東日本大震災:県外避難者、悩み尽きず迷いも
毎日新聞 2013年03月05日 02時30分(最終更新 03月05日 03時07分)
「どんな生活が結心にとって良いのか。悩みは尽きないんです」
茨城県つくば市で避難生活を送る双葉町民、中村富美子さん(71)は「移住を考えている」に○を付けた。夫の希雄(まれお)さん(71)と埼玉県加須市の旧騎西高に避難していたが、3食支給されるもののプライバシーのない生活に疑問を持ち、11年秋につくば市の公務員住宅に移った。「前向きな生活を送れば、仲間が集まるのでは」。その思い通り、同級生や独居の高齢者、震災で配偶者を亡くした人らが集まり始めた。震災月命日には庭で慰霊祭も行う。
公務員住宅にいつまで住めるかは見通せない。希雄さんは「出て行く場所はないが、放射能も高いし福島に戻る気はない」と話す。富美子さんは「(帰還を)上から強制するのはおかしい。悲しいけれど帰れない。今のコミュニティーを大事にしたい」と語った。【春増翔太、山内真弓】