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国際
バレリーナの処遇めぐる確執か ボリショイ芸術監督襲撃事件
2013.3.6 20:22
【モスクワ=佐々木正明】ロシアのボリショイ・バレエ団の芸術監督セルゲイ・フィーリン氏(42)が1月、モスクワ市内で硫酸をかけられ、顔に大けがを負った事件で、ロシア内務省は5日、同バレエ団所属ダンサーのパベル・ドミトリチェンコ容疑者ら3人を拘束した。230年以上に及ぶボリショイ劇場史上、「最も残忍な事件」と言われた今回の襲撃は、身内による犯行の可能性が高まり、ロシア社会に大きな衝撃をもたらしている。
他に拘束されたのは実行犯とされる男と実行犯を現場などに送った運転手役とされる男。通話記録などから身元が割れたといい、露メディアは6日、ドミトリチェンコ容疑者が「私が襲撃を仕組んだが、これほどの事態に至るようなものではなかった」と自供する映像を流した。
ドミトリチェンコ容疑者は2002年に同バレエ団に入団し準トップダンサーの上級ソリストまで昇格。昨年は、元トップダンサーだったフィーリン監督とともに来日し、「白鳥の湖」や「スパルタクス」で主役級を演じた。今月16日の公演にも出演する予定だった。
ボリショイ劇場は5日、フィーリン監督とドミトリチェンコ容疑者の間に「激しい衝突はなかった」との声明を出したが、警察当局は6日、バレエ団の活動をめぐるフィーリン監督との「敵対関係」が犯行の動機となったと説明した。
また、露紙コメルサントなどは関係者の話として、確執の原因は、ドミトリチェンコ容疑者と近い関係にあった同バレエ団の女性バレリーナへの処遇だったと指摘。フィーリン監督が女性バレリーナのキャリアを阻害するような配役をしていた、とドミトリチェンコ容疑者は考えており、フィーリン監督への不満を募らせていたという。女性バレリーナはフィーリン監督のライバルのトップダンサーの教え子でもある。
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