島根・鳥取・広島・岡山・大阪でボブヘアー・アースという美容室(美容院)を展開 株式会社サンキ常務取締役 森脇信太郎オフィシャルブログ

熱い美容師大好きです。
毎日の出会いを大切に日本一の最高のチーム創ります。
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接客業をしてるとお客様とのコミュニケーションで必ずぶつかりますニコニコ
これからは

「イエス・バット話法」

学んでいきたいものですねアップアップ

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空気清浄機の営業マン

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中村信仁著 営業の魔法 ビーコミュニケーションズより http://www.mgfan.com/

5回目のレッスンの朝だった

外は静かな雨が降っていた

紙谷さん(他社営業マン。主人公のために親切なアドバイスをくれる)
とのレッスンが始まって以来
その日が雨というのは初めての経験だった

昔の僕は
それだけで憂鬱になったものだ

しかし
朝起きをするようになってから
雨なら雨の中を歩けばよい
風なら風に吹かれればよい
なんていう心境になっていた

ノリのきいたワイシャツに袖をとおし
ネクタイを丁寧に締め
スーツに着替えた

傘をさして中野へ向かう

いつもの喫茶店で一週間の報告をした。

報告を聞いた紙谷さんは
「と、いうことは2人のお客様は
どちらも結論待ちなんですね」

「そうです
今週中に結果をご連絡くださるそうです」

先週
僕はキレイ好きな社長様と幼稚園の園長先生を訪ねていた

お見積もりをお渡しして
一生懸命プレゼンをした

電話で5分だけというアポだったのに
本当に1時間近く僕の提案を聞いてくださった

「お客様は
なぜ結論を先延ばしされたのでしょうね?」

微笑みながら紙谷さんは口を開いた

「はい
提出したお見積もりの金額が高額だったので
考えたいとおっしゃっていました」

「高額?」

「キレイ好きの社長様のオフィスには2台の提案をしたので60万円
高砂幼稚園様は7台のお見積もりで210万円でした」

「ほう。。。それほど高額とも思いませんが」

紙谷さんの反応は意外だった

「そうでしょうか。。。
60万円とか200万円というのはやはり大金だと思いますが」

「でも
車よりは安いじゃないですか」

「確かに車よりは安いかもしれませんが
空気清浄機ですよ

家電量販店で家庭用なら数万円で手に入ります」

「なるほど。
でも、家庭用サイズでは
広い事務所や幼稚園では役に立ちませんよね」

「そうですが。。。
やはり即決できる金額ではないと思います」

いつもの紙谷さんとは違っていた

心地良さがない

紙谷さんとの会話はいつも楽しかった

会話を通して勇気が湧いてきていた

頑張ろうって思えていた

でも
今日はなんだか違う

なんだか責められているようで居心地が悪かった

「お支払いはリースを組むんでしょ

それなら月々数千円から数万円で済むじゃないですか」

「確かにそうですが
合計額がやはり大切だと」

雨のせいだ

雨が僕たちの気分を暗く湿らせているんだ

「確かに合計額は大切です

しかし
衛生的な職場環境への設備投資ですから
十分な費用対効果を得られるのではにですか」

「そうですが
やはりお客様にも色々なご事情が。。。」

僕は最悪な気分だった

「あははっ、ゴメンなさい
もういいですよ」

「えっ?」

紙谷さんが突然いたずらっ子の眼をして笑い出した

しまった

また
いつもの実践レッスンだったに違いない

「多分
今の会話
あなたとお客様の間でのやり取りだったんじゃありませんか」

「あっ!」

「私のいったことばがあなたのトークで
あなたの言葉がお客様の。。。」

「その通りです!」

叫んでいた

僕は今まさに
逆の立場を演じていた

「不快だったでしょう」

心の中を見透かされていたようだ

恥ずかしくてうつむくしかなかった

「では
今日のレッスンテーマをお伝えしましょう」

紙谷さんが本当に楽しそうに笑っている

「今日はイエス・バット話法をレクチャーします」

「イエス・バット。。。ですか」

「直訳すると『はい、しかし』ですよね

これはお客様がいった言葉に対して
まず肯定することから入るんです

それから自分の意見を述べる技術です」

「あっ、知っています!

まず『おっしゃるとおりです』と言ってから
『しかし、こういう考えはどうでしょう』というテクニックですよね」

「その通りです。さすがですね」

「新入社員研修のときに教わったんです」

「では、さっきの会話をもう一度
イエス・バットでやり直してみましょうか」

「はい」

「確か
高額だったために結論を先延ばしされたんでしたよね」

「そうです」

「では
どのように切り返すと良いでしょう」

「はい。
まずお客様の意見を肯定するわけですから。。。
確かに高額ですよね
と認めることから入り
しかしリースを組みますので月々のお支払いは数千円程度です
というべきではないでしょうか」

「月々は数千円でも
トータルではけっこうな金額です」

紙谷さんが微笑みながらどうぞという仕草で僕にふった

実践レクチャーの始まりだ

ワクワクしてきた

「はい、そのとおりです

確かにトータルでは高額です

でも
みなさんの環境を維持するコストと考えれば
必要経費と考えられませんか」

紙谷さん「そういっても。。。
いろいろ予算を検討してみないと」

私「ありがとうございます
ぜひご検討ください
。。。あれっ?
紙谷さん
やっぱり結論待ちで終わっちゃいますよ!」

「あははっ、本当ですね」

「笑い事じゃありませんよ

なぜですか?

僕はきちんと肯定していたのに」

「では
本当のイエス・バット話法を伝授しましょうか」

「本当の?」

「そうです

本当のイエス・バット話法です

この技術はあなたがそうだったように
勘違いされがちなんです

まず肯定してから否定すると

『その通りです、でもですね。。。』
という具合に

しかし
実際にはそれでは上手くいきません

『バット』の部分に秘密があるんですよ」

僕は紙谷さんから目が離せないでいた

「実はイエス・バットの『バット』はこちらがいうのではなく
お客さまにいっていただくんです」

「えっ?
どういうことですか」

「違う考えもあるな。。。
と、お客様に気づいていただくんです」

「そんなことできるんですか!
いやっ、いくら紙谷さんでもそれは無理ですよ」

「朝食を賭けましょうか」

「うっ。。。」

自信に満ち溢れている紙谷さんの表情

それはいつものことだが
今回は無理のような気がした

でも
紙谷さんなら
できるんだろうという気もしている

「朝食賭けましょう

考えたら
僕はごちそうになってばかりでいます

授業料すらまだお支払いしていない

負けを覚悟で賭けに乗ります」

「分かりました

今日はしっかりご馳走になりましょう

さっきもいった通り
イエス・バット話法には『バット』の部分に魔法が隠されています

どういうことかというと
お客様の意見をしっかりお聴きした上で
その後
その意見に対して質問するんです」

「質問ですか?」

「例えば
60万円を高いとおっしゃられたとしましょう

その通りです

この金額はおっしゃる通り決してお安くはないと思います

ところで、今
何かと比較されて高いとお考えになったのでしょうか?

と、質問してみたらどうでしょう」

「なにと比較したのか考えますよね」

「そうです

チョット自分自身考えてみてください」

「そうですね。。。
僕なら、やはり家庭用の空気清浄機と比較したかもしれません」

「そうですね

もしくはコピー機やパソコンなど
色々な設備と比較するはずです

そして
確かに家庭用の空気清浄機はお手ごろな価格でご購入できますよね

ところで
あなたのオフィスは何畳くらいありました?」

「何畳ですか。。。
畳を敷いたら
それこそ何百枚だと思いますが。。。」

「そうなんですよ

家庭と会社では広さの基準がぜんぜん違いますよね」

「ええ、とても広すぎて家庭用では対応できないと思います。。。

アッ!」

「ネッ」

なんてことだ
本当に『バット』の部分を
いかにも僕は自分で考え
自分でノーを消していた

「質問なんです

お客様に質問していくことが
イエス・バット話法の極意なんです

なぜ、そのように考えるのか?

今、お客様がいったことの真意はなんだろうか?

本当のところはどうなんだろうか?

と、いうように
ドンドン肯定しながら質問を繰り返すうちに
お客様が自分自身でイエス・バットを繰り返してくださるんです

そして
それは押しつけられたバット意見ではなく
自分で導き出した考えであるため
決して不快な思いをせず
勝手にクロージングを自分自身にかけていって下さるんです」

「質問ですか。。。すごいです」

「ホメたって
朝食はしっかりご馳走になりますよ」

「もちろんです
初めから負ける賭けに乗ったんですから

紙谷さん本当にありがとうございます」

「会話技術なんて所詮道具でしかありません

決して間違った心で使うことのないように

僕は
あなたのように優秀な弟子を持ち
チョット調子に乗りすぎました

技術を過信しないように

これだけはしっかり伝えますよ

ところで
営業の役割を覚えていますか?」

紙谷さんが微笑んでいた

「はい、覚えています

営業とは
お客様の問題を解決するお手伝いをすることです

そして
お客様と成長の感動を共有します」

「その通りです」

僕が会社を辞めようと思ったとき
紙谷さんが気づかせてくれた営業職の使命だった

「箸の持ち方
ボールの投げ方
計算の仕方など
正しいやり方というのは何にでもあります

しかし
箸で雑巾掛けをしないように
そのもの自体の在り方が大切なんです

例えば
短気な人に
腹を立てない方法を教えるよりも
『人は何に腹を立てるかで、その人自身の器の大きさが分かる』と導き
偉大な人になるためにも
些細なことで腹を立てないほうが良いということを諭すことのほうがどれだけ大切か

営業も、ただ、相手のノーを消すだけの技術なんて本当に色々あります

しかし
なぜお客様のノーを消さなければならないのか
なぜ
お客様が購入してくださるのかを
しっかり考えなければいけません

これだけは本当に覚えておいてください」

「はい。。。」

「さぁ、ノートにまとめたら朝ご飯にしましょう(^^)」



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