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【国際】

チャベス大統領死去 中南米 反米盟友国に打撃

 【ニューヨーク=長田弘己】反米左翼のカリスマ、ベネズエラのチャベス大統領が五日死去したことは、中南米の反米左派諸国にとって大きな打撃となる。世界有数の産油国として、キューバなどの盟友国に安価な石油やインフラ整備の資金など多額の経済支援を注いできたチャベス氏。強力な後ろ盾を失った周辺国の政策や路線に影響を与えることは確実だ。

 チャベス氏の盟友、ボリビアのモラレス大統領は五日、テレビで涙を流しながら演説し「(米国の)帝国主義からベネズエラの人々を解放するために人生をささげた。兄弟の死にうちひしがれる思いだ」と声を振り絞った。

 エクアドルのコレア大統領も「中南米にとって取り返しのつかない損失」と哀悼の意を表明。ニカラグアのオルテガ大統領やウルグアイのムヒカ大統領らも次々と悲しみの声を上げた。キューバやアルゼンチンは国全体で喪に服すことを決めるなど、中南米の左派政権各国に衝撃が走った。

 ベネズエラの大統領選は憲法の規定により、三十日以内に実施されることになる。チャベス派のマドゥロ副大統領と野党候補との対決になるとみられるが、カリスマ的指導者を失ったチャベス派が苦戦を強いられるのは必至。これまで通り周辺国へ支援を続けることは難しくなるだろう。

 特にキューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長を尊敬していたチャベス氏から、生命線ともなっていた多額の支援を受けてきたキューバにとって、その損失は甚大だ。カストロ前議長と並ぶ反米の急先鋒(せんぽう)だったチャベス氏の死去は、キューバの反米政策の転換につながる可能性もある。

 

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