次期日銀総裁人事が大体決まったことで、国内の不確定要因が一つ消えました。
しかし海外には、イタリアの政局不安、米国には歳出強制削減問題があり、どちらもわれわれ日本の投資家は様子を見るか、展開に合わせて動く。こうする他ありませんが、それゆえにこそ当面改めて目を向けるべきことがあります。
安倍政権が掲げる「アベノミクス」を支える3本の矢のうち、一本目の矢である「大胆な金融政策」です。
他には「機動的な財政政策」と「民間の投資を引き出す成長戦略」がありますが、これら2本の矢はその効果が目に見えにくく、投資への影響もすぐには出ません。
それに対して「大胆な金融政策」はすでに為替が円安に転じていることからも分かるように、効果が視覚化しやすく、投資家にとってはありがたい政策になります。
そして同政策の根幹は金融緩和なのですから、その恩恵を受ける企業の株はまさに「国策銘柄」となりますので、昔から相場の世界では「国策に売りなし」といわれるように、非常に有望なテーマになる。
これが当然の成り行きでもあるのですが、実際の相場もすでにそんな展開の中にあります。
不動産、銀行、私鉄、レジャーランド、倉庫業界銘柄の軒並み高です。
これらに共通するのはなにか。広大な土地を所有、いわゆる含み資産が豊富なことです。
大胆な金融緩和の断行は当然低金利の継続を意味し、不動産市況への資金流入と地価の上昇へとつながります。それはすぐ起きるわけではないものの、株式投資の観点からは将来起きるであろうことはいますぐ反応するため、当面土地の含みの多い企業が投資対象になり続けるでしょう。
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▓ 北浜 流一郎
株式評論家。週刊誌記者、作家業を経て株式アドバイザーへ転身。20年以上にわたって儲かる個人投資家を育て続ける。
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