石橋女流のマイナビ女子オープン対局ボイコットに関して
先月30日水曜日の日の出テレビ「政治の時間」に森内名人が出演した。もちろん観たのだけれど、冒頭で「どうぶつしょうぎ」が扱われたので、以後、僕は一切のコメントを控えていた。途中、LPSAのマイナビ女子オープンボイコットの件がタイムラインに記載されたときは「あぁ、これはまずいなぁ」と思ったけれど、仕方がない。キャスター、サブキャスターは将棋は「指す」ものだということも、「対局する」ものだとも知らない、将棋のドシロウトである。余計な知恵を横から授けても意味がないし、生放送だから、放送事故級のできごとが進行していても、どうしようもなかったのである。結局、当事者であるキャスター、サブキャスターの二人はいったい何が起きたのかもわからないうちに放送は終了した。
日の出テレビにとって不運だったのは、この放送の前日に将棋界ではめったに起きない大きなトラブルが発生していたことで、日の出テレビにとって気の毒だったとしか言いようがない。せめて、事前に僕に相談があれば「こういうことは気をつけたほうが良い」とレクチャーすることもできたのだが、日の出テレビのキャスト、スタッフたちは僕が将棋について非常に詳しい人間のひとりであることすら知らなかったのだと思う。森内名人がどうぶつしょうぎに言及した時に、彼らが僕の話を出さなかったことからも、それは推測できる。
さて、日の出テレビを巻き込んだ将棋界の一大事、石橋女流のマイナビ女子オープンボイコット事件について、僕なりの見解を書いておきたい。
実は、僕は将棋ネタ、特に女流ネタは意識してこのブログに書かないことにしていた。というのは、北尾女流が以前、僕に対して「分裂した女流の再合流が果たせなくなるようなことはブログに書かないで欲しい」と言っていたからだ。一々細かい配慮をするのは面倒臭いので、それなら最初から何も書かないでおこう、と思ったわけだ。しかし、北尾女流の旦那さんの片上六段がこの件についてブログで言及していたので、それなら良いかな、と思って書くことにした。
まず、最初に大前提として、今回の件を抜きにして書いておきたいことは、「連盟も、LPSAも、組織の質としては大差がない」ということである。僕は棋士にも、またLPSAの女流棋士にも知り合いがいるけれど、彼ら一人ひとりはとても良い人達だが、組織としてはいただけない。正確には日本将棋連盟とは一緒に仕事をしたことがないのだが、内部の人間の発言を仄聞する限りにおいては「なんだかなー」という感じである。では、そこからスピンアウトしたLPSAはどうなのか、ということになるのだが、こちらもイマイチの組織で、僕としては、二度と一緒に仕事をしたくないと思っている。所詮は世間知らずのお嬢さんたちの“ゴッコ”というのが、僕の率直な感想である。たとえば組織の長(当時は中井女流)が契約相手に対して、契約書に押されている代表印について「誰が押したのかわからない。私は知らない」などと述べたことがあった。「あぁ、これはダメだ」という感じである。当初、将棋連盟というイケてない組織から飛び出したのだから、きっとイケている人たちなんだろうな、と思っていたのだけれど、それは誤解で、どっちもどっちだったわけだ。僕の会社も、LPSAが独立した当初は熱心にサポートしたものだけれど、その関係は長く続くことはなかった。
LPSAと仕事をしてみて強く感じたのは、彼らが「何かを作っていく」という姿勢ではなく、「自分たちは一定のステータスを持っているので、それを利用させてあげる」といった、権威主義的、高圧的、もっとわかりやすく言うなら、上から目線体質だということである。ビジネスパートナーとしては「?」という発言が多く、しかも契約済みの案件について一方的に見直しを要求したり、勝手に契約を無視したり、社会的な常識を全く理解していない人たちだった。その件をLPSAに非常に近いところにいる弁護士に述べたところ、「私たちに見せている顔とは全く別だ」という感想を述べていた。つまり、相手を見て態度を変える人たちなのである。加えて、何かというとすぐに弁護士を登場させる。弁護士はことが収拾不能になった場面では機能するけれど、通常の交渉で彼らが出てきてしまっては相手に喧嘩腰と見られてしまう。普通、そんなことはしないものだ。最初から高圧的に出て、相手にプレッシャーを与えていたら、まとまるものもまとまらない。
ひとつエピソードを紹介するなら、かつて、どうぶつしょうぎの権利について整理している打ち合わせの最中に、石橋女流は当時交渉窓口だった北尾女流を「あんたはどうぶつしょうぎをライブログに○○円で売り渡したのか!」と叱責したことがある。正確には、「共同で事業化して行きましょう」という内容だったのだが、それが彼女の頭のなかでは「安価で売り渡した」と処理されてしまっていた。
さて、そういった団体であるLPSAと、詳細はわからないけれど、あんまりイケてないんだろうな、という団体である将棋連盟がまた衝突した。全体の流れはこの記事がわかりやすい。
女流将棋界で対局ボイコット騒動 プロ資格巡り対立
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO51159360Q3A130C1000000/
簡単にいえば、LPSAが自前のプロ棋士を作ったら、「そうですか、でも、連盟のプロとは違いますよ」と言われて大もめにもめて、最終的にLPSAの女流棋士(石橋女流)による対局のボイコットという、最悪の結末に至ったということである。
将棋連盟には将棋連盟の「女流プロ」の規定がある。一方で、LPSAは独自に「女流プロ」の規定を設置した。いわば、「将棋連盟女流プロ」と、「LPSA女流プロ」が存在する状況である。話がさらにややこしくなるのは、これに加えて「将棋プロ」が存在することである。これは男女の区別なく日本将棋連盟が規定しているものだが、その基準をクリアした女性はこれまで一人もいない。女流プロとは、一般の「プロ」の基準を満たすことが出来ない女性のために特例的に作られた制度なのだ。結果的に女性の「将棋プロ」はいないのだが、これは制度上何か差別があるわけではなく、単に女流が弱いからで、将棋プロからすれば、「女流は実力がなくてもプロになれる特権階級者」という考え方がある。
そもそも将棋連盟という組織は、実質的には将棋指しの事業協同組合的な色彩が濃い団体で、新聞社を中心としたスポンサーから得られたお金を再分配するのが主要な役割だ。当然、再分配先となる事業者、すなわちプロの将棋指しは少ない方が良い。一度プロとなってしまえば一定の既得権を持つことになるので、全く給料を支払わないわけにもいかない。既得権は、一度与えたら引き剥がすのに物凄く大きな労力を要するから、プロのハードルは高くなる。また、メインのスポンサーである新聞社は将来性がなく、徐々に衰退していく産業である。さらに、コンピューターソフトの棋力が格段にアップし、すでにトップアマチュアでは歯がたたないくらいになっている。表では「まだプロの方が強い」ということになっているが、非公式にはプロでも将棋ソフトにボロボロ負けているし、将棋の中継を担当するプロ棋士が横にPCを置いて、ソフトに候補手を表示させてコメントしている現場も見てきている。つい先日、渡辺明竜王と羽生善治三冠という、将棋界を代表する棋士同士の対局で7七銀という手が指されたのだが、この手の善悪を一番最初に判定したのはPCソフトだったようだ(実戦は、羽生三冠の読みに見落としがあったのだが、渡辺竜王にも同じ見落としがあって、羽生三冠の勝利となった)。
お金も減り、強さにも絶対的なものがなくなり、将棋指しを取り巻く状況は、明るいものが少ない。
そんな中で、将棋連盟、LPSA、マイナビの三者で主催する将棋大会「マイナビ女子オープン」において、将棋連盟とLPSAが衝突した。LPSAの立場もわからなくはない。自分たちの「LPSAプロ」が将棋連盟から「何の意味もありません。将棋連盟のプロを名乗りたければ、将棋連盟の規定をクリアして下さい」とされた場合、LPSAは将棋連盟の規定をクリアするための私塾のようなものになってしまう。しかし、一方で、将棋連盟の「LPSAのプロは、私たちに取れば何の価値もない」という立場も当たり前だ。将棋連盟には独自の規定があるのに、LPSAが勝手に自己基準で将棋連盟女流プロを量産してしまえば、将棋連盟の女流プロの立場がなくなるし、上述のように少ないパイをわけるための事業協同組合だから、組合員たちはへそを曲げる。
話の筋としては、「将棋連盟女流プロ」と「LPSA女流プロ」という名称をそれぞれが勝手に使えば良いだけのことなのだが、世間的には将棋連盟女流プロはイコール女流プロなので、LPSA的には自分たちだけがマイナーな資格を設定しているように見えてしまうのが困るのかも知れない。
しかし、残念ながら、LPSAは、やはり将棋連盟とは対等にはなり得ない。規模も、組織力も、歴史も違うのだ。その場合、採るべきスタンスは2つで、子会社のような立場で将棋連盟の土俵を借りていくか、あるいは独自の組織として全く別の道を歩むか、である。ところが、今のLPSAは、将棋連盟の土俵を借りつつ、土俵の持ち主である将棋連盟に喧嘩を売っている。これが成立しないのは、一般社会では当たり前だ。ところが、一部の将棋指しにとってはどうやら当たり前ではないらしい。実力があれば相手に規模や組織力や歴史があっても、ひっくり返すことができると思っているのかも知れない。しかし、残念ながら、一般社会と、勝負の世界は違うのである。勝てば官軍ではない。一方的な勝利もありえない。一般の社会は、様々な交渉の後にお互いに譲歩し合い、結果として双方が利益を得る、そういう世界だ。多分、そういうことがLPSAにはわからないのだろう(実際は、LPSAだけではなく、将棋連盟もわかっていないんだと思うのだが、将棋連盟のほうが立場が強いので、顕在化していない)。
どっちもどっちの部分もあるとは思うのだが、そこは弱小団体、LPSAが我慢しなくてはならないところもあれば、譲らなくてはならないところもあるはずで、LPSAとしては、そうした中で少しずつ小さな闘いでの勝利を積み重ね、徐々に組織を強くしていかなくてはならないはずだった。しかし、交渉での一方的な勝利を目指し、負ければ「私たちはこんなに不利な戦いを強いられています」と訴え、「法人としては、将棋連盟とLPSAは同格です」と主張してきたのがLPSAだと思う。個人的には「それはちょっと違うよな」と思い続けてきたのだが、その上での今回のボイコットである。これはこれまでのLPSAの作戦の中で最も稚拙なものだったと思う。
将棋の棋士というのは、ほとんど全ての学者と一緒で、基本的に自分の好きなことをやっている人たちである。彼らは、基本的に何も生産しないし、産業に寄与することもない。それでも暮らしていけるのは、学者なら税金から給与が支払われるし、将棋の棋士ならスポンサーがお金を出してくれるからである。スポンサーがなぜお金を出すかといえば、スポンサーの背後に将棋ファンを含めた一般消費者がいるからであって、学者も将棋指しも、間接的とはいえ、一般の生活者の理解やサポートがなければ食べていけない立場なのだ。将棋指しの場合、食べていくためには将棋ファンからお金をいただくか、スポンサーからお金をいただくぐらいしか手段がないのだから、将棋ファンやスポンサーは、将棋指しにとって一番頭が上がらない人たちなのである。今回の対局ボイコットは、将棋ファンとスポンサーに後ろ足で砂をかけるような行為だった。
交渉が思うに任せず、来年からの三者開催が難しくなったとしても、今回の大会はそれとは無関係だ。しかし、そこを同一視し、セッティングされた対局を放棄し、スポンサーに迷惑をかけ、何より、対局を楽しみにしていた将棋ファンを失望させた。本来なら、石橋女流は当面の対局相手である里見女流四冠、鈴木環那女流二段を連破し、上田初美女王に挑戦することを目指すべきだったはずだ。来季の話は、そのあとのことである。しかし、LPSAは、交渉のためのツールとして対局を利用してしまった。対局を人質にし、それを殺した。これはファンの無視に他ならない。結局、根源的な意識として「私たちは選ばれた存在」というものがあるのではないかと感じてしまう。と、これは私の推測にすぎないけれど、とまれ、LPSAは対局をボイコットしてしまった。
日経新聞の記事に戻ってみる。記事の最後では、「特例的なプロとして認定すべし」などという、日本人的な解決方法が提示されているが、これは得策ではないと思う。こういう「特例」は安易に持ち出すべきではない。では、どうしたら良いのか?
例えば、すでに女流棋士よりも強いソフトがあるので、「公開された場で連盟が指定したソフトと対戦し、一定の成績以上(例えば、ソフトでプロ初段のレベルと5回対局して勝ち越し)した場合にプロとして認定する」といった仕組みを作ってしまうということが考えられる。上に述べたように、将棋連盟は事業協同組合色が濃い団体だから、この条件での合意は難しいと予想されるけれど、「LPSAが独自に決めたプロを将棋連盟でも認めろ」というやり方よりはずっと通りが良いし、合理性もある。何しろ、今のLPSAの主張は無理筋過ぎる。これは話が女子プロだからわかりにくいが、わかりやすく書くなら「LPSAが将棋のプロ(女子ではない)の基準を決めて、独自に認定するので、それを将棋連盟も認めて欲しい」と主張しているのと同じなのである。
これまで、LPSAの問題はLPSA対米長会長という対立構図で語られることが多かった。そして、その片方の主役だった米長会長ががんで亡くなった。さて、LPSAと将棋連盟はこれからどうなっていくのだろう、と注目していた矢先の今回のボイコット事件である。いくらLPSAが一般社会での経験がほとんどない女流棋士で組織されているとはいえ、対局をボイコットすることの意味は重々に承知しているはずで、逆に言えば、それだけ追い込まれているということだろう。抜いてはならない刀を抜いてしまった、いや、抜かざるを得なくなった、と考えるのが妥当だと思う。この判断に至った理由を普通の起業家という立場から推測するなら、「極端な資金の困窮」や「人心掌握が困難になり組織が分裂の危機にある」ぐらいしか考えられない。
今回のボイコットで、どういう形であれ、多くの棋士が考えていた連盟女流とLPSA女流の再合流という幕切れは一層難しくなったと言えるだろう。LPSAの問題は、そろそろクライマックスが近いのかも知れない。
それにしても、僕が一緒に話をしたことのある中倉姉妹や島井女流、松尾女流といったLPSA所属の女流棋士達が「対局ボイコットもやむなし」という意識であるとは、個人的には思えない。LPSAは、本当に組織として機能しているのだろうかと疑問に思う。将棋連盟から独立した彼女たちは、本当にこういう立ち位置を望んでいたのだろうか?
*訂正について:愛すべき2ちゃんねらーのどなたかから、「世間ずれ」の誤用についてご指摘いただきましたので、訂正させていただきました。
#どこのどなたかは存じませんが、ご指摘、ありがとうございました。勉強になりました。日本語は大事にしたいものです。
続報:
日本語がわからない人と仕事をすることの困難さがわかる事例
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田舎の将棋ファンです。
じっくりと、「なるほどな〜」と
感心しながら読ませていただきました。
> じっくりと、「なるほどな〜」と
> 感心しながら読ませていただきました。
長文にお付き合いいただきありがとうございます(^^
最後の「?」で疑問に思われてる点についてですが、
ボイコットは石橋氏以外のLPSA所属棋士には寝耳に水だったのかも。
「ボイコットは理事会で決めた」としていますが
理事会メンバーに現役棋士は石橋氏しかいません。
世間知らずの高校生です。質問させてください。
他のスポーツ界ではプロ認定する組織が複数存在するケースも珍しくないと思うのですが
将棋界のプロシステムではそれらの業界に倣うことはできないのでしょうか?
> ボイコットは石橋氏以外のLPSA所属棋士には寝耳に水だったのかも。
まぁ、そういう可能性もありますね(^^;
> 他のスポーツ界ではプロ認定する組織が複数存在するケースも珍しくないと思うのですが
> 将棋界のプロシステムではそれらの業界に倣うことはできないのでしょうか?
別に構わないと思います。将棋連盟初段とLPSA初段があっても全く問題ないはずです。スキーの資格でも、SAJとSIAの2つの技術検定があります。
問題は、将棋連盟の段位とLPSAの段位に互換性があるかどうかで、それは話し合いになります。LPSAが認定した段位を将棋連盟でも同様に認定するかどうかは、交渉次第でしょう。将棋連盟の段位はあくまでも将棋連盟の基準ですから、その認定に対して外部団体が口出しするのはお門違いです。このエントリーでも書きましたが、「私はLPSA初段です」などと称するのはLPSAの勝手で、その点については将棋連盟も口出しする気はないと思います。
将棋連盟の段位の認定は将棋連盟の専権事項(好き勝手にやれること)だと考えるのが一般的でしょう。
はじめまして。
リクナビ宛の公文書に呆れてしまった人間のひとりです。
私が今から団体を立ち上げて独自認定の自称女流四段を名乗って(実際はヘボ将棋指し)連盟に棋戦に参加させろ!と言うのとどこが違うのでしょうかね…社会通念がないというのは困ったものです。
> 私が今から団体を立ち上げて独自認定の自称女流四段を名乗って(実際はヘボ将棋指し)連盟に棋戦に参加させろ!と言うのとどこが違うのでしょうかね…
菜の花さんが公益法人格を持った組織に所属している必要があるかも知れません(笑)。
段位認定、表記の問題など、
実際のところは、LPSAにとって、どうでもいいことで、
単に将棋連盟に喧嘩を売る材料にしているだけですよね。
米長憎しが将棋連盟憎しにすり替わって、
財政的困難もあって迷走した結果、
アホみたいな騒動を起している感じで。。。
> 実際のところは、LPSAにとって、どうでもいいことで、
> 単に将棋連盟に喧嘩を売る材料にしているだけですよね。
さぁ?そのあたりは、ちょっと僕には情報がなくてわかりません。
僕が感じるのは、根っこの所では「将棋をやりたい」だけなんだけれど、将棋が好きというだけでは食っていけない世の中になって、否が応でも経済活動と結び付けなくちゃならなくなったのに、これまで将棋しかやってこなくて、周囲も適切なアドバイスをしなくて、それが上手にできないんだろうな、ということです。
はじめまして。大変興味深く読ませていただきました。
私自身、公益社団法人の理事長を務めた経験があり、制度改革を受けての公益認定取得にも携わりました。今回の件もその経験からの目線で眺めていて、LPSAの言動には非常に違和感を感じていたのですが、この記事を読む事でようやく理解することが出来ました。
「公益社団法人の構成員及び団体の権利を主張するために、自らが公益事業と定めている棋戦をボイコットする」 私には全く理解出来ない事で、公益社団格を取り消してやりたいくらいに憤ってしまいました。近い所で将棋関係者と付き合い肌で感じた経験のある方の記事を読み、「あぁそういう団体だったのか」と、ちょっとマイナスな意味ではありますが納得したところであります。
もっと公益法人って何なのかという事を、棋士達はその構成員だと自覚し学んで欲しい。せめて表面だけでも良いから、公益に質するのが目的の団体なんだと言う態度であって欲しい。
真面目に考え過ぎまでかね? 一つの視点と言うことでお許しを。
> もっと公益法人って何なのかという事を、棋士達はその構成員だと自覚し学んで欲しい。せめて表面だけでも良いから、公益に質するのが目的の団体なんだと言う態度であって欲しい。
記事にも書きましたが、実際は、将棋連盟も、LPSAも、事業協同組合色が濃いんじゃないでしょうか(笑)。
インチキ数学、インチキ数字、まいいや。
初めてコメントさせていただきます。
連休中ということでLPSA関係の記事を追ってたどり着きました。
大筋、同歩!というところです。
私のお世話になっている先生方も異口同音に謝られますが本当のところはどうなのか?。。。
これからどうなるのか部外者ではありますが、心配です。何となくこのままの状態が続くのか、流れが勢いをますのか?。
私的にもこれまでも組織としての協会には時々疑問を感じることがあり、今は先生方個人を応援する。ですね。
さてさて。。。
> 私的にもこれまでも組織としての協会には時々疑問を感じることがあり、今は先生方個人を応援する。ですね。
何か、将棋以外のところで足並みが揃っていないような気がします。
僕の会社が一緒に仕事をしていたときも、最初は将棋の普及はLPSA、商売はライブログで分担、という契約だったのに、北尾さんがいなくなった途端に「一緒に普及をやってくれ」って言い出しました。
うちの会社の定款には将棋の普及なんていう文字はないので、そんなこと、できるわけがないし、株主も納得しません。北尾さんが抜けて以降、そういう、「会社組織」というものに全く理解がなくなってしまいました。本来なら、外部の理事などが色々と教えてあげるべきなのに、どうも社会主義っぽい考え方の人が中心のようで、金儲けは悪、みたいに考えているようでした。民間会社は税金をもらうわけにもいかず、スポンサーもいないのに。
いくらソフトが強くても、ソフトに人間の棋力を判定させるというアイディアは無謀かと。AIは「攻略」「ハメ」という方向性が多少なりとも通じるものなので。棋力とほとんど関係ないところで、相当大きな有利不利が出てしまいます。棋力認定には人生が懸かる訳ですから、全身全霊で弱点を探されるでしょうし。
> AIは「攻略」「ハメ」という方向性が多少なりとも通じるものなので。棋力とほとんど関係ないところで、相当大きな有利不利が出てしまいます。棋力認定には人生が懸かる訳ですから、全身全霊で弱点を探されるでしょうし。
Nさんの棋力はどの程度ですか?僕はアマチュア3段、24のレートで最高2100ぐらいですが、すでに将棋ソフトにはどうやってもかないません。「ハメ」などというものが多少なりとも通用するものではないと思いますし、ソフトをはめるくらいの棋力があれば、今の女流棋士の大半よりは強いと思います。実際、フルスペックのソフトには、女流のトップでも勝てないわけですし。
でも、ソフトが嫌なら24でも良いと思います。不正ができない環境で24で100局指して一定の成績を収めるとか。
貴公の過去の言動に対する一考察が
一連のLPSA関連の騒動の「まとめサイト」にUpされたようです。
ご一読をお勧めいたします。
> ご一読をお勧めいたします。
ご連絡ありがとうございます(^^
さーっと読みましたが、コメントとしては「うちの会社は株式会社であり、僕はその会社の代表取締役CEOです。「ファンとしてではなくビジネス目的で近づいた」って、会社なんだからそんなの当たり前だろ、ばーか。どんだけ脳味噌お花畑なの?」ぐらいですかね。僕はおままごとをやっているんじゃなくて、自分と、社員が食べていくために会社を経営しているので。
当初は、LPSAは普及、ライブログはビジネス、という形で、共通の目標(=どうぶつしょうぎの普及)のもと、それぞれの目的(LPSAは将棋の普及、ライブログは経済的成功)を目指していたし、それを契約書にも明記したんですが、北尾さんの離脱によって全ての歯車が狂ってしまったわけです。
マグロ名人のサイトの「スポンサーの反応」という記事がUpされていますよ。
> マグロ名人のサイトの「スポンサーの反応」という記事がUpされていますよ。
連絡ありがとうございます(^^
「脳味噌お花畑の部外者」による考察への言及は多分これが最後です。
まず、僕がスポンサーシップというものをどう考えているかを理解すべきです。
http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/51219044.html
また、企業活動というのがどうなっているのかも理解すべきです。マイナビは将棋に関する書籍を180冊も出版している会社で、将棋の普及がそのまま自社の利益に直結する会社です。リコーの場合は僕の視点からは立ち位置が不明確ですが、リコーの将棋部が同社の看板の一つになっていることは将棋ファンならほとんどの人が知っていることで、何らかの利益構造があるはずです(優秀な、有力大学将棋部の部員とのパイプができ、社員として採用できるなど)。ライブログの場合、将棋関連のビジネスは「どうぶつしょうぎ」のアプリの販売だけです。ここに直結しない限り、スポンサーをやる意味がありません。株式会社である以上、会社のアクティビティには株主の同意が必須で、その説明責任を果たせないようなことは一切できません。これはどこの会社でも一緒です。
あと、大きな事実誤認はライブログからLPSAにアプローチした(原文:近づいて行ったのは元木氏のほう)という点で、実際はまず僕に対して片上さんからアクセスがあり、片上さんと僕が一度飲みに行き、その後、北尾さんからワンデイのスポンサーになってくれないかとオーダーがあったんです。一度、普通のワンデイのスポンサーになり、その縁で、どうぶつしょうぎカップの開催を考え、とはいえ当時全く注目度のないゲーム、有力棋士の不参加での協賛は厳しいから、じゃぁ、ゲーム化権をよろしく、ということになったんです。
大変すばらしい記事で拝読させていただきました。ほとんど全てに同意します。その点でひとつだけ申し上げたいことがあります。
>(実際は、LPSAだけではなく、将棋連盟もわかっていないんだと思うのだが、将棋連盟のほうが立場が強いので、顕在化していない)。
確かに、連盟もひどいものだ、というのは認めますが、いくらなんでも連盟の方がましです。立場の強さの差だけではありません。むしろ、まだしも連盟の方がまともな人の数が明らかに多い、という点が問題が顕在化しずらい理由です。
確かに、連盟のほとんどの棋士はLPSAの人たちと同レベルかそれ以上にお粗末な人たちです。こういう人たちとかかわれば、LPSAのとき以上に不愉快な思いをされることでしょう。ですが、そうはいってもそれなり(80年ぐらい)の歴史と伝統がありまして、その過程でそれなりに痛い目にもあっていますので、少なくとも理事(1期2年、8人程度)として矢面にたった一部の棋士は、ある程度は経験と学習を積んでいます。そういう組織や運営、社会的見識をもった棋士は若干名(10から15名程度?)はいます。だから、今まで存続してきたのです。
> 確かに、連盟もひどいものだ、というのは認めますが、いくらなんでも連盟の方がましです。立場の強さの差だけではありません。むしろ、まだしも連盟の方がまともな人の数が明らかに多い、という点が問題が顕在化しずらい理由です。
このあたりは、僕は連盟と仕事をしたことがないのでなんとも言えません。僕の連盟に対する否定的な姿勢の直接的原因は、LPSA分裂の経緯、棋譜に著作権があるなどという珍妙な主張、時々ウェブサイトに記載される奇妙な文書(LPSAを批判するもの)ぐらいで、あとは知り合いからの伝聞です。それらがどこまで正確かはわかりませんので。
一方で最近のニコ生中継や充実したウェブサイト等、ネットメディアへの対応は素晴らしいと思っています。
> 少なくとも理事(1期2年、8人程度)として矢面にたった一部の棋士は、ある程度は経験と学習を積んでいます。そういう組織や運営、社会的見識をもった棋士は若干名(10から15名程度?)はいます。
この理屈からするとLPSAの理事経験者も見識を持っているという理屈になります(笑) 経験しても何の役にも立たないケースもあるので。ただ、だからといって今の連盟がダメとは言いません。「わからない」というのが正直なところで、僕が言えるのは、「契約を守らなかったり、対局をボイコットするようなLPSAはダメだ」ということです。
>僕の連盟に対する否定的な姿勢の直接的原因は、LPSA分裂の経緯、棋譜に著作権があるなどという珍妙な主張、時々ウェブサイトに記載される奇妙な文書(LPSAを批判するもの)ぐらいで、あとは知り合いからの伝聞です。
それを言われると返す言葉もございません。それらの諸々は、連盟支持者の間でも評判が悪く、「連盟馬鹿だろ」とか「米長いい加減にしてくれ」という意見をあちこちで聞きました。連盟支持者からしてそうなのですから、中立の立場だと尚のことそうです。
>この理屈からするとLPSAの理事経験者も見識を持っているという理屈になります(笑) 経験しても何の役にも立たないケースもあるので。
確かにそのとおりですね。実際、連盟のほうも「経験しても何の役にも立たないケース」を山ほど経験しています。
それでも、連盟のほうをまし、と断言できるのは、「契約を守らなかったり、対局をボイコットするようなLPSAはダメだ」ということを連盟のほうは分かっていますが、LPSAのほうは分かっていないことです。少なくとも前会長の米長は、自分が「世間知らず」で「社会の常識に疎く」「法律や契約のことがさっぱり分からない」ということを分かっていました。特に3点目の自覚は非常に強く、そのため法律の面では信頼する顧問弁護士の言い分は素直に耳を傾け、「法的にだめ」といわれたらすぐに引っ込みました。分裂騒動の際、残留希望者を無理に追い出さなかったのは「独立を望まない人を追い出すことは無理」ということをはっきり指摘されたからです。その点では米長前会長のほうが、よほど「無知の知」があります。
>僕の会社が一緒に仕事をしていたときも、最初は将棋の普及はLPSA、商売はライブログで分担、という契約だったのに、北尾さんがいなくなった途端に「一緒に普及をやってくれ」って言い出しました。
>うちの会社の定款には将棋の普及なんていう文字はないので、そんなこと、できるわけがないし、株主も納得しません。北尾さんが抜けて以降、そういう、「会社組織」というものに全く理解がなくなってしまいました。
連盟とLPSAの差を簡単に言うと、「連盟には北尾さんのような人がいるが、LPSAには皆無」ということです。連盟であれば、北尾さんに限らず、「会社組織」というものにある程度耳学問で理解できる棋士が少しはいます(前会長の米長は典型的な「耳学問」方で、ずぶの素人だが説明すればある程度は伝わる、という口です)。ところが、LPSAにはそういう人がほとんどいない、というのが両者の差を生んでいます。
連盟棋士の8、9割はLPSA以上に人の話を聞かない、理解する意志がないので、かかわらないほうが無難ですが、稀に人の話を聞ける人もいて、そういう人が理事をやっていることが多いので、若干ですがマシになるのです。
これまでの2回で述べたかったことは、つまるところこのことです。ようやく要約できました。
> LPSAにはそういう人がほとんどいない、というのが両者の差を生んでいます。
本当にほとんどいないんでしょうか。ずっと昔、「どうぶつしょうぎが経済効果をあげれば、その利益でうちの会社がまた棋戦のスポンサーになり、それによってLPSAの女流棋士の所得が増える。また、どうぶつしょうぎがメジャーになっていけば、将棋ファンの裾野も増えていく」ということをLPSAに説明したことがあります。こんな話、全然難しい話ではなく、小学生でもわかると思うのですが。
> 稀に人の話を聞ける人もいて、そういう人が理事をやっていることが多いので、若干ですがマシになるのです。
ほほう。ちなみに田中さんは僕の知り合い棋士の間ではあまり評判が良くありません。残りの理事たちについては僕は情報がなく、判断できません。
数が多いこともあり、連盟にまともな棋士がいるという点は否定しません。僕の知り合いの棋士もまともです。結局問題は理事会や会長の質ということになるのでしょう。LPSAの場合、僕の知る限りで中井さんや石橋さんは話になりません。これは推測ですが、大手のスポンサーに顔が利くため、うちみたいなワンデイのスポンサーなどは眼中になかったんだと思います(笑)。あと、米長さんが快調だった時の理事会も横から見ていると「はて?」ということが多かったのですが、今はどうなのか、これまたちょっとわかりません。
>ほほう。ちなみに田中さんは僕の知り合い棋士の間ではあまり評判が良くありません。残りの理事たちについては僕は情報がなく、判断できません。
そうでしたか。田中理事についてはわたしもまったく分かりません。
ファンの目から見ると、理事のなかでまともそうな人は、谷川会長と島非常勤理事だと思います。(エッセイで判断)。元理事経験者なら青野照市九段と田丸昇九段でしょうか(エッセイや著作で判断。田丸9段にはブログhttp://tamarunoboru.cocolog-nifty.com/blog/もあり、そのブログの内容は比較的良質です)。現理事では、北島6段は「ミスターいい人」として評判はいいようですが、理事としては手腕は分かりません。そのほかの人たちについては、わたしも情報がありません。
>結局問題は理事会や会長の質ということになるのでしょう。
まったくです。だからこそ、私は今の谷川連盟会長の手腕に期待したいのです。あくまでも著書やインタビューからの印象ですが、谷川会長は、連盟き手の良識派、という印象があります。それだから、今は連盟にしては、組織としての質はいい時期、という印象です(声明文の文面などから判断)。あくまで一ファンからの目からこう見える、ということですので、よろしければ参考にしてください。
> >結局問題は理事会や会長の質ということになるのでしょう。
>
> まったくです。だからこそ、私は今の谷川連盟会長の手腕に期待したいのです。
この谷川さんというのが、これまた僕の周囲ではあまり評判が芳しくないのです。人として、ではなく、リーダーとしての評判が、です。ただ、このあたりは今後の連盟の動きを見ていれば自ずと明らかになっていくでしょう。
もうひとつ僕が連盟とLPSAに共通に「?」と思うことは“公益”を前面に出していることです。公益法人の定義は満たしているかも知れませんが、連盟やLPSAの存在が必要な人は他でもない将棋指したちで、彼らが食べていくためにどうしたら良いのかを考えるのが本当の役割のはずです。プロ棋士が食っていけることと、将棋の普及と、どちらが優先するのかって、本音で言えば前者で、だからこそ、米長さんが会長であり続けることができたんじゃないかな、と思っています。
そこまで公益、公益というのなら、連盟とも、LPSAとも別の法人を作れば良いのに、と思います。
>この谷川さんというのが、これまた僕の周囲ではあまり評判が芳しくないのです。人として、ではなく、リーダーとしての評判が、です。
そうなのですか…。今はじめて知りました。外部からは分からないものですね。
>連盟やLPSAの存在が必要な人は他でもない将棋指したちで、彼らが食べていくためにどうしたら良いのかを考えるのが本当の役割のはずです。
将棋連盟のそもそもの起こりは「将棋棋士同士の相互互助会」ですので、それが本分だ、という指摘はそのとおりです。ただ、谷川会長はその点がよく分かっていないかもしれません。そうだとすると、他の棋士との軋轢は避けられないかもしれませんね…。
>ただ、このあたりは今後の連盟の動きを見ていれば自ずと明らかになっていくでしょう。
仰せのとおりです。これからもできるだけ暖かい目で見守っていきたい、と思っています。
> >ただ、このあたりは今後の連盟の動きを見ていれば自ずと明らかになっていくでしょう。
>
> 仰せのとおりです。これからもできるだけ暖かい目で見守っていきたい、と思っています。
とりあえずA級がどうなるか楽しみです(^^ ニコ生中継も結構楽しみです。