上着の汚染密度が不明ですので、保守的に条件を仮定して計算してみます(”保守的に”とは、”より安全側で”という意味で使う専門用語です)。埼玉県における3月21日のI-131の降下量は7206 MBq/km2=7206Bq/m2であり、同様Cs-134、Cs-137に対してはそれぞれ731 Bq/m2、785Bq/m2でした。保守的に考えて、これが3時間の雨によって全量降下し、そのうち30秒間1m2に降った雨が全て上着に付着したと仮定します。この場合I-131で7206Bq×30秒/10800秒(=3時間)=20Bq、同様にCs-134,Cs-137でそれぞれ2.0Bq、2.2Bq付着したことになります。粗い仮定ですが、これが、一箇所に付着していて、なおかつ体表面から1cm離れて40時間あったとします。服による減弱の効果、半減期による減衰は考慮しません。I-131を例にとって計算しますと、実効線量率定数は、0.0545μSv・m2 /MBq・h2)ですから0.0545μSv・m2 /MBq・h2
×20×10-6 MBq×40h÷(0.01m)2=0.4μSv。
実際はこれよりも随分小さい値になるかと思います。
自然放射線による被ばくは年間2400μSvですから、これに比べて非常に小さい値です。白血病は確率的影響に分類されていますので、線量に応じたリスクを考える必要がありますが、自然放射線によるものと比較して無視できるレベルです。
その他に、β線による皮膚の被ばくも考えられますが、皮膚障害が起こる線量に比べて非常に小さい値となります。これについては、放射線医学総合研究所のHP3)に計算例がありますので、ご参考になさってください。
1) 埼玉県 原発事故に関する本県での放射線量について
http://www.pref.saitama.lg.jp/uploaded/attachment/464065.pdf
2) 原子力安全技術センター 放射線施設のしゃへい計算実務マニュアル 2007
3) 放射線医学総合研究所 放射線被ばくに関するQ&A
http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i20