ラジオ:デジタル化問題 業界の意見集約難航か 民放連の議論大詰め

毎日新聞 2013年03月07日 東京夕刊

 ラジオのデジタル化に向けた日本民間放送連盟(民放連)のラジオ委員会の議論が大詰めを迎えている。14日に意見をとりまとめ、総務省に制度設計を申請する方針だ。とはいえ、設備投資の負担増から反対する局や、アナログのままFMへの移行を検討するAM局も現れるなど、業界が一つにまとまるのは困難な様相を見せている。【土屋渓】

 総務省がラジオのデジタル化方針を決定したのは、テレビと同じ1998年。紆余(うよ)曲折を経て、テレビの地上波デジタルへの完全移行で空いた「V−Low(ブイロー)」と呼ばれる電波帯域を活用することになり、2008年には画像や文字情報を加えたマルチメディア放送を目指す方針が示された。

 それでも、民放の足並みはそろわない。ラジオ委員会が昨年11月、全国99の加盟社を対象にV−Low参入意向調査を実施したところ、参入は65%にとどまり、不参入10%、未定25%と分かれた。

 参入派は、当初からマルチメディア放送開始に向けて実験放送などを行っているTOKYO FMとその系列局が大半を占める。在京AMも一応は参入と回答している局が多いが、TBSラジオ&コミュニケーションズの入江清彦社長は「NHKの参加など前提条件が整わないと参入とはならない」と話す。

 最大のネックは費用だ。NHKと民放で設備投資に総額1200億円かかると試算される。NHKは全国での放送が条件となるため、民放がまとまらない限り、参加は難しいという立場だ。ラジオの広告費はこの10年間で半減し、公的資金も見込めない。現在のカーステレオやカーナビでは受信できない点も問題視されている。意向調査の数字以上に「V−Lowは無理」という空気が業界内に広がりつつある。

 一方、ビル陰や室内の難聴問題は深刻だ。AMの送信所は低地にあるが、例えば関東ならアナログのままFMに移行して東京タワーから送信すれば音質は改善し、送信所の更新にかかるコストも削減できる。在京局などはV−Lowではなく、現行のFM帯域の隙間(すきま)が利用できる見込みで、そうなればリスナーは端末を買い替える必要はない。ニッポン放送幹部は「FMは選択肢の一つ。民放のとりまとめにFM化が加わるかどうかが大事」と語る。

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