和解成立3割 原子力損害賠償紛争解決センター 未完了3000件超
政府の原子力損害賠償紛争解決センターに平成23年9月から今月4日までに寄せられた、東京電力への損害賠償に関する申立件数は5659件で、和解成立件数は1770件、和解率は31・3%にとどまっている。仲介が完了していない件数は3千件を超える。平均審査期間も8カ月と、目標の3カ月から大きく遅れた。5日、センターが活動状況報告書を公表した。
24年3月からは申立件数が月400件を超え、事案の背景調査などを担う調査官が少ないため、平均審理期間も縮まらなかった。
案件に関わる仲介委員や補助する調査官はセンター当初の計41人から順次増員してきた。今月4日現在で約350人となり、25年1月には月別の和解成立件数が263件と初めて200件を超えた。月別に見ると対応完了件数も申立件数を上回りはじめたが、約3千件が完了しておらず、さらに人員を増やし、工夫して審理の簡素化を進める。
■「東電は誠意ある対応を」 センター要請
原子力損害賠償紛争解決センターは5日、東京電力に対し、被災者への誠意ある対応の徹底を文書で要請した。
同センターによると、センターへの電話による問い合わせで東電への不満や要望などが三割を占めているという。特に「東電への直接請求とセンターへの申し立てを両方している場合、直接請求の手続きを進めてもらえない」「センターで和解後、その他の損害を直接請求で解決を図ったが、請求書用紙が送付されず東電に頼んでも拒否された」などが相次いでいるという。
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