東日本大震災:地域の「足」ようやく JR大船渡線、BRT運行開始
毎日新聞 2013年03月02日 東京夕刊
東日本大震災で被災し不通となっているJR大船渡線・盛(さかり)(岩手県大船渡市)−気仙沼(宮城県気仙沼市)間で2日午前、代替交通となる「バス高速輸送システム(BRT)」の運行が始まった。高校生や高齢者らは震災から2年を前にようやく地域の「足」を取り戻し、笑顔を見せた。
大船渡線の不通区間は43・7キロ。BRTのルートの大半は一般道を通るが、大船渡駅から盛駅手前までの1・9キロは、レールや枕木を取り除き舗装した専用道を走る。震災前は上下19本だった運行数は51本に増え、朝と夕は通学時間帯に配慮したダイヤを組んだ。岩手県陸前高田市内では住民の要望などを受け、病院や市の仮庁舎のある内陸部にルートを一部変更した。
陸前高田市から路線バスで県立大船渡高に通っている遠藤礼媛(あやめ)さん(17)は「(路線バスが)満員で乗れないときもあって、進学希望者向けの朝学習に間に合わないこともあった。便利になって本当にうれしい」と話す。
被災地でのBRT運行は、昨年8月に導入されたJR気仙沼線・気仙沼−柳津(やないづ)(宮城県登米(とめ)市、55・3キロ)に次いで2例目。【金寿英、根本太一】