医療制度の変遷について学ぶため、辻亘亮氏（株式会社日本経営）を講師にお招きして、「医療・介護制度改正時における地域開発」についてお話いただきました。
�〇笋蓮�医療機関の経営および会計を専門とする経営コンサルティング会社に勤務しております。行政機関と医療機関の間で、クライアント様に役立つ情報を提供することを仕事として参りました。本日は、大きな医療制度改革の流れについて振り返り、地域に求められる医療機関についてお話させていただきます。
��1947年に制定された医療法は、60年間に合計5回の大きな改正を経て現在に至ります。1985年の第1次医療法改正は、総量規制の導入がその特徴です。法改正に先立つ1983年に厚生労働省の吉村保険局長から「医療亡国論」が出され、少子高齢化社会の到来を前にした医療費抑制が政府の目指すところになりました。
��1992年から2008年にかけて、第2次医療法改正から第5次医療法改正が行われました。この期間においては医療提供体制の改革が行われました。1992年の第2次医療法改正で療養型病床群が導入され、1998年の第3次医療法改正では介護体制の整備が謳われ、2000年に介護保険法が成立しました。OECD諸国で最も費用対効果の高い医療制度を持つ日本ですが、2001年の第4次医療法改正において、さらに医療費の総額を抑えるために病床区分の変更が行われました。日本全国にある163万床のうち一般病床が90万床ありますが、これを急性期・回復期・長期療養に3区分した上で、厚生労働省はこれを50-60万くらいに削減しようと計画するなど、医療法改正、診療報酬改定により医療財政圧縮のために制度変革が行われてまいりました。
�い修諒儔修里覆�れのなかで、これまでの施設整備や医師数や看護基準といった「構造structure」の整備が医療機関に対する評価として行われてきたものが、最近では、それが「内容process」へと移行し、さらに将来的には「成果outcome」まで要求されていくであろうというのが医療評価の方向性となり、その一環としてDPCという包括支払制度への移管において示しております。
�イ修領�側では、医師数は増加しているにもかかわらず、当直医がいない専門医が足りないなどの「医療崩壊」が社会問題となっています。3年以上同一施設に勤務する医師の67.7％が担当領域が年々拡大しているなどの負担感の増大を実感しているそうです。これが勤務医から開業医へ向かう背景にあるようで、開業年齢は年々、低下して行っております。そのようななかで、女性が勤務できる支援体制のあるクリニックモールや分業体制での共同開業などの開業形態が生まれつつあります。
��1985年の第1次医療法改正で導入された１次〜3次医療圏という考え方に特徴的な「医療提供側の論理」で、これまでの医療界は動いてきました。病床削減、在宅移行、機能分担により診療報酬体系に反映されてまいりました。しかし今年からはじまる新しい医療計画においては、「患者を中心にした医療連携体制の構築」を目指して消費者主義、情報効果、アウトカム評価、社会資源の有効活用、保険者機能の評価が今後の流れを決めていくものと思われます。
�Д悒襯好吋▲機璽咼垢蓮�急性期・在宅復帰支援・慢性期・シルバーハウス・予防医療という各ジャンルのなかで、今後の流れとしては「効率的で安心かつ質の高い医療の提供」を行う医療機関だけが生き残り、そしてそれを社会資本が支援する時代になると思われます。現在、民間の有料老人ホーム事業者がサブプライムショックと不動産不況も相成って非常に厳しい局面を迎えております。そのなかでも医療機関と連携を明確に適正な価格での事業については、この時代をチャンスとして出店計画を進めていることも、それを証明しているものなのではないでしょうか。
�〇笋蓮�医療機関の経営および会計を専門とする経営コンサルティング会社に勤務しております。行政機関と医療機関の間で、クライアント様に役立つ情報を提供することを仕事として参りました。本日は、大きな医療制度改革の流れについて振り返り、地域に求められる医療機関についてお話させていただきます。
��1947年に制定された医療法は、60年間に合計5回の大きな改正を経て現在に至ります。1985年の第1次医療法改正は、総量規制の導入がその特徴です。法改正に先立つ1983年に厚生労働省の吉村保険局長から「医療亡国論」が出され、少子高齢化社会の到来を前にした医療費抑制が政府の目指すところになりました。
��1992年から2008年にかけて、第2次医療法改正から第5次医療法改正が行われました。この期間においては医療提供体制の改革が行われました。1992年の第2次医療法改正で療養型病床群が導入され、1998年の第3次医療法改正では介護体制の整備が謳われ、2000年に介護保険法が成立しました。OECD諸国で最も費用対効果の高い医療制度を持つ日本ですが、2001年の第4次医療法改正において、さらに医療費の総額を抑えるために病床区分の変更が行われました。日本全国にある163万床のうち一般病床が90万床ありますが、これを急性期・回復期・長期療養に3区分した上で、厚生労働省はこれを50-60万くらいに削減しようと計画するなど、医療法改正、診療報酬改定により医療財政圧縮のために制度変革が行われてまいりました。
�い修諒儔修里覆�れのなかで、これまでの施設整備や医師数や看護基準といった「構造structure」の整備が医療機関に対する評価として行われてきたものが、最近では、それが「内容process」へと移行し、さらに将来的には「成果outcome」まで要求されていくであろうというのが医療評価の方向性となり、その一環としてDPCという包括支払制度への移管において示しております。
�イ修領�側では、医師数は増加しているにもかかわらず、当直医がいない専門医が足りないなどの「医療崩壊」が社会問題となっています。3年以上同一施設に勤務する医師の67.7％が担当領域が年々拡大しているなどの負担感の増大を実感しているそうです。これが勤務医から開業医へ向かう背景にあるようで、開業年齢は年々、低下して行っております。そのようななかで、女性が勤務できる支援体制のあるクリニックモールや分業体制での共同開業などの開業形態が生まれつつあります。
��1985年の第1次医療法改正で導入された１次〜3次医療圏という考え方に特徴的な「医療提供側の論理」で、これまでの医療界は動いてきました。病床削減、在宅移行、機能分担により診療報酬体系に反映されてまいりました。しかし今年からはじまる新しい医療計画においては、「患者を中心にした医療連携体制の構築」を目指して消費者主義、情報効果、アウトカム評価、社会資源の有効活用、保険者機能の評価が今後の流れを決めていくものと思われます。
�Д悒襯好吋▲機璽咼垢蓮�急性期・在宅復帰支援・慢性期・シルバーハウス・予防医療という各ジャンルのなかで、今後の流れとしては「効率的で安心かつ質の高い医療の提供」を行う医療機関だけが生き残り、そしてそれを社会資本が支援する時代になると思われます。現在、民間の有料老人ホーム事業者がサブプライムショックと不動産不況も相成って非常に厳しい局面を迎えております。そのなかでも医療機関と連携を明確に適正な価格での事業については、この時代をチャンスとして出店計画を進めていることも、それを証明しているものなのではないでしょうか。