NHK福島県のニュース 福島放送局
6人に1人“家族関係悪化”
東日本大震災と原発事故が起きてからまもなく2年となるのを前に、NHKが福島で被災した人や事故の被害にあった人にアンケートを行ったところ、家族との関係が悪化したと感じている人が6人に1人にのぼりました。
NHKでは東日本大震災と東京電力福島第1原発の事故が起きてから2年になるのを前に、去年12月から先月までの間に特に被害が大きかった福島・岩手・宮城の3県の被災者や事故の被害者に、アンケートを行い、このうち福島では352人から回答がありました。この中で、震災前と比べて家族との関係の変化について尋ねたところ、回答した326人のうち「良くなった」「やや良くなった」と答えた人があわせて34%、「変わらない」が49%でした。
その一方で「やや悪くなった」、「悪くなった」と答えた人はあわせて18%と東北3県で最も高く、家族関係が悪化したと感じている人たちが6人に1人にのぼっていました。
悪化したと感じている人のうち震災発生から1年がたってからこれまでの具体的な変化については、「会話の量が減った」が67%と最も多く、次いで「一緒に過ごす時間が減った」が47%、「何でも話せなくなった」が41%、「言い争い、けんかが増えた」が33%となっていて、中には「離婚を考えた」という人も12%いました。
「会話の量が減った」や「何でも話せなくなった」という回答については震災が起きてから1年までの間と比べると2倍以上となっていて、時間が経つにつれて家族の間に深刻な状況が出てきていることが伺えます。
悪化した理由については、「放射線量が高いのに、家に戻る、戻らないで夫婦の間でけんかが増えた。どうしても子供のことを考えると無理」といった放射線に対する考え方で対立するケースが目立っていました。
さらに家族関係の変化が変わっていないと感じている人の中にも震災が起きてから1年までの間と比べて会話の量が減ったり一緒に過ごす時間が減ったりした人が増えていました。
被災した人の心のケアにあたっているNPO団体「よりそいネット」の熊坂義裕代表幹事は、「震災から2年が経ち、特に家族の絆を巡る相談が増えてきた。先行きが見えない生活への不安や、住宅の移転問題などから、家族間や夫婦間で溝が生まれている現状がある。抱えている問題があまりにも多く、問題をともに抱えている家族だからこそ話せなくなっていて、そうした人たちの悩みを聞き、客観的にアドバイスできるような機関が必要になっている」と指摘しています。
03月06日 20時19分
福島県のニュース
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