シャープとサムスン資本提携 きょう決定へ3月6日 5時6分
経営の立て直しを急ぐ大手電機メーカーの「シャープ」は、主力事業で競合してきた韓国の「サムスン電子」と資本提携し、100億円規模の出資を受けることを、6日、正式に決めることにしています。
シャープは、液晶パネルやテレビなど主力事業の不振から経営が悪化し、去年3月、台湾の「ホンハイ精密工業」からおよそ660億円の出資を受けることで、いったん合意しました。
しかし、出資の条件などで折り合えないまま、交渉はこう着状態が続いています。
こうした状況のなかで、関係者によりますと、シャープは新たに韓国の「サムスン電子」と資本提携することになり、6日、取締役会を開いて正式に決めることにしています。
サムスンの出資は100億円規模で、出資比率はおよそ3%となる見通しです。
また、シャープは液晶パネルをサムスンに長期的に供給する業務提携も行う方向で協議を進めています。
提携によってシャープは、財務基盤を改善するとともに、液晶パネル工場の稼働率を上げることを目指し、サムスンは液晶パネルの安定した調達ルートを確保するのがねらいとみられます。
一方、シャープは5日、ホンハイに対して、サムスンと資本提携の交渉を進めていることを伝えました。
シャープは、ホンハイの出方を待ったうえで、およそ1年にわたる出資受け入れの交渉を続けるのかどうかなど、対応を決める方針です。
シャープは、これまでに複数の海外メーカーとの間で出資の受け入れや提携の交渉を進めてきましたが、主力事業で競合してきた最大のライバルと新たに提携することで、経営の立て直しを目指すことになりました。
業界への影響は
液晶テレビの分野で激しく競い合ってきた、シャープとサムスンの提携は、ライバルである中国や台湾メーカーの戦略にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
液晶テレビでは、最もコストのかかる液晶パネルをいかに安く調達できるかが、メーカーの競争力を大きく左右します。
サムスンは、税制面での優遇措置など政府による支援や、外国為替市場でのウォン安を背景に、液晶パネルの巨大工場を次々と建設。
自前の工場で大量に液晶パネルを作ることで、テレビの価格を引き下げ、世界各国でシェアを伸ばしてきました。
しかしその後、中国や台湾の新興メーカーも相次いで液晶パネルの生産に乗り出したことで、テレビの低価格化が一気に加速。
液晶テレビで世界最大のシェアを持つサムスンといえども、いかに安く効率的にパネルを調達できるかが、競争力を保つための大きな課題となっています。
こうしたなかで、技術力に定評のあるシャープと、圧倒的な販売力を持つサムスンの提携は、国内外のメーカーに影響を与えそうで、他社との提携など、経営戦略を見直す動きが広がることも予想されます。
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