岡山市東区瀬戸町鍛冶屋の千種小学校で児童が繁殖させた国天然記念物・アユモドキ１５０匹が31日、野生復帰を目指して個体数を増やすため、同小から神戸市立須磨海浜水族園（同市須磨区若宮町）に引き渡された。

　同小で贈呈式があり、総合教育の一環で飼育している５年生39人が出席。水族園からは東口信行淡水グループチームリーダーと国居彩子学芸員が訪れた。児童代表が「一生懸命育てたアユモドキをよろしくお願いします」と水槽を手渡した。

　水族園は、昨年度独自に人工繁殖させた吉井川水系の１５０匹と合わせて飼育する。飼育したアユモドキ同士の繁殖技術はまだ確立していないため、水族園が試みる。

　アユモドキはドジョウ科の淡水魚で、県内の三大河川水系と琵琶湖・淀川水系の一部に生息。環境省のレッドリストで、ごく近い将来に絶滅の危険性が極めて高いとされている。

　吉井川水系の生息地に近い同小は、２０１０年から専門家の指導のもとで野生種を捕獲して人工繁殖を行っている。