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【プロ野球】台湾に激勝!浩二采配ズバリ 9回2死 鳥谷盗塁から井端同点打2013年3月9日 紙面から ◇WBC 2次ラウンド・台湾戦 日本4−3台湾
試合後の会見場、山本監督がある男の肩をもみほぐしながら入ってきた。「どうやこれは、さまさまやでぇ」。4時間37分の激闘を終え、まずねぎらったのが井端の神懸かり的な働きだった。 がけっぷちの9回2死からの井端の同点打。おぜん立ては山本監督の決断だった。「鳥谷は足もあるし得点圏というのがまず一番やからね。よく初球から行ったね」。2死から井端が打席に入った。その初球。一塁走者・鳥谷が走った。間一髪セーフだ。アウトなら敗戦という大ばくちだ。 驚異的な粘り。そしてチームには一体感が醸されていった。「それはもう後半はね。前半に(点が)入っていればまた違った展開になったんやろうけど、これが国際試合ということやな」。山本監督も感じたまとまり。これこそ、もっとも求めていたものだった。 試合前のミーティング。選手、スタッフらに山本監督はこう言った。「みんな自分を信じて、全員で戦おう!」。 目標に向かってチームが一丸となる。これが案外難しいものだ。山本監督から、自身の経験談を聞いたことがある。 「みんな普段は給料を上げるために競い合ってやっとるワケよ。プロなんやから、それが当然やな。まあ中には、他人のことなんかどうでもいい、という感じでやっとるヤツもいるくらいだ」 山本監督の入団直後の広島の雰囲気だ。これがあるとき劇的に変わったという。1975年、広島が悲願の初優勝を目前にしたときだった。 「それがな、本当に優勝が見えてくると変わるんや。自分が犠牲になってもいい、オレが打てなくもいい、頼むから誰か打ってくれ! という風にみんなが思うんだ。優勝のためにチームが一つになる。そういう風になれるかどうか」 自身の体験から強烈に記憶に刻まれている。オレがオレが、から、自分が犠牲になってでも、という空気がチーム全体を占める。こうなったときのチームは強い。 苦境は、できれば避けたかった。だが、断崖(がい)絶壁に立たされた侍たちの心をつないだ。結果的に浩二ジャパンの理想の姿に近づいてきた。 (生駒泰大) PR情報
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