岩隈隠した　ア軍戦避け中継ぎ登板

　【サプライズ（米アリゾナ州）穐村賢】“岩隈隠し”だ！　マリナーズの岩隈久志投手（３１）は７日、ロイヤルズ戦に２番手で登板。３イニングを１安打無失点に抑えた。今季は先発ローテ当確だが、同地区アスレチックスとの試合を回避するための中継ぎ登板。シーズン本番へ、情報戦も白熱してきた。

　昨年６月以来の中継ぎマウンド。「登板前に投げすぎました」と苦笑した岩隈だが、内容は盤石だった。３回から登板し、１死から二塁打を浴びるも後続をピシャリ。スローカーブを駆使して４、５回も３人で片付け、「先発と変わらない準備でいけた。ストライクゾーンを攻める感覚で抑えることができた」と平常心を強調した。

　今季初の中継ぎにはワケがある。この日、チームを２つに分け、ロ軍戦とア軍戦の２試合を組んでいたマ軍。ロ軍戦はエース・ヘルナンデスの先発が決まっていたため、普通なら岩隈はア軍戦に先発するはずだった。だが、ア軍は開幕カードでもぶつかる同地区のライバル。岩隈の投球を見せないために、首脳陣はあえてロ軍戦での中継ぎに起用したのだ。

　慣れないマウンドながら、オープン戦１１連勝中と好調のロ軍打線を抑え、勝ち投手にもなった右腕。「状態は７割、８割。あとはイニングを増やして、気持ちを高めていければいい」。先発の柱として迎える２年目。公式戦を見据えながら、ギアを上げていく。