東日本大震災:震災がれき試験焼却阻止 威力妨害容疑で告訴は不当 山本さんら、富山で集会 /富山
毎日新聞 2013年03月04日 地方版
◇「説明ないと主張しただけ」
震災がれきの広域処理に反対する集会が3日、富山市湊入船町のサンフォルテであった。反原発運動家で俳優の山本太郎さんらも駆けつけ、がれきの試験焼却を阻止した富山市民たちが告訴されたことの不当性などを話し合った。
告訴問題では、富山地区広域圏事務組合が昨年12月、試験焼却後の灰を富山市の最終処分場にトラックで運び込んだ際に阻止されたとして、市民団体のメンバーを威力業務妨害容疑で告訴している。
阻止した市民団体の中山郁子さん(44)は、現場の警察官に道交法違反に当たると注意されたことなど当時の状況を説明し、「住民への説明がないと主張しただけだ。私たちが訴えられる筋合いはない」と話した。山本さんは「危険なことに対して声を上げられない空気がまん延していったら、何も言えなくなってしまう」と話した。
集会にはジャーナリストの木下黄太さんや、がれき受け入れ反対のデモ行進をしたなどとして逮捕された下地真樹・阪南大准教授らも参加した。
木下さんは「現場には警察官がいた。警察官が現行犯逮捕していないのに、告訴はあり得ない」と指摘すると、山本さんも「告訴されると精神的、社会的ダメージを受ける。市民を告訴し、力を見せつける行動に出たことは許し難い」と同調した。【大森治幸】