解説:非嫡出子差別、憲法判断へ 家族観変化、どうみる
毎日新聞 2013年02月28日 東京朝刊
非嫡出子(婚外子)の相続差別を定めた民法の規定について、最高裁大法廷が95年の合憲判断から18年ぶりに憲法判断を示す見通しとなった。この間の国民の家族観の変化が大きな判断要素となりそうだ。
11年の人口動態統計によると、非嫡出子の出生数は2万3354人。全体の出生数が減る中、非嫡出子の出生は増えており、その割合は00年の1・6%から11年には2・2%に増加した。若い層に多く、20代前半の母親では5%、20歳未満では27・7%に上る。もし最高裁が違憲判断を示せば、こうした多くの家族の相続にも影響を与える可能性が高い。
既に下級審では違憲判断も出ている。大阪高裁は11年8月、「我が国の婚姻、家族生活、親子関係の実態の変化や国民意識の多様化など、平等化を促す事情が多く生じている」と違憲判断を示し同高裁で確定している。最高裁判断は法改正論議に直結するだけに、より大きな注目を集めるのは確実だ。【石川淳一】