPPに参加すれば軽自動車の存在そのものが否定される。富裕層だけが得をする。
(Holmesさん)
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 次期日銀総裁人事が大体決まったことで、国内の不確定要因が一つ消えました。
しかし海外には、イタリアの政局不安、米国には歳出強制削減問題があり、どちらもわれわれ日本の投資家は様子を見るか、展開に合わせて動く。こうする他ありませんが、それゆえにこそ当面改めて目を向けるべきことがあります。

 安倍政権が掲げる「アベノミクス」を支える3本の矢のうち、一本目の矢である「大胆な金融政策」です。

 他には「機動的な財政政策」と「民間の投資を引き出す成長戦略」がありますが、これら2本の矢はその効果が目に見えにくく、投資への影響もすぐには出ません。

 それに対して「大胆な金融政策」はすでに為替が円安に転じていることからも分かるように、効果が視覚化しやすく、投資家にとってはありがたい政策になります。

 そして同政策の根幹は金融緩和なのですから、その恩恵を受ける企業の株はまさに「国策銘柄」となりますので、昔から相場の世界では「国策に売りなし」といわれるように、非常に有望なテーマになる。

 これが当然の成り行きでもあるのですが、実際の相場もすでにそんな展開の中にあります。

 不動産、銀行、私鉄、レジャーランド、倉庫業界銘柄の軒並み高です。

 これらに共通するのはなにか。広大な土地を所有、いわゆる含み資産が豊富なことです。

 大胆な金融緩和の断行は当然低金利の継続を意味し、不動産市況への資金流入と地価の上昇へとつながります。それはすぐ起きるわけではないものの、株式投資の観点からは将来起きるであろうことはいますぐ反応するため、当面土地の含みの多い企業が投資対象になり続けるでしょう。
著者
 北浜 流一郎
株式評論家。週刊誌記者、作家業を経て株式アドバイザーへ転身。20年以上にわたって儲かる個人投資家を育て続ける。
 
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1月の非農業業部門の雇用は15万7000人増、失業率は7.9%でした。これらの数値より、どちらも良くなっていれば為替はドル高円安となりやすく、日経平均も──
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 再びはじまった米国の住宅バブルについてお話ししたいと思います。

 米国州総局の発表によれば、米住宅価格は7カ月連続で上昇した、としています。また、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が今週発表した昨年12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は、主要20都市の値動きを示す指数が前年同月比で6.8上%昇した、と発表されました。

 かつて、とはいってもわずか6年前、サブプライムローン・バブルが崩壊した2007年から米国住宅建設会社は、在庫処分のため、新築を一斉に控えてきました。しかし、ここにきて政府が市場に撒いたお金がまわり回ってダブつき、それが再び住宅市場へと戻ってきているのが、この数ヶ月の現象です。この傾向は、少しだけ日本にも見る事ができます。リーマンショック、そして311以降停滞していた不動産が、少しづつ動きはじめる気配があります。

 米国のこのような状況は、当然「バブル」に他なりません。言うまでもなく、米国の実体経済は酷い有様のままですので、この「バブル」はどこかで必ず破綻することになります。

 さらに、ロイターによれば、中国の不動産会社はドル建て債券の発行を加速させており、セクターのレバレッジが膨らんで住宅価格バブルのリスクが拡大する可能性が懸念されている、としています。本土の不動産会社のドル建て債券発行は、「2013年1月だけ」で「2012年通年とほぼ並ぶ」水準となっています。これは完全に危険水域であり、今年1月の中国100都市の平均住宅価格は8カ月連続で伸びていますので、これもある日突然反転してもおかしくありません。

 もはや、米国のあたらしい住宅バブルは姿を変え、世界へと広がっているように思えます。米中は、政治的にはかつての冷戦状態に近く、経済的には水面化で手を組む変則的な世界の二強であり、この米国と中国の住宅市場が、ある日を境に大きく変わる事になったら、それは確実に「次の世界の曲がり角」を意味します。

 米中の住宅市場は、間違いなく「バブル」です。そして、その泡は必ず破裂するのですが、問題はそれがいつか、ということだけであり、それはどんなに遅くともこの先2-3年以内だと僕は思っています。そしてその間、泡は大きく膨らみ続けるのです。

 一体その時、日本経済はどのようになっているのでしょうか。株価と円安が一段落し、今後米中に遅れる住宅バブルがどこかではじまったら(あたらしい住宅関連法案や、恐らく日本版サブプライムローンのようなものに注意)、それは日本も大きな曲がり角へと向かう黄色の信号が点灯したと考えていいでしょう。そして、それは遠くないと感じます。

『高城未来研究所『Future Report』』03/01号より抜粋
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著者
 高城 剛
日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオ・ビエンナーレ」でグランプリを受賞。総務省情報通信審議会専門委員などの要職を歴任。メルマガ「高城未来研究所」では実際に海外を飛び回って入手した世界情勢や経済情報など豊富な内容で配信。
 
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フィリピンは急速に発展していると思われますが、それでも、その勢いは他の東南アジアの国々から見たら、いまひとつだと思います。改めてその原因を考えてみますと、実は──
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スタッフ :本村彰英
 
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