

「水処理膜」分野への参入で日本を脅かすサムスン韓国の「
サムスングループ」が、水ビジネスに参入する。9月16日から釜山で開催される「2012年IWA世界水会議・展示会」にて、正式発表される。
水ビジネスは、大きく2つに分けることができる。1つは、海水や工場排水を
きれいな淡水に浄水する技術。もう1つは、浄化した水を工場や家庭に送り届ける
水道インフラ技術だ。
今回サムスンが参入するのは、浄水分野に欠かせない「
ろ過膜」。ろ過膜の世界シェアは、
東レ、
日東電工、
旭化成などの日本企業が世界の49%を止め、大きくリードしている。

サムスン、わずか3年で事業化を実現日本企業は1960年代から「ろ過膜」分野に取り組み、長年の研究の結果、現在の地位を築いた。
対するサムスンは、韓国南部のヨスに水処理膜の工場を建設。
来年4月から製品供給を開始する。
サムスンは、水処理の事業化をわずか
3年で実現した。この驚くべき参入スピードを見るだけでも、韓国の並々ならぬ意欲が感じられる。
日本企業とサムスンの競争は、エレクトロニクス分野だけでなく水ビジネス分野でも熾烈を極めるものとなりそうだ。

韓国企業が強い3の理由NHKの片岡利文解説委員は、水ビジネスで韓国が日本の脅威となり得る3つの理由を挙げている。
まず1つめは、「
開発メンバー」だ。今回のスピーディな事業展開を可能にしたのは、世界各国からのヘッドハンティングよる人材戦略が成功したからだ。
サムスンは米ゼネラル・エレクトリック、ドイツのシーメンス、そして日本の大手メーカーから処理膜の技術者を引きぬき、短期間での製品化を実現させた。
2つ目は、「
低コスト」の強みだ。開発期間が短いため研究費も少なく、その分低価格で提供できる。また製造費も日本とは比べものにならない低コストで賄えることに加え、ウォン安の恩恵を受けて輸出においても有利だ。
そして3つ目となる国を挙げての「
徹底支援政策」が、今回のサムスン参入を強く後押ししている。

国を挙げて世界トップを目指す韓国韓国政府は水ビジネスでの世界的な躍進を目指しており、2006年に海水淡水化研究に関する「
SEAHEROプロジェクト」を立ち上げ、2007年に「
水産業育成5カ年細部推進計画」を発表した。
韓国は日本円で約2400億円を投入し、世界の水処理関連企業のトップに躍り出ようとしている。
GDPのおよそ半分を
輸出に頼る韓国は、外貨を稼ぎ出す基軸産業の育成なしには国の発展が望めない。サムスングループは韓国のロックフェラーとも呼ばれる巨大コングロマリットであり、韓国GDPの実に20%を占めるといわれている。

日本はインフラ技術で世界的ニーズに応える戦略を韓国の水ビジネス参入に対抗するために、日本はどうすればいいのだろうか。片岡解説委員はエレクトロニクス産業とは異なり、
水処理ビジネスは総合的な技術が要求される産業である点に注目すべきだと指摘する。
水ビジネスには処理膜という「ろ過装置」だけでなく、浄化された水を作る水処理プラントの建設や、浄化水を各家庭などへ届けるインフラの整備が不可欠であり、これら
総合設備の運営・保守サービスまでをワンストップで請け負う総合力が求められる。
水インフラに関するノウハウは、日本の水道行政を担ってきた地方自治体に集積されており、これが日本の弱点になっている。水事業が長年公営事業として実施されてきたため、日本企業が海外事業への入札の際のに必要なる運営実績をもたないからだ。
地方自治体のインフラ技術と日本の企業が培ってきた製造技術を活かすべく、日本政府でも
新成長戦略で水ビジネスをアジアへのインフラ展開の柱に据え、官民挙げて21世紀の
日本の基軸産業に育てる方針だ。
経済産業省では、2025年の水ビジネスの市場規模は、およそ
86.5兆円に達すると試算しており、今後大きく発展するビジネスとして期待される。

水ビジネスの国際展開に向けた課題と具体的方策
http://www.meti.go.jp/report/00426b01j.pdf解説委員室ブログ:NHK
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/131385.htmlAmazon.co.jp : サムスン に関連する商品
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