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【格闘技】

洋太 5・3タイで防衛戦 超アウェーで歴史的勝利だ

2013年3月8日 紙面から

金平会長のインタビューに笑顔で応える佐藤洋太(竹下陽二撮影)

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 WBC世界スーパーフライ級王者佐藤洋太(28)が5月3日、タイ・シーサケット県で同級8位のシーサケット・ソールンビサイ(26)=タイ=相手に3度目の防衛戦を行うことが7日、発表された。日本人にとって、タイは鬼門で過去17戦0勝16敗1分け。防衛戦においては、ファイティング原田と故海老原博幸も地元判定に泣いた。5月のタイは猛暑。しかも、さまざまな妨害工作も予想され、極悪条件下での戦いを余儀なくされそうだが、佐藤は超ウルトラ楽天思考で歴史的1勝を目指す。

 楽天思考の天才だ。佐藤にかかれば、鬼門タイでの防衛戦もどこかバカンスにでも行くかと錯覚させられる。「気合入れちゃダメ。旅行気分でいい。タイ人とボクシングごっこしてくるぐらいの気持ちでちょうどいい」。

 決戦の地、シーサケットはバンコクから飛行機で北東に1時間半、カンボジア国境に位置する。その土地と同じ名前のシーサケットと対戦するだけでアウェー感バリバリだ。

 5月のタイは平均気温40度の灼熱(しゃくねつ)地獄。かつて、日本人はタイで17戦して16敗1分け。ファイティング原田は1963年に、翌64年には協栄ジムの先輩、故海老原も微妙な判定に泣き、防衛に失敗。11年12月に向井寛史(六島)がポンサクレック・ウォンジョンカムに挑戦し、1回負傷引き分けとなったのが唯一の引き分けだ。

 過去にも、地元判定あり、妨害工作あり。苦い思いをした金平桂一郎会長も早くもピリピリムードだ。なのに、佐藤は平気の平左。「計量もごまかされる可能性あるから、多めに減量します。宿舎の隣の部屋でドンチャン騒ぎされても、ボクはアイポッドで音楽を聴いて寝るから関係ない。予定時間より試合が早くなっても、ボクはもともとウオームアップしないから関係ない。問題は食事と水。ボクの場合、コーラがあればいいから」とキッパリ。

 5月9日に夫人が第3子を出産予定。通常なら、海外遠征を敬遠しがちだが、佐藤は「予定より早まって(試合当日の)5月3日ぐらいかも。そうなれば、出産に立ち会わなくていい。帰国したら、3児のパパ」とマイナスをプラスに変える、達人ぶり。

 「人生のネタが増える。試合前日に、同じことが言えるか、ボクの男の器量が試される。ヘヘヘ」と佐藤。ヘラヘラ笑った目の奥は、しかし、ギラリと光っていた。 (竹下陽二)

 

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