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  四季の家 作者:井海博人
春 ―花吹雪― 二
「咲哉……」
 弟の胸に寄りかかったまま七緒が小さく訴えると、いつものように咲哉は喉の奥で微かに笑った。
それから、僅かに開いたままの暗紅色の柔肉の割れ目へゆっくりと二本の指を沈ませていく。
ぬるぬるとした七緒の陰裂の内部には熱が籠もり、奥へと続く柔らかい無数の起伏が咲哉の指を深い箇所へと導いていく。
弟の指が肉襞を擦る感覚に七緒は早くも陶酔した表情を見せ始めるが、自分の指が根元まで姉の中に入ったことを知ると、咲哉はそこでぴたりと動きを止めた。
言葉を発さずに七緒が弟を呼ぶように女陰(ほと)の内側を咲哉の指に押し付けると、再び耳元で囁く声が聞こえた。
「動かしてほしい?」
 その言葉には、七緒は素直に頷いた。
足さえ不自由でなかったら、自分で腰を回して刺激を得ようとしていたかもしれない。
 七緒の応えに満足したのか、咲哉は姉の中に埋めた指を素早く前後に動かして内壁を擦りたてた。
望んでいたとはいえ、いきなり与えられた強い快感に七緒の体は弟の胸の中で反り返る。
それに伴って前方へと突き出された乳房の一つを咲哉は片手に取り硬く尖る突起を人差し指で押し潰しながら張りのある膨らみを揉み上げた。
同時に七緒の膣内を出入りする二本の指は溢れてくる蜜を掻き出すように滑り、時折天井の敏感な箇所に触れる度、七緒の体は顕著な反応を見せ震え始めた。
やがて七緒の内襞は咲哉の指を捕らえながら細かく蠕動し膣道の幅が狭まってくる。
それが分かり咲哉はよりいっそう指の動きを早めた。
「あ、あ……」
 すると、七緒はさらに頭を反らせ、肌蹴られた襦袢の一部を両手で握りしめながら甘く息を吐いて絶頂に達した。
だが、指だけでは刺激が足りないとばかりに、その締め付けはさしてきつくない。
 深い溜め息をついて七緒が自分に体を預けるのを知ると、咲哉は愛液を滴らせながら姉の中から指を抜いた。
そして、七緒から体を離して立ち上がり、敷き布団の上に彼女を横たわらせて自分はその足元へと回る。
半ば開いたままの姉の足をさらに大きく開かせた後、咲哉はその間に膝をつき七緒の襦袢を辛うじて腰に留めていた腰紐をほどいた。
二重(ふたえ)に巻かれていたその紐を七緒の体から完全に引き抜き、襦袢の合わせ目を開いて両腕を袖から抜き取ると七緒の裸身が(あらわ)になる。
夕暮れ時とはいえまだ日のある中で一糸纏わぬ姿を晒された七緒は、弟の視線から逃れたくても逃れられず横に向けた顔をうっすらと桃色に染めた。
春の深まったこの時期ではあるが暮れ方の気温はそれほど高くない。
素肌に当たる空気の冷たさに七緒は僅かに身震いした。
そんな彼女に拘泥せず咲哉は体の脇に伸ばされた姉の両腕を手にとって曲げさせ、胸の前でそろえられた両手首に抜き取ったばかり腰紐を巻きつけた。
肘を曲げた状態で動かせないように固定すると、今度は胸の方へと折り曲げた七緒の両足の膝下に余りの腰紐を通して結びつける。
一本の紐で両手首と二つの膝の三点を結ばれた七緒は、膝を曲げしゃがんだまま寝転んだ姿勢で拘束されていた。
当然両手を胸の前から動かすこともできない。
足の自由がきかない七緒は自分の力で膝を立てておくことができないため、咲哉はこれまでにも頻繁に自分にとって都合のいいように姉の体を縛り上げることがあった。
柔らかな腰紐で束縛されることはそれほどの苦痛を伴わなかったため、七緒は大分前からそれを拒むことを諦めていた。
 姉の体を固着させると、咲哉は身を屈めて七緒の秘部へと顔を(うず)めた。
膝を折り曲げていることで僅かに尻が浮き、隠すことのできない七緒の陰裂は天井を向いている。
常に半分口を開けた状態で内部の様子を襞の隙間から晒しているその女陰からは弟の指による愛撫を受け蜜が溢れ出し、太腿の付け根の方までがぬらぬらと濡れていた。
咲哉は、微かな尿臭を漂わせる七緒の秘所に口を近づけるとその秘唇に舌を割り入れ酸味と粘り気を帯びる蜜を舐め取った。
清めるように肉襞の一枚一枚まで丁寧に自分の舌を這わせ、飲めど尽きせぬ姉の愛液を存分に味わう。
弟の舌が自分の深いところにまで届き、自分の中を芋虫のように這いずり回りその舌先が幾度も内壁に押し付けられるのを知ると、七緒はすすり泣きにも似た声で喘ぎ、しきりとその身をしならせる。
それと同時に姉の奥から湧き出てくる蜜を受け止める咲哉の口の周りはべったりと露に濡れて傾きかけた日に光っていた。
咲哉はつと片手を伸ばすと薄い茂みの中に隠れたままになっている秘芯に指を当てた。
包皮を引き上げすぐに赤く膨れてくる秘芽に唇の先で吸い付いたかと思うと舌先で上下左右に嬲る。
それから、包皮を捲っているのとは別の手で張り詰めた朱珠(しゅじゅ)を摘むと二本の指の間で捏ねるように転がし、再び七緒の貝にも似た縦の割れ目へと舌を滑り込ませ先刻より少し激しく内部で動かした。
七緒は弟の舌遣いと敏感な蕾を弄られたことで急激に体の奥からこみ上げてくるものがあるのが分かった。
手足を縛られた不自由な体勢にも関わらず、その快感の奔流に押されるように大きく頭を振ると声もなく背を反らせて二度目の絶頂を迎える。
しかし、咲哉は一瞬動きを止めただけで、舌での愛撫を再開すると、今度は両腕を伸ばし前腕と上腕の間で押しつぶされたようになっている七緒の乳房に両手を添えて揉み始めた。
弟の愛撫を受け続けているその先端は言うまでもなく固くしこり、咲哉の指の腹を押し返してくる。
「……咲哉……」
 声も上げずに上り詰め、荒い息を吐いていた七緒が今にも泣きそうな細い声で弟を呼んだ。
咲哉が顔を上げると上気し、潤んだ瞳の七緒が何かを哀願するような視線を向けている。
姉に請われ拒否することなど露ほども頭にない咲哉は、身を起こすと一度立ち上がり細身のカジュアルスラックスと下着を脱ぎ去った。
そして改めて膝をつき七緒の腰を掴むと先刻からとうに力を持ち硬直しきった猛る己自身をその陰裂の襞の間へと静かに推し進めていく。
熱い杭を思わせる弟のものがじりじりと自分の中へ埋没する感覚に、七緒は痙攣するように体を震わせ、目を閉じて秘所の内部をひくつかせる。
自分のものが根元まで姉の中に入ると、咲哉は折り曲げられた太腿と下腹部の間に両手を差し入れ七緒の体を引き付けた。
そのため咲哉の肉茎はいっそう深く沈みこむ。
自分の太腿で七緒の体をしっかりと挟み込み互いの体を密着させると、咲哉は大きく腰を振り先端を子宮に打ち付けた。
既に二度達している上、弟のためにあるような七緒の女陰はその突然の動きにも痛みを覚えることもなくよく反応した。
指で愛撫を与えた時の比ではない量の愛液が見る間に噴き出し、咲哉の恥毛や陰嚢にまで飛び散る。
快感に歪む七緒の白い顔が薄暮(はくぼ)の暗がりの中に浮き上がって見え、その官能的な喘ぎ声に咲哉はいつも以上に深い興奮を覚えた。
「あっ……はぁっ……咲、哉ぁ……」
 律動を受けながら涙の滲む半眼を弟へ向け、紅色の唇で自分の名前を呼ぶ姉の様子に咲哉の背筋を快感が這い上がっていく。
軽く仰け反る度に七緒の襞が咲哉に絡まり、それを掻き分けて肉茎が力強く出入りし七緒の胎内を突き刺すのに合わせて、波頭が船の舳先(へさき)を叩く時にも似た派手な水音が姉弟の繋がった部分から聞こえてくる。
両手足を縛られ、小さく縮こまった姉の体を咲哉は思うさま翻弄した。
指や舌より遥かに太く硬い弟のもので敏感な腹の奥を的確に突かれ、七緒は熱に浮かされたようにどうしようもなく自分の体が熱くなるのが分かった。
薄闇の中で悦楽に浸る弟の顔がたまらなく優美に見え、その息遣いが自分の喘ぎに重なるのが分かると自然と七緒の膣内は収縮を始めた。
「あぁぁっ……」
 喜びの嬌声が上がり七緒が窮屈な姿勢のまま肩と頭を支えにして大きく反り返った瞬間、その肉襞が咲哉を強烈に圧迫し弟の精の放出を促そうとする。
しかし、その姉の容赦ない締め付けに咲哉はどうにか耐え、七緒が大きく息を吐いて快感の余韻のためにしきりと痙攣を繰り返し小刻みに体を震わせる姿を静止したまま眺めていた。
それから一度七緒の中から抜け出すと、彼女の体を両手で転がしてうつ伏せにさせる。
手足を緊縛されたままの七緒は簡単にひっくり返され、布団からはみ出して畳の上に膝を折り曲げて(うずくま)るような姿勢になった。
咲哉は七緒の柳腰を抱え、今度はその豊かな双臀の狭間へと姉の愛液に濡れた自分の猛りを埋め込んでいく。
この体位では咲哉のものは七緒の奥まで届かず浅いところで抜き差しされるだけで、ともすれば抜け落ちてしまいそうになるため咲哉もあまり激しく動くわけにはいかない。
だが、上り詰めたばかりの七緒は秘所のとば口の硬いところを重点的に擦られることに先程とはまた異なる快感の波に襲われ、(たい)を変えたことで弟のものの先端がまた違う部分を刺激してくるため名状しがたい心地よさを感じた。
曲げた足が少し開かれることでそれにつられ開いた七緒の女陰からは咲哉が出入りするごとに一滴二滴と雫が垂れ、畳を濡らしていく。
七緒は前後に揺すられながら自らの頬を畳に押し当てて体を支えることで弟の動きを受け止めていた。
その喉の奥からは絶え間なく細く高い喘ぎ声が漏れ、目を瞑り恍惚とした表情を見せるその姿は弟から与えられる快感を全身で貪欲に感じようとしているかに思える。
 少し腰を浮かし正座をするような姿勢で七緒の背後から挿入している咲哉には、姉の白く滑らかな背の広がりがよく見えた。
七緒の腰から手を離すと、咲哉は充分な肉置(ししお)きを持つ七緒の尻を揉むように撫で回し、それからなだらかな雪原にも見えるその背へと(たなごころ)を滑らせ、肩先でまっすぐにそろえられている七緒の射干玉(ぬばたま)の髪を掻き分けて首筋に両手を這わせると再び元の位置へと引き戻す。
咲哉の多少ひんやりとした手の平の感触に、七緒は幾度となく体を震わせた。
右頬を畳にこすり付けるようにして振り返る姉の快感に濡れた瞳が自分を見ているのが分かり、咲哉は腰を振りながら我知らず微笑んだ。
しかし、そのままの姿勢で貫かれている七緒はだんだんと自分の手足が痺れてくるのが分かった。
咲哉はできる限り長い間姉の中を楽しもうと調子を変えずに腰を揺すり続けている。
一方七緒は途切れることのない快感に喘ぎ続け徐々に苦しくなってきた。
今の姿勢では肺も腹も潰れ少し息苦しいため、あまり長いこと同じ姿勢が続くと頭の芯が朦朧としてくる。
「……咲哉……。少し休ませて……」
 一体いつまで弟がこの交わりを続けるつもりか定かではなかったが、七緒はそう願わずにはいられなかった。
だが咲哉は微笑を浮かべて一言で姉の願いを一蹴した。
「僕がいったらね」
「じゃあ……この格好やめて……。苦しいの……」
 弟に揺すられながら七緒は小さく訴えた。
すると咲哉は七緒の膝の内側に両手を挟み込み、そのまま自分の膝の上に姉の体を持ち上げた。
当然七緒の体は起き上がり、繋がったまま弟の腿に尻をつけて座り込む姿勢になる。
そのせいで先程まで浅かった挿入が急に深くなり、七緒は新たな刺激に思わず天井を仰いだ。
咲哉はその状態で七緒の体を自分の膝で跳ね上げるように腰を動かし姉の中に肉茎を突き立てた。
「あっ、はっはっ、あんっ……」
 再び七緒の喘ぎが甘いものに変わり、全身が官能の(さざなみ)に満たされる。
七緒の体が弾み瞬間的に宙に浮くことで中に差し入れた自分のものが予想外の方向に翻弄され、咲哉はしだいに射精感がこみ上げてくるのが分かった。
熱い塊が一箇所に集中し、それがじわじわと這い上がってくる。
咲哉は更に激しく腰を動かし自分のものが抜けそうなほど勢いよく姉の体を上下に揺さぶった。
そして、限界に達した咲哉は両腕で七緒をきつく抱きしめ、その体を自分に押し付けながら子宮の壁に当たりそうなほどの勢いで滾る液体を姉の胎内へと解き放った。
それを受けた七緒の体がびくっと震え、その内部は弟のものを飲み込むようにゆっくりと収縮する。
 咲哉は放たれたものの逆流を防ぐかのように姉の中から自分を抜かないまま、七緒の髪に顔を埋めその体を抱く腕に力をこめた。
しんとした室内に姉弟の荒い呼吸だけが聞こえている。
 外では既に日が没し、黄昏の夕闇だけがひっそりと辺りを支配していた。


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