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震災2年アンケート 家族との関係悪化も
3月6日 17時20分

震災2年アンケート 家族との関係悪化も
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東日本大震災が起きてから2年になるのを前に、NHKが、岩手・宮城・福島の3県の1000人余りの被災者にアンケートを行ったところ、6人に1人が「家族との関係が悪化した」と感じていることが分かりました。専門家は「復興に向けた先行きが見えず、家族の間に深刻な溝が生まれているのではないか」と指摘しています。

NHKは、東日本大震災と東京電力福島第一原発の事故が起きてから2年になるのを前に、被害が大きかった岩手・宮城・福島の3県の被災者や事故の被害者に、去年12月から先月にかけてアンケートを行い、1006人から回答がありました。
この中で、家族との関係について震災前と比較して尋ねたところ、▽「よくなった」「ややよくなった」と答えた人が合わせて33.6%、▽「変わらない」が50.9%でした。
よくなった理由としては、「家族の大切さを改めて実感した」とか、「家族と一緒にいることでつらい経験を乗り越えることができた」など家族の存在が支えになったという回答が目立ちました。
一方で▽「やや悪くなった」、「悪くなった」と答えた人は合わせて15.5%で家族関係が悪化したと感じている人たちが6人に1人に上りました。
悪化したと感じている人に具体的な変化について複数回答で尋ねたところ、▽「会話の量が減った」が67.6%で最も多く、次いで▽「何でも話せなくなった」が49.3%、▽「言い争い、けんかが増えた」が43.7%などとなっています。中には、▽「子どもに厳しくなった」が9.9%、▽「離婚を考えた」「離婚した」という人も合わせて14.1%いました。
このうち、「会話の量が減った」と「言い争い、けんかが増えた」は、1年前と比べて2倍以上に増えています。
悪化した理由としては、「夫婦の間でも今後の事について考え方にずれがある」とか、「将来住む家をどうするか考えがまとまらない」など復興に対する意見の食い違いや、「放射線量が高い自宅に戻る、戻らないで夫婦間のけんかが増えた」など放射線に対する考え方で対立するケースが目立ちました。
また、「家族関係に変化がない」と感じている人の中にも、1年前と比べて会話の量や一緒に過ごす時間が減ったという人が増えていました。
被災した人の心のケアに当たっている「よりそいホットライン」の熊坂義裕代表理事は「震災から2年が経ち、家族の絆を巡る相談が増えてきた。復興に向けた先行きが見えず、家族の間に深刻な溝が生まれているのではないか。抱えている問題が多いのに、家族だからこそ話せなくなっていて、客観的にアドバイスできる機関が必要だ」と指摘しています。

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