ヨルダン川西岸で発掘された、およそ2000年前の遺跡。
ここで見つかったのは、古代ユダヤの王、ヘロデ王の棺です。
ユダヤの古い歴史を伝えるこの王の棺は、先月(2月)からエルサレムの博物館で公開され、大きな注目を集めています。
観客
「イスラエルの歴史にとって重要で忘れてはならないものです。」
しかし今、この文化財がイスラエルとパレスチナの新たな火種となっています。
遺跡が発掘されたのは、長くパレスチナ人が暮らしてきた場所です。
パレスチナ側は、占領者であるイスラエルが自分たちの土地から勝手に持ち出していると反発。
さらに、こうした古い文化財や遺跡が、イスラエルの支配を強める口実になりかねないと警戒を強めています。
パレスチナ暫定自治政府 観光・遺跡担当相
「イスラエルは占領者として尊大に振る舞い、何をしてもいいと考えている。」
2000年の時を経て、イスラエルとパレスチナの間に新たな議論を呼ぶこの問題について、現地からの報告です。
鎌倉
「中東和平交渉再開に向けて、なかなか進展が見られないイスラエルとパレスチナ。
こうしたなか、古代ユダヤの遺跡や文化財の発掘をめぐって大きな議論が巻き起こっています。」
黒木
「問題となっているのは、古代ユダヤの王として聖書などにも登場するヘロデ王にまつわる品々です。
イスラエルが占領するヨルダン川西岸で見つかりました。
発掘を行ったイスラエル側に対し、パレスチナ側は、文化財が勝手に持ち出されていると強く反発。
さらに、イスラエルがこれを口実に占領を正当化しかねないと警戒を強めています。」