日も大分傾き、そろそろ夕方と言える時間になるなか馬車は順調に進んでいる。
このまま問題が無ければサネスの村に着く、いや着いてしまう。
「そうなったら袋の鼠と言っていい状況なんだよな」
地図を眺めながらカイルが唸った。
今進んでいる街道は大森林を突っ切る形で進んでおり、サネスの村で途切れている。
そうなってしまうとそこから先は馬車が使えなくなるのだ。
だからこそこの機を逃さずに仕掛けてきたのだろう。
「状況を整理しますと、まず私達に有利な点は時間を稼げば救援がくると言うことです」
ミレーナ王女の言う救援とは近衛騎士第五隊の事で、到着の予定は明日の朝から昼にかけてだった。
「アーケンに私がいないとなればキルレン達はすぐにでも私を探しにこちらに来るでしょうから……仮にサネスの村までだとしても到着は明日の夜というところでしょうか」
「アーケンで偽の情報を渡される可能性は?」
「それはありえないでしょう。兄かゼントスがその状態で虚言を言えば自分が怪しいと言っているも同然で後々の事を考えればできません。そもそも本来ならその時点で私が死んでなければならなかったのですから」
この時点で彼らの計画にはヒビが入っています、とミレーナ王女。
「彼女達が来れば戦力的には五分になります。そして戦闘になり騒ぎになれば困るのは向こうです」
つまり遅くとも明日の深夜まで持ちこたえれば助かるということだ。
「だからこそ向こうも焦っているということですね……」
そして具体的にその時間までどうやって時間を稼ぐかになった。
「サネスの村に逃げ込む、立て篭もるというのは?」
セランの提案にカイルは首を横に振る。
「辞めた方がいいだろうな。おそらく村ごと口封じされる」
「げ、マジか?」
「ああ、これだけの事をやったんだ。村一つぐらい、それこそ百人や二百人の村人ごと口封じを平気でするだろうな。その後は魔獣なり凶悪な誘拐犯なりに罪をかぶせればいい」
「大量の口封じと大量の口裏あわせか。強引だなあ」
セランがぼやいた。
「森の中に逃げ込むと言うのはどうだ?」
提案したのは森に詳しいウルザだ。
エルフにとって森は慣れた庭のようなもの、ウルザの協力があれば森の中を逃げることも可能だろう。
だが森の中を進むとすれば当然馬車から降りなければならない。
王女達を見ると、どう見ても一番守るべき王女が森の中に入り逃げ回るのに向いていない。
「申し訳ありません、私の体力は一般人並かそれ以下です。森の中を逃げるとなりますと確実に足を引っ張るでしょう」
嘘や強がりを言う場面ではないので、ミレーナ王女が正確に自分の事を言う。
それに魔獣が多く住む森に、特に魔獣の活動が活発になる夜に入るのは危険が大きい。
「後問題があるとすれば火を使われた場合だな」
「火か……火事は確かに厄介だ」
「時間切れになるぐらいなら、それぐらい思い切るだろうしな」
「で、それらも全部私達に押し付けるか」
ウルザがため息をつきながら言う。
それにこの馬車を捨てるのはやはり痛い。
移動は勿論だが馬車自体も王家の物だけあって頑丈さもかなりのものだし、大きさと重量そのものがスレイプニールの突進力と合わさり大きな破壊力を生むし、何より馬車自体が王女の身を守ってくれる。
一度乗り捨てれば回収は無理だろう。
状況ははっきり言って不利だ、だが不利な点ばかりでもなくこちらに有利な点もある。
『騎士達のほうは変わらずこっちを追ってきておるぞ。数も変わらず約八十というところか』
シルドニアからの報告が入る。彼女の鷹の分身は変わらず空から騎士達を監視しており、このおかげで騎士達の動向は手に取るように解っているのはありがたかった。
「便利ですわね、そのインテリジェンスソード」
ミレーナ王女が感心したように言う。
インテリジェンスソードとは知性を持った剣で魔法生命体の一種だ。
極まれにだが古代遺跡から見つかることもあり、ミレーナ王女達にはシルドニアは古代遺跡で見つけ、探索能力に優れているとだけ説明している。
しばらく考えた後カイルは意を決したように言う。
「ここは危険を伴うが引き返したほうがいいな」
「引き返す? まさかアーケンにですか?」
「村一つならともかく、アーケンなら万単位で人がいます。それを全部口封じは無理でしょう」
「確かにアーケンに逃げ込むことができればそうそう手出しはできないでしょうし隠れる場所もありますが……」
「それに味方の第五隊との合流も早められます。遅くとも明日の昼、早ければ朝にはミレーナ様の安全を確保できることになります」
「ですが……当然それには追って来る騎士達をやりすごさねばなりません。何か良い方法はあるのですか?」
この街道は一本道でアーケンに戻るとするならば必ず追って来る騎士達とぶつかることになる。
「いえ、誤魔化したりやり過ごしたりする必要はありません。正面から打ち破ります」
「……はい? えっと……騎士達は八十人は来ているのですよね?」
一瞬何を言っているんだ、という顔になるミレーナだったがカイルが本気だとわかり困惑する。
無論カイルも選択肢の少ない中で考えた末、これが一番助かる確率が高いと判断したのだ。
そして何よりも僥倖と言える事もある。
カイルがシルドニアに尋ねる。
「で、ゼントスがいないのは間違いないのか?」
『うむ、昨日王女の側に居った奴じゃろ? 何度も確認しておるが間違いなくおらんぞ』
「そうか……それが何よりの朗報だ」
追って来ている騎馬の集団の中に隊長のゼントスがいないのだ。
どういう理由かはわからない、だがゼントスがいないというのは好都合だ。
「なら勝算は充分ある。後は迎え撃つに良さそうな場所を探して準備すればいい」
そう言いながらカイルが背負い袋からじゃらじゃらと取り出したのは魔石と魔法薬だった。
「まあ」
その大量の魔石を見てミレーナ王女がさすがに驚いた顔になる。
おそらくこの魔石の山だけで相当な額になるはずだ。
「ミレーナ様も念のため魔法薬を持っていてください。万一お怪我をされたときはすぐにお飲みください」
それは、ミレーナにも見覚えのある生きてさえいれば大抵の致命傷でも治してしまう最上級の治癒の魔法薬だ。
王族は万一に備え回復の魔法薬を常備しているが、眠らされた時に取り上げられたようで今は持っていなかった。
勿論値段もそれ相応で、それこそ命が買える値段と言ってもいい。
「…………」
ミレーナ王女があらためてカイル達を見る。
今まではさすがにあまり余裕がなく、深くは考えていなかったがこの者達は近衛騎士二人を倒し大型のヒドラをも討っている。
それにどうも話の様子ではヒドラは一人で、一対一で討ち取ったようだ。
そしてこの大量の魔石と魔法薬、どう考えてもただの通りすがりの冒険者とは思えなかった。
「あなた方は……あなたは何者なのです?」
カイルはミレーナ王女の問いかけに肩をすくめて答える。
「なに、ただの通りすがりの英雄志願者ですよ」
「どういうことだ!この有様は!」
アーケンの宿、ミレーナ王女達も泊まった宿の一室で苛立ちながら部屋を歩き回り、目の前の騎士に怒鳴りつけている男がいた。
品の良い服に身を包んだ小太りのその男はカレナス、このジルグス国の王子だ。
そして目の前に立つのはこのジルグス国でもっとも優れた騎士と名高い、近衛騎士第二隊隊長のゼントスだった。
この二人にはすでにミレーナ王女を魔獣による事故死に見せかけるという、当初の計画が失敗したのは知らされている。
テーブルの上には古代魔法文字の書かれたカードがあり、これは一対になっており片方を持っている同士で遠距離でも会話できると言うものだ。
古代魔法王国期の魔道具で一日に数回しかつかえず、一回数十秒程度しか会話ができないが貴重で重宝されている魔道具だ。
これによりミレーナ王女を追っている副隊長からの報告は受けていた。
「ご心配要りません。間も無くミレーナ王女を討ち取る事ができるでしょう」
ゼントスが深々と頭を下げつつ言う。
「ならば何故お前はここにいる! すぐにお前が直接出向きあの女を始末して来い!」
「副隊長には事前に失敗したときの対応を指示をしてありますので問題ありません。それにそもそも殿下がアーケンに来ず王都でお待ちいただき、私に全てお任せいただければ直接指揮を取れたのですが」
「わ、私が見届けるのは当然だろ! あの生意気な女に引導を渡してやるのは私の役目だ!」
「ですがその為に御身を危険にさらす事になっております。私が今殿下から離れるわけにはいきません。間も無く第五隊が戻ってきます、キルレン隊長の性格の苛烈さはご存知でしょう。そしてミレーナ王女に対する忠誠心も?」
「う……」
カレナス王子が言葉に詰まる。
「到着の予定は明日ですが、もし第五隊が予定よりもはやく戻ってきた場合、彼女は必ずや殿下に詰め寄りましょう。その場合お一人で対応できますか?」
「そ、それは……」
カレナスはあの女なら例え王族だろうと剣を突きつけるくらいの事はするとわかっていた。
そしてそれを押さえられるのはゼントスしかいないということも。
「くそ!」
カレナスがますます苛立ち手近の椅子を蹴り上げる。
王都では目立ちすぎるし、それ以外では必ずキルレン以下第五隊がミレーナ王女に張り付いており機会は無く、王都の外で第五隊の離れた今は待ちに待った王女暗殺のチャンスなのだ。
そして一度行動に移した以上失敗は絶対に許されない。
「他にもミレーナ王女の死に不審を持たれた場合のための備えの為でもあります。もしもの時には副隊長以下に全責任を押し付けることができますのでそのためにも我々は現場に、王女が死ぬ場に居合わせないほうが都合がいいかと」
「お、おおそうだ! それは大切だ」
「それに王女が逃げきれるはずがないのです。周りは大森林が囲んでおり、馬車を使えるのは街道のみでドレス姿の王女が森の中を逃げきれるはずもありません。更にもう余計な邪魔が入らないよう街道の一時閉鎖もしてありますのでアーケン側から誰もあの街道には入れませんし、村側から邪魔が入った場合、必要とあらば村ごと口封じをしますのでご安心を」
ゼントスは淡々と、感情をこめない口調で説明する。
「そして万が一……これは本当に万が一ですが王女がアーケンに戻ってきた場合の為にも、私はここに控えていたほうがいいでしょう」
「まさか、騎士達を突破してくると言うのか?」
「ええ、私ならそうします。可能性が低いと言えどそれが一番助かる確率が高いでしょうから」
詳しい報告は受けられなかったが、王女達を助けた者達は騎士二人を倒し大型のヒドラも討ったと言う。
おそらくは偶然出くわした冒険者、それもかなり腕が立つだろう。
その者達が本当に優秀ならば、このアーケンに戻ってくるというのも考えるはずだ。
「その時こそは、私が直接全員斬り捨てましょう……もっともそれは助かる可能性が多少高いというだけで通常ならば絶対にありえない事、それこそ天が王女に味方しない限り起こりえません」
そこまで言われてカレナスはようやく落ち着いたようで歩き回るのやめ椅子に座る。
「いいか私のこの提案に乗った以上失敗は許さん! これ以上私を失望させるな!」
「お任せください、必ずやご期待に応えてみせます」
カレナスに片膝をつき頭を垂れるゼントス。
その時ゼントスがどんな表情をしているかは、カレナスには解らなかった。
日もとっくに暮れた夜、御者席のカイルが馬車に話しかける。
馬車の中にはミレーナ王女とリーゼ、侍女達の四人がいた。
「ミレーナ様達は念のため身を低くし、衝撃に備えていてください。リーゼ、ミレーナ様達を頼むぞ」
「任せて」
リーゼが元気よく返事をする。
『そろそろいいぞ』
上空から騎士達を見張りタイミングを計っていたシルドニアが知らせる。
「そうか、じゃあ……【ブレイブ】!」
これは精神操作の魔法で、戦闘に慣れていない新兵や冒険者に勇気を与える事ができる。
これをスレイプニールにかける事によってこれから起こることに動揺はしなくなるだろう。
「そっちも準備はいいな」
カイルは馬車の上に声をかける。
「おう、任せろ!」
「大丈夫だ」
揺れても落ちないように身体を固定しているセランとウルザが屋根の上で返事をする。
それを確認するとカイルは手綱をもち軽くスレイプニールを打つ、すると大きく嘶き先ほどまでとは逆の、アーケン方面へと駆け出した。
「速度をゆるめろ!」
近衛騎士第二隊の副隊長が周りの騎士に指示を出す。
これまでは幅広い街道と言えど八十近い騎馬が進むには狭く、何列にもなって進んでいたがここは森が一部切れて草原状にひらけている。
つまり騎士達を迂回しすり抜けるぐらいの広さがあるということだ。
それに今は夜、【ライト】のこめられた魔道具である程度視界を保っているとはいえ昼とは比べ物にならないので、警戒を強める必要があるのだ。
おそらくミレーナ王女に味方をしているのは旅の冒険者というところだろう。
部下の報告ではかなりの腕を持ち、大型ヒドラも倒す実力があるようで決して油断はできない。
そして少し前を行っていた騎士の一人から報告が入る。
「副隊長! 馬車を見つけました、こちらに向かってきています!」
「来たか!」
騎士達に緊張が走るがスレイプニールの突進力にものを言わせ強引に突破するというのは充分に予想できたことで、隊長も懸念していたとおりだった。
「広がれ!」
副隊長の命令で騎士達は一糸乱れぬ動きで半円状に広がる。
俗にい言う鶴翼の陣で、正面が薄くなるが敵の目的が突破である以上逆に誘い込むことができるし、正面からだけでなく左右からも攻撃できる。
そして広がったので脇からすり抜けられる心配もなくなるので迎え撃つには格好の陣形だ。
とにかく狙うのは馬車をひくスレイプニールのみで、あの二頭さえつぶしてしまえば後は数で押しつぶせる。
「狙うは足だ! 機動力さえ封じればいい!」
近衛騎士には魔法を使えるものも多いし、弓も用意してあり副隊長の命令のもと皆準備に入る。
後もう少しで魔法の射程範囲に入るというその時、正面で身構えている騎士の一人にコツンという音と共に上から降ってきた何かがぶつかった。
思わず空を見上げると闇夜でよく見えないが、大きな鳥がいるようだ。
そしてぶつかった物が何かと確認しようと思った瞬間、その騎士は馬もろとも吹き飛ばされていた。
空から降ってきたのは【エクスプロージョン】の込められた魔石で、そしてそれで終わったわけではなかった。
爆発は一つではなく複数起こり、更には馬車からも次々と魔石が飛んでくる。
それも投げつけるというよりも豆でもバラ撒くといった数が、しかも遠距離だというのに正確に騎士達の側にだ。
爆発だけでなく周りでは火柱もあがったかと思えば凍りつくかのような氷結の嵐、切り刻む竜巻、更には毒霧まであがってきた。
何より負傷やあまりの爆音や熱風の為、訓練をうけていた馬でさえもパニックを起こし、制御がきかなくなっている。
「こ、こんな馬鹿な!?」
騎士の一人が声をあげるがそれは騎士達全員共通の思いだ。
近衛騎士達は油断していたわけでも敵を侮ったわけでもなく、ただカイル達が計算外、いや常識外の事をしているのだ。
それも当然で今カイル達が使用している魔石は金額にすれば総額百万ガドルにはなり、それを何のためらいも無く使うどころかそれ以前にそれだけの量を所持しているなど完全に想像の外だ。
騎士達も魔法や弓を放つが、爆発によって明かりもいくつか失い、舞い上がった土ぼこりの為ほとんど見えず適当な見当をつけて撃っているだけだ。。
「隊列を崩すな!……ええい、全員下馬しろ!」
副隊長が必死に指示をする最中も引き続き魔石が飛んでくる。
そして大量に舞い上がった土ぼこりを突き抜けて巨大な蹄が、眼前にせまったと思った瞬間吹き飛ばされ副隊長は意識を失った。
「何と言いますか……凄いですね」
大混乱の現場を抜け、馬車の中から背後の様子を確認しながらミレーナ王女は半ば呆れ気味に言った。
カイルやウルザ達はさすがにあの中で流れ弾に当たり軽傷を負った為、御者を再び侍女のアルカと交代し今は馬車の中で魔法薬を飲んで休んでいた。
馬車にもあちこちが焦げ跡がついたりしているが今のところ走行に問題は無く、スレイプニールも傷ついてはいたがこちらも魔法薬によって回復させている。
「まあ完全に奇策です。大量の魔石による火力での力押し、単純ですが上手くいきました」
これも馬車に気を取られ上空からという相手が全く警戒していなかった位置からのシルドニアの初撃と、その後のウルザが風の精霊シルフィードに命じて起動した魔石を正確な位置に投げ込む事ができたおかげだろう。
「金に糸目をつけなければ結構な無茶でも通るんだなあ」
馬車の上で発動させた魔石をウルザに手渡ししていたセランが光景を思い出して言った。
(あと大きいのは、ゼントスがいなかったことだよな)
そもそもゼントスがいたらこんな無茶な突破は絶対にしない、カイルの知っているゼントスならあの混乱でもスレイプニールの二頭くらいなら瞬殺できると確信しているからだ。
ゼントスとは色々な意味で戦いたくは無い、これがカイルの本音だった。
「ま、とにかくこれで一安心だ」
死傷者はそう多くは無いだろうが、何より馬は多くつぶせたはずなので隊を再編し追って来るにしても時間がかかるだろうし数もかなり減らせたろう。
後はスレイプニールを潰さないよう時折速さをゆるめたり、体力回復の魔法薬を飲ませながら進めばいい。
ここから先、さらに待ち伏せがあるかもしれないが、シルドニアによって前方の警戒はできるし第二隊の戦力の多くは今ので当分動けないはずだからだ。
だが当然と言うべきか、やはりと言うべきかそう上手く事は運ばなかった。
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