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被災者の7割 心や体の不調訴え
3月9日 7時8分

被災者の7割 心や体の不調訴え

NHKが、岩手・宮城・福島の3県の1000人余りの被災者にアンケートを行ったところ、この1年で、7割が震災や事故の影響で心や体に何らかの不調を訴え、高齢者だけでなく特に40代や50代の働き盛りの世代でも体調が悪化していることが分かりました。

NHKでは東日本大震災と東京電力福島第1原発の事故が起きてから2年になるのを前に、去年12月から先月にかけ、被害が大きかった岩手・宮城・福島の3県の被災者や事故の被害者に、アンケートを行い、1006人から回答を得ました。
この中で、震災や原発事故による影響で1年前からこれまでに心や体にどのような不調が出ているか複数回答で尋ねたとところ、▽「気分が沈みがち」と答えた人が最も多く37%で、次いで▽「よく眠れない」が32%と、▽「意欲がわかない」は28%、▽「薬が必要になった」が25%、▽「血圧が上がった」が23%で、何らかの不調を訴え、体調が悪化した人は、全体の70%に上りました。年代別に見てみますと、▽65歳以上の高齢者で不調を訴えた人は、75%と、震災発生から1年までの時期に比べると「歩きにくくなった」人が2倍になるなど、ほとんどの質問項目で増えていました。一方、▽40代から50代の働き盛りの世代でも、72%が何らかの不調を訴え、体調が悪化していて、「気分が沈みがち」が41%、「飲酒・喫煙の量が増えた」が24%と多くなっていて、いずれも1年前に比べて増えていました。また、30代以下では何らかの不調を訴えた人は52%で、ほとんどの項目で1年前より減っていました。
被災した人たちの健康状態の調査に当たっている東北大学の辻一郎教授は「復興の道筋が見えないことが、中高年の心身の不調につながっていて、アルコール依存やうつに悪化していくのを防がなくてはならない。
医療的なケアだけでは解決しないので経済対策や雇用対策などを進めることが最大の薬になる」と指摘しています。

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