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'13/3/5

広電木造駅舎、月内に姿消す




 広島電鉄(広島市中区)は4日、新ホーム開設に伴い宮島線の廿日市駅(廿日市市廿日市)の旧ホームと駅舎の解体に着手した。広電の駅・電停のうち唯一残る木造駅舎は、7日にも解体が始まる見通し。昨秋のさよならイベントで住民や鉄道ファンから惜別の思いを寄せられた駅舎は、月内に姿を消す。

 木造平屋約25平方メートルの駅舎に隣接する、高床ホームの古びた木製屋根が、手作業で取り外されていく。旧ホームと駅舎は1日夜に閉鎖。下り線の乗客は、2日から供用が始まった東側の新ホームに向かう。駅舎は7日にも屋根など一部の解体を始める。跡地には駐輪場などを移す。

 同駅は1924(大正13)年に開業。昨年9月、有志のグループによる記念切符の配布や駅前風景の写真展示があり、約2千人でにぎわった。待合室にあった木製ベンチ2脚は、11月から市木材利用センターが引き取り、展示している。閉鎖まで駅舎に置かれた「思い出ノート」は大学ノート3冊に上った。

 買い物で駅に降り立った同市の主婦平井喜代さん(69)は「駅舎内に売店があり、にぎやかだったころが懐かしい。お務めご苦労さまでした」と感慨深そうだった。

【写真説明】広電廿日市駅舎に隣接する旧ホームの屋根を解体する作業員




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