『Kids can! 子どもには、世界を変える力がある!』
お話をうかがったスタッフの方
リーダーシッププログラム開発部長、モチベーション・スピーカー/パフォーマー Faith Amano(フェイス・アマノ)さん
Faithさんから支援者のみなさまへ
「様々な形の支援を本当にありがとうございます。若者は未来だけではなく、『今』を作っています。ご寄付は途上国の自立支援だけではなく、世界的なリーダーを育てるため、社会に投資しているという形で考えてもらえたら嬉しいです。」
12歳の少年の行動からはじまる
フリー・ザ・チルドレンは、当時12 歳だったカナダに住むクレイグ・キールバーガー少年と、そのクラスメイト計12 人によって1995 年に設立されました。きっかけは、クレイグ少年が自分と同じ年齢の、パキスタンの元児童労働者のイクバル・マシーくんの射殺ニュースを新聞で読んだことでした。
大きなショックを受けたクレイグ少年は、まず、友達に声をかけ、募金活動や、カナダも児童労働撲滅に取り組むように訴えける署名活動を行い、講演会を多くの場所にて行いましたが、聴衆者からの児童労働や貧困についての質問に答える事が出来なかったため、2ヶ月間東南アジアをめぐり、児童労働や子ども買春の現状などを見てまわりました。
2012年現在では、 フリー・ザ・チルドレンは世界で一番大きな"子ども、若者主体の国際協力団体" となっています(45 ヶ国で100 万人 以上の子どもが活動)。今までに650 以上の学校を建て、5 万人以上の子どもが教育を受けられるようになりました。
11人のクラスメートと一緒に当時12歳でFTCを立ち上げたクレイグ・キールバーガー。
貧困と搾取、先入観からの解放
日本で活動をするフリー・ザ・チルドレン・ジャパン(以下FTCJ)は、アメリカ留学中にフリー・ザ・チルドレンの活動を知った代表理事(2012年現在)の中島早苗さんが、1999 年に立ち上げました。日本の子どもが子どもの権利を知り、権利を奪われている世界の同世代の存在に気づき、自分たちの力で世界を変えていくことを目的しています。
日本では2012年現在、年間400 人の子ども(18歳以下)がメンバーとして登録しており、支援先のスタディー・ツアー(学校建設などのボランティア活動含む)、チャリティー・コンサートなどの募金活動、そして問題意識を高める啓発運動などを演劇を使ったり、児童労働反対ウォークを開催しながら、子どもらしく楽しみながら行っています。
FTCジャパンの活動:インドのスタディーツアー、ハロウィーン募金、児童労働反対ウォーク、児童労働を演劇で伝える「アクション・キッズ」
デザインからパッケージまで子どもメンバーが担当
FTCJでは、チョコレートプロジェクトという活動を行っています。これは、菓子製造・販売の「千鳥屋」から提供を受けたチョコレートをFTCJメンバーが中心となって販売し、その収益を途上国等の支援に役立てるというものです。このプロジェクトの企画から、 チョコレートのパッケージデザインの考案やパッキング作業、販売などの全てをメンバーが行っています。
毎年メンバーが商品名、デザイン、値段、支援先など全て自分たちで考えています
「これが児童労働を無くすチョコの味なんだねー」、「たくさん売れるといいなー」など、みんなでわいわいお喋りしながらパッキング
途上国への教育支援
現在のチョコレートプロジェクトの支援先の1つはインドです。「販売利益のすべてがインド・ラジャスタン州の教育支援のために使われます。「シャンティ」はインドのサンスクリット語で「平和」を意味します。インドの全ての子どもたちが学校に行ける世界になってほしいという願いを込めて、子どもたちがこの名前をつけました。」とFaithさん。
インドは児童労働者数が世界で最も多く、FTCが始まるきっかけとなったイクバル君のように親の借金のために働かされる子どもも少なくありません。義務教育は6~14 歳まで授業料は無償としていますが、学校施設の不足、教員の不足などによって、義務教育年齢の子どもの40%は、中等教育に進む前に退学しています。教育が無いと、貧困のサイクルから抜け出すのがとても困難なため、フリー・ザ・チルドレンではインド北西のラジャスタン州にあるウダイプールとラジャスマンド地区の教育支援をしており、学校を1棟建てるために必要な120万円のために、チョコレートの利益は当てられます。
FTCジャパンを通して、日本で集まったお金で初めて経てたインドの学校。
子どもが主役
FTCJのメンバーやボランティアは、高校生が多いそうです。「この団体のユニークな部分は、子ども主体で、みんなが楽しんでやっていることです。」とFaithさん。FTCJが行う学校などでの講演会では、楽しく、わかりやすく世界のことを知ってもらい、子どもの出来ることを引き出すということを心がけていて、動画や歌、アートなどを使っているそうです。「情報を伝えるだけで終わるのではなくて、それに対して子どもに何ができるか考えることを伝える、それがFTCJの強みであると考えています。」と教えてくれました。
ラップや歌、動画や写真を使いながら「楽しく」そして「わかりやすく」講演会を行っています。
財政面での悩み
順調な活動の一方で、「人件費がなかなか集まらないという課題があります」とFaithさん。子どものメンバーが増えれば増えるほど、活動は活発になりますが、子どもからは年会費などは取っていないので、それを支える人件費などの財政基盤が大事になってくるのだそうです。そのために子どもの活動のための支援であるキッズパワー募金や、子ども達が楽しく学べる教材、フェアトレード商品などを販売しています。
児童労働が関わっていない「フェアトレード商品」や教材を販売しています。
<インタビューを終えて>
「フェイスさんが「日本には、寄付金を100%すべて支援に充てるべきと考える人がいるけど、たとえ寄付金が集まったとしてもそれを実際に届ける人やサポートする人がいなければ支援自体ができないので意味がなくなってしまう。」という考えを聞いてハッとさせられました。きちんと寄付金の中から人件費や維持費を保証して質の高いサービスや支援を持続していくことは、とても重要だと思いました。」(総務チーム 惣名一貴)
JANICユース http://www.janic-youth.org/(新しいウィンドウ
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国際協力NGOセンター有志グループ(JANICユース)
渉外チーム 千葉純也
広報チーム 粟根夕紀
総務チーム 惣名一貴
団体の詳細
http://www.janic.org/bokin/funddetail/post_209.php