ウクライナから初の本格輸入へ、双日が食用大豆
3月8日(ブルームバーグ):双日 はウクライナ産の食用大豆の輸入を今年から開始する。現地や米国の穀物企業と提携し、まずは数百トン規模で調達する。ウクライナから日本に食用大豆が本格的に輸入されるのは初めて。みそや納豆、豆腐の原料として使われる非遺伝子組み換え大豆は主に北米に依存しており、新たな調達先を確保する。
輸入するのは双日の完全子会社、双日食料(東京都港区)。同社食料原料第一部の小林福太郎副部長によると、穀物の集荷・販売を手掛ける米ソイコ社(ミネソタ州)が大豆の種子をウクライナに持ち込み、現地の穀物企業グレイン・アライアンス(キエフ市)が農家に栽培を委託する。生産した大豆はソイコと双日食料が引き取る。2010年から現地で試験栽培を実施しており、今秋には3000トンの収穫を見込む。
日本では食用大豆に非遺伝子組み換え大豆が使われている。一方、世界的に生産の主流は遺伝子組み換え大豆。飼料用や食用油に使われる。米農務省(USDA)によると12年の米国の大豆生産のうち93%は遺伝子組み換え大豆が占めた。副食として大豆製品が欠かせない日本にとっては非遺伝子組み換え大豆の安定調達が課題となっている。
小林副部長は「毎年順調に北米で非遺伝子組み換え大豆が確保できるかというと答えはノー。もっと産地を分散しなければならない」と語る。ウクライナで生産する大豆は糖質が高めで、味噌や納豆の原料として今年は試験的に日本の食品メーカーに販売する。需要動向も勘案しながら、2-3年で5000トン程度まで調達量を引き上げたい考えだ。
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更新日時: 2013/03/08 10:45 JST