1
「あんたにゃ、好きな子っての、いないんでしょ」
やや顔の左側を向けて光輝のことをにらみながら、彩華が言った。
好きな子がいない、というのは、光輝がまだ女を知らない、ということを言っているはずだった。
好きな子はいるが、まだ手も握っていない。
そんなのは、彩華に言わせると、「好きな子がいるとは言わない」のだろうと思い、光輝は黙っていた。
「そんなことだから、自分の姉のオナニー見ながらオナったりすんのよ」
「……おれ……」
オナニーなんかしていないと、光輝は言おうと思ったが、やはり黙っていた。
ポケット越しに押さえているうちに射精してしまったのだから、えらそうなことは言えない。
「こないだだって、どっかに寄って、してきたんでしょ」
光輝のことを斜めに見て、彩華が言った。
あのケーキの時のことを言っているのである。
オナニーはしなかったが、あの時は、ほとんどたてつづけに、二回も射精してしまった。
今も、そうだった。
パンツがべとべとになるくらい射出して、これで終わりかと思っいたら、彩華がまた始めたので、自分もまた、立ってしまったのである。
「だけどよく……」
そこで彩華が、こくっと唾を飲んだ。
「よく、そんなに出るもんね。感心するわ」
「わ、若いからさ」
開き直って、光輝は言った。
彩華は、何もかもお見通しなのである。
じたばたしたって始まらない。
ただ、笑顔を作ったつもりだったが、若干、ひきつっている。
「なるほどね。若いだけあって、すごいのね」
「何が?」
まともに目を見るのは、さすがにてれくさかったが、ここで目をそらしたら負けだ、と思った。クラクラ、めまいがしそうである。
「あんたの……匂い」
ぱあっと、彩華の顔がバラ色に染まった。
それが、光輝にも移ったようになった。
顔の表面が充血しただけでなく、目には潤みが増して、肩にピンクのパジャマをひっかけただけの彩華の体が、ぼやけて見えた。
「すっごい匂い、すんの。強烈。二回も出したんじゃない?」
「そんなこと……ないよ」
光輝はぼやける目で彩華をにらみ、強くかぶりを振った。
それで、「二回は出さなかった」ことを伝えたつもりだった。
「嘘。嘘言ったって、お姉ちゃんにはわかるんだから」
「だって……嘘じゃないもん」
「マジに?嘘だったら、あたし、怒るよ」
「ああ、いいよ。マジだから」
彩華に怒られることはないと、光輝は思った。
なぜといって、「一回」ならいざ知らず、「二回」かどうか、それを知る手掛かりはないからである。
「じゃ、ほんとかどうか、お姉ちゃん、調べてみるから、出してよ」
「…………」
わなわな、胸が震えた。
こんなこと、あっていいのだろうか。
いや、さっき姉がボールペンを入れしようとした時、自分は、自分のものを、そこに入れたいと、そう思ったのではなかったか。
「出すったって……」
ああ、ここで猛烈に勃起したものを出したりしたら、自分たち姉弟はいったいどうなるんだろうかと、光輝はめくるめくイメージに恍惚となった。
が、すかさず光輝は現実に引き戻された。
彩華が目の前にしゃがんで、ジーパンのベルトに手をかけてきたからである。
「あ、お姉ちゃん……」
立っていることができず、光輝は彩華の肩に両手をついた。
ところが、彩華は肩にパジャマをひっかけているだけだったので、するりと脱げてしまったのだった。
ショールか何かみたいに、腕から下がっているだけである。
「あーん、なあにー?自分がお姉ちゃんのこと、先に脱がしちゃうんだからあ」
この十七年間、聞いたこともない甘い声で、彩華が言った。
「脱がしたんじゃなくて、脱げちゃったんだよ」
自分を正当化する意味で、光輝は下がったパジャマをひっぱり上げた。
と、パジャマの前のほうをひっぱる格好になったので、つんつん突き出ているパステルピンクの乳首を、どうやらこすり上げたらしいのである。
「あ!……ん〜、やあだあ、光輝ったらあ」
まるでご主人にかしずくMの女みたいに、彩華が顔をのけぞらせて言った。
姉は気が強くて、この十七年間、一貫して怖い存在だったが、まさに今、それが逆転したように、光輝は思った。
それを決定づけようと思った。
主であるべき男と従であるべき女の関係を、ここではっきりさせようと思った。
「嫌って、何が?」
知らんぷりしてそう訊きながら、光輝はパジャマの上下動をくりかえした。
前合わせの部分が乳首を微妙にこするように、それをしたのである。
「あっ、いやっ……何すんのお?やめて、よおー」
乳首の快感がたまらないのか、彩華が胸をすぼめて前かがみになった。
そのせいで、顔が、ジーパンの、まさしくテントの頂点にかぶさった。
「あっ!」
と光輝は、呻き声を上げてしまった。
フェラチオという行為そっくりなことをされたように感じたのだった。
「何よお。あんたが悪いんじゃないのよお」
彩華が顔を離し、今度は気持ちいいことされない、とでも言うのか、胸を引いた。
胸もへこんだが、腹もへこんだ。
へそのところから削げたようになり、逆に恥骨が突き出して、柔らかそうな秘毛の丘が強調された。
彩華は、膝を合わせてしゃがんでいる。
われめは見えていないが、見えている以上にエロチックに思えた。
ぴくぴくっと、ペニスが頭を弾ませた。
精液でパンツが濡れている。
そこで弾んだものだから、ペッティングされているのと何ら変わらない快感に襲われた。
へたをしたら、また液を飛ばしてしまうかもしれない。
このまんま静かにしといてもらわないと……と光輝は思ったが、彩華はそんな光輝のことを知らぬげに、ジーパンのベルトを外し、ボタンを外し、ファスナーを下ろして、取り調べにかかった。
ジーパンが下ろされた。
膝のところまで彩華は下ろしたのだったが、ベルトが重いせいか、そのままするすると足首まで落ちた。
「やあだあー。光輝ったらあ」
悩ましく眉を寄せ、彩華が言った。
目はまっすぐ、ブリーフを見ている。
それが臭すぎる、と言っているわけだった。
2
彩華の手が、ブリーフのウエストをつまんだ。
つい今し方、主であるべき男とか何とか思ったのに、身が縮むように緊張している。
が、これからあばかれようとしているものは、むしろ一回り大きくなった感じである。
「あんたって、すぐこうなんだから」
ずり下げる前に彩華がそう言ったのは、てれ隠しだったのだろうか。
さっきオナニーしていた彩華の両手が、ウエストの左右をひっぱった。
ブリーフが途中までするする下がったが、陰毛が露出したところでストップした。
ぷーんと、精液の匂いが漂い昇った。
立っている光輝がそうなのだから、そこから三十センチと顔が離れていない彩華は、強烈であるはずだった。
「あ〜ん、はずれないよー」
姉とは思えぬかわいい声で、彩華が言った。
ぐいっとひっぱっても、肉砲が天を突いているので、亀頭のくびれにひっかかって、はずれないのである。
「んー。もおーっ」
思いきり、彩華が前の部分をひっぱり下ろした。
無理を通されて亀頭が剥き出され、その反動で、ビン!と跳ねた。
白い体液が飛んだ。
彩華の右唇の上にかかった。
「あーん!やーだーっ!」
彩華が、光輝の左の骨盤のところに唇をこすりつけた。
顔の右側を左の骨盤につけたので、口がペニスにニアミスの近さである。
ぞくぞくっと、光輝は鳥肌立つ思いがした。
姉の気持ちを無視してそれをさせたら、自分は完全に優位に立つんじゃないか?
少しでもその体勢を取ろうと、光輝は体を左によじった。
それが、緊張と昂奮の極致にあるせいか、動きがぎこちなく、まるで相撲の肩すかしか何かのようなやり方になった。
さらに、そのタイミングが、ちょうど彩華が顔を押しつけようとした瞬間だったので、彩華はもののみごとにころげてしまったのだった。
悪いことに、肩にひっかかっていたパジャマが、床につこうとした手を邪魔した。
顔で受け身をするのを避けようと、彩華が左手で光輝の体につかまろうとした。
左手が、ペニスを握った。
「わあっ!」
二人の声が重なった。
転倒をかばおうとした彩華の右手が、伸びきらずに光輝の左足首をつかんだ。
その瞬間、光輝は彩華の体を支えようと、左手を下に伸ばしていた。
とっさの動きだった。乳房に触った。
支えるというより、揉む感じだった。肉が、柔らかすぎた。
バランスが、崩れた。
体勢を立て直すにも、足首のジーパンがカセになっている。
「わあっ!」
二人の声がまた重なった。もつれて、カーペットに落ちた。
光輝は、尻餅をついた格好だった。
光輝の左脇のところに、彩華がほぼうつぶせになって体をのっけている。起き上がろうとしてはいるが、背中のパジャマが両肘を縛る状態なので、できないでいる。
光輝は光輝で、起きるに起きられない。
彩華にのっかられているし、両足がジーパンに縛られている。
「やあん、光輝ったらあ。なんで〜?」
彩華がなよっとして、光輝の膝に乳房を押し付けた。
胸を支えにして、パジャマの袖を抜こうというわけである。
「ご……ごめん」
自分が悪いのかどうかわからなかったが、光輝はとりあえず謝り、ジーパンから足を抜いた。
そうすることで足が自由になり、起き上がることができると思ったのである。
光輝は右足を開き、それと右手を支点にして、体を右にずらそうとした。
彩華がパジャマの袖を抜いてからと、タイミングは計ったつもりだった。
が、やはり気が動転していたのだろう、彩華がそれを終える前に、するりとよけてしまった。
「あんっ!」
どすっと、彩華が顔から落ちた。
その瞬間、解放された左手が、はずみで光輝の睾丸をつかんだ。
「あうーっ!」
光輝は苦悶の呻きを上げ、体を「く」の字に折ってカーペットにうずくまった。
彩華がつかんだのはほんの一瞬だったが、横殴りするような触り方だったので、ショックは激烈だった。
「くっ!……むう……うーっ!……あ……うーっ!……」
睾丸から下腹部全部、腰から背中まで、重々しい苦痛が広がり、力いっぱい呻き声を上げることでしか、押さえられない。
「しっ! しっ、光輝、ちょっと!」
階下に聞こえると、彩華が口を押さえてきた。
口を押さえられようがどうしようが、呻き声は止められない。
それだけが、自分の存在証明であるかのようだ。
うーうーうーと、光輝は呻きつづけた。
「ちょっと、光輝、ほんとに、どうにかなんないの?」
両手で口を押さえ、彩華が取り乱した声で言っている。
背中の下のところが痛かった。
睾丸そのものよりも、そこが痛い。苦しい。
そこを、撫でてもらいたかった。
強くこすってもらいたかった。
すーっと、苦痛が引いていくように思えた。
「ここ……ここ、お姉ちゃん……」
呻き半分に、光輝は言った。
口でそう言ってはいても、光輝は両手で腹を押さえていた。
背中を示すことなど、できなかった。
「どこ。どこよ」
当然前のほうだと思っている彩華が、「く」の字に折っている膝を伸ばさせた。
しかし、「く」が「し」になる程度しかできない。
背中を撫でてもらえさえしたら、脚なんか、伸ばそうがどうしようが構わなかった。
が、体のほうが、伸びないのである。たぶん、そうすると、苦痛がひどくなるのだ。
だから、体は、自分でそうなろうとしない。
それを彩華は、光輝が伸ばそうとしないのだと思ったらしい。
ムキになって、痛がっていると思ったらしいのである。
声が下に聞こえたらと、彩華は必死になっている。
それで、後先のことを考える余裕はなかったのだ。
彩華が、股間に手を差し込んできた。
触った。
ペニスのほうである。
「大丈夫ゥ?平気ィ?」
彩華が、心配げに訊いてきた。
思いもよらぬことだったが、どうやら彩華は、陰嚢じゃなく、陰茎を痛くさせてしまったと勘違いしているのであった。
それを知ったとたん、痛みがすーっと引いていった。
3
「ううっ、あっ……あう、う……」
痛みは引いたが、光輝はなおも呻きつづけた。
ペニスを痛くさせたと勘違いしている彩華が、どんな行動に出るか、見てみようと思ったのである。
「大丈夫ー?まだ痛むー?」
彩華が、そこを調べるようにして、両手の指を添えた。
光輝はくずれたあおむけになっている。
彩華はうつぶせに近い格好で、光輝の股間におおいかぶさっている。
「うっ、うーん、まだ……ちょっと……」
光輝は低く坤きながら、下腹部をさすった。
結構な役者だと、自分でも思う。なかなか機転のきく男のようだ。
「どこ……痛くしたわけ?」
彩華が直立しているものを腹のほうに倒した。
裏側を調べてみようというわけである。
その時、左手が陰嚢の右側に触った。
「あぐぐっ!」
光輝は、本当に呻いた。
そこがやられたのだ。右のタマタマである。
しかし、そうとは知らぬ彩華は、またペニスを痛くしたと思ったらしい。
指をばっと離す反応の仕方で、彩華が接触を小さくした。
七、八個の指先が、肉茎をほんわり包む感じである。
とてつもない快感が生じた。
睾丸の痛みをも溶かして、あたり一帯に広がっていく。
光輝の顔の表情でも変わったのだろうか。
体に変化が現れたのだろうか。
彩華が、少しなごんだ口ぶりで言った。
「まだ、痛いの?そうじゃ、ないの?」
「…………」
光輝は黙っていた。
どういうのか、場合によっては、自分にかなり有利にコトが運ぶ予感がする。
「痛いんじゃ、ないわけ?」
「……ちょっと……」
「ちょっと、何なのよ」
「痛いのと、違ってきたみたい」
「違ってきたって……どういうことよ」
快感が、強まった。
指先がそっと触る感じだったのが、また、もとに戻ったのである。
七、八本の指が、やんわりと茎を包んでいる。
どうも、感じからいうと、両の親指が、亀頭の下のところ、裏の縫い目みたいな部分に当たっているらしい。
「ねえ、違うって、どういうことなの?」
答えを促すように、彩華が指に力を入れた。
「あっ!……」
と、危なく光輝は快楽の声を漏らすところだった。
ペニスの裏側の二本の親指と、表側の三本か四本の指が、しこりと、こすり上げる動きをしたからだった。
「ねえ、光輝、どういうこと? もう、痛くは、ないわけ?」
今度は、こすり下げられた。皮がつっぱった。
縫い目がひりつくくらい、ぎりぎりいっぱいに緊張した。
「いっ、いたっ……」
思わず光輝はそう言っていた。
痛い箇所は違うが、彩華はそうは取らなかったようだった。
「あ、ごめん」
と、小さい声で、彩華が謝った。
姉の、日常の声ではなかった。
肉親から離れた、別の関係の二人のような感じである。
「ううん、平気」
光輝は彩華に釣り合うように、声をなごめて言った。
その声のニュアンスを、彩華が受け取ってくれるはずだと、光輝は確信めいたものを感じていた。
「そ。痛いのが平気になって、それで今、どう?」
彩華が言った。
明らかに、応えてくれた言い方だった。
光輝は、妖しい胸のときめきを覚えた。
火山の噴煙のようなものが、胸の奥底から、むくむくとばかり込み上げた。
「今は……ずっと……いいけど……」
そう言いながら、火山の噴煙が、彩華の指がからまっている部分に集中する感覚に、ゾクゾク鳥肌立った。
「いいって……こういう?」
彩華の指が、しこしこと上下した。
「あ、お姉ちゃん……」
腹筋を盛り上げ、光輝は喜悦を訴えた。
「なあにい? いいって……こういう、ことを?」
シコシコが、はっきりした動きになった。
もはや弾みとか何かじゃない。
彩華は、そうするつもりで、しているのである。
「……う……うん……」
光輝は、それを認めた。
これからどうなるかわからない。
が、どうなっても、の思いである。自分が彩華に何かをするというのじゃない。
その逆である。その点、気が楽、とも言えた。
「気持ち、いいわけ?こうすると」
「……うん……」
「だから、こんな匂い、すんのかな」
「いや、それはさっき出ちゃったから」
「あたし、オナニーしてんの見て、出しちゃったんでしょ」
「そ、そっ!」
光輝は恥骨を浮かしてひくひくさせてしまった。
彩華が、指をすっかり巻き付け、大きなスライドでペッティングしたからである。
「あたしがオナってんの見て、光輝もシコシコしてたの?」
「ううん、して……ない」
「ウソ!しないで、何で出ちゃったわけ?」
「何でって、しないで出ちゃったんだもん。ほんとに」
「ウソだあ。自分でこうやって、やってたんでしょーに」
指の上下動が、すごく速くなった。
ペニスがそうなっているのか、指がそうなのか、接触している部分が濡れた感じである。
「あっあ……あ! お姉ちゃん……」
腰がぐんぐん浮き上がった。
肛門が痛いくらい締まり、直腸に巻き込まれた。
「あたしに嘘言ったりすると、怖いよ?どう?ほんとのこと、言いなさいよ。自分でこうやって、やってたんでしょ?あたしの、見ながら」
スライドが加速した。
リズミカルなピストンである。
指が上がりきる時、皮が亀頭のへりに当たり、たまらない心地よさである。
彩華は、どうしてもそう言わせようというつもりらしい。
そうでなくちゃ、納得しないつもりなのだ。
お姉ちゃんの見ながら自分もオナニーしたと、いっそのこと嘘の告白をしようかと、光輝は思った。
実際は、ポケットのパチンコ玉ごと、押さえていただけである。
そのまま、射精してしまった。
が、勃起したものに触っていたのは、事実である。
なら、オナニーをしていたと言ってもいいんじゃないか。
嘘にはならない。
恥ずかしいと思った。
本物はしていないのに認めるのは、ちょっと悔しいとも思った。
が、ほとんど嘘の告白をすることに、何とも言えない歓びがある。
「そんなには、しなかったけど……」
光輝は、快感にうっとりしながら、言った。
「だけど、したのは、したんでしょ?」
指の動きを止め、彩華が訊いてきた。
「少し……だけ」
そう答え、光輝は、自分は本当にしていたのではないかと、何やらわけがわからなくなった。
今、確実なのは、姉が触ってくれている器官が、死ぬほど気持ちいいということだった。
「やっぱしネ!」
彩華が、勝ち誇ったように言った。
4
「それで、どうしたわけ?お姉ちゃん、してるの見て、イッちゃったわけ?」
彩華がそう訊くから、光輝は素直にうなずいた。
「二回も出ちゃったってのは?いつと、いつ?」
彩華が執拗に二回にこだわる。
二回は出なかった。
一回しか射精していないと、光輝は正直に答えた。
「ウソ!お姉ちゃんにウソついたら、こういうことになるのよ?」
シコシコシコと、彩華が烈しくしごいた。
「あっあ!お姉ちゃん、やめてよ!」
肛門に火が付いて、ドッピュンと、噴火させそうになった。
「やめてったって、やめない。お姉ちゃんに嘘つく弟なんか、こうよ?こう」
からみついた指が、シコシコシコと上下した。
快感が、いっそう強まって感じられた。
少し前、じんわり汗ばみを感じたのだったが、それどころじゃない粘さがある。
「人のこと、こっそり覗いて、自分の姉をオナペットにして出しちゃう弟なんて、こうだから。こう!」
指が、めちゃくちゃに往復運動した。
しやなかで濡れた指が、三十本ぐらいあるように思える。
濡れた感覚が、ひどくなった。
知らずに射精しているのではないか?という、信じがたいエクスタシーに飲み込まれている。
「すごい気持ちいいから、精液でないの、出てるんでしょ」
彩華が言った。
「…………」
光輝は何とも答えられなかった。
彩華が言っているのが何のことなのか、わからなかった。
精液でないものが出ているらしいが、そんなのあったろうかと、何百回かのオナニー歴をたどっている。
頭を上げて見てみようかと、ちらと思いはしたが、やめた。
姉に肉砲を愛撫されているところを見たりしたら、どうなるか、自分に責任が持てない。
それに、腹筋に力を入れただけで、ドピッ!とやってしまいそうである。
今の状態なら、姉の顔に噴き出すのは間違いないと思う。
「気持ちいいと、こういう液、出るの? 女みたいに」
「液って……どんな液?」
光輝はわからないので、訊いた。
「自分の体、自分で知らないわけ? 高二にもなって、情けないのねー」
ほら、これよ、これ、と言って、彩華が亀頭をこねた。
「あううっ!」
頭の中が真っ白になった。
今まで味わったことのない、強烈な快感だった。
舐められたのだと思った。
そうとしか思えない感触だった。
「お……お姉ちゃん、やめて……」
息絶え絶えで言い、光輝は頭を上げた。
彩華は、舐めているのではなかった。
顔はペニスのすぐ上にあるが、舐めてはいないし、唾を落としたふうでもない。
なのに、彩華が指でこねている赤い亀頭は、明らかに濡れているのである。
が、精液でそうなっているのではない。
「やめてったって、あんたがこんなに液、出してんだもん。こういうのは、イイから、出るわけでしょうが」
そう言って彩華が、茎をしごき上げた。
とろりとした透明な粘液が、尿道口から盛り上がった。
初めて見るものだった。
今まで何回オナニーをしてきたか、かぞえきれないが、そんな体液、一度だって見たことはない。
彩華は、「女みたいに」と言ったが、確かに精液ではない、別の液体である。感じて出る粘液なのだろうか。
「わかんない。だって、初めてだもん」
光輝は頭をもたげたままで言った。
腹筋が緊張して、彩華の顔に発射しそうに思い、両肘で上体を支えた。
「初めて?今までこういうの、出たりしたこと、ないわけ?」
「……ん……よく、わかんないけど」
「見て、しないの?……する時」
「見る……ことは、あるけど……」
「なんか、はっきりしない子ねえ、あんたって」
と言いながら、彩華が根元のほうから、じわーっと絞り上げた。
亀頭に盛り上がった体液の五倍でききかない量が新たにあふれ出た。
光輝は、自分自身のそんな光景を、驚きの目で見つめた。
まるで他人のことを見ている感じがする。が、言葉で言えない気持ちよさが、自分のことなのだと教えてくれている。
「ね? ほら、感じてる証拠に、こうなるわけなのよ」
そう言って二回、彩華が茎をしごいた。
亀頭表面の状態が変化して、盛り上がった透明な体液は、手前、亀頭の上側に流れ出した。
水みたいに見えるが、ずっと粘り気がありそうである。
事実、それは亀頭のへりのところまで流れて、ストップした。
水なら、へりからくびれのほうに流れるはずだが、滴のように丸まったまま、停止している。
腹這いになっている彩華が、首を伸ばしてそこを見た。直立しているペニスの上から見下ろす格好である。
口は、亀頭のすぐ上にある。
へたをすると、かぼっとくわえてしまいそうな近さである。
口が、近づいた。
(あっ、来るな)
と、光輝は思った。
くわえられる、と思ったのである。
わなわな、震えた。
両肘で体を支えて、顔をもたげている。
姿勢としては、極めて不自然で、腹筋を緊張させている。
快楽の証しの液が、あふれ返っている。
そんなところにもってきて、柔らかい口でかぼっ、なんてされたら、ひとたまりもなかった。
一秒としないで、口の中にほとばしらせてしまうだろう。
そういうのを、「火を見るより明らか」と言うのである。
「変な……匂い」
彩華が言った。息が掛かって、亀頭の裏側のほうが、すーすーした。
「変、ったって、しょうがないじゃん。おれのせいじゃないもん」
「そんなこと、ないわよ。あんたのせいじゃなかったら、いったい誰のせいなのよ。自分の体のことは、自分のせいでしょ?人のせいにするのは、卑怯よ」
「…………」
光輝は何とも言えなかった。
そう言われれば確かにそうかもしれないが、こんな匂いをさせたくてさせているわけではない。
これは、神様がしたことなのだ。
「あんたが人のオナニー見て、何回も射精しちゃうっていうのも、自分のせいでしょ?」「……え?それは……」
光輝は反論しようと思った。
ひどすぎる言い方だと思った。
今日のことは、ほんのはずみでなっただけだ。
それに何回もなんて、射精していない。
しかし、何か、言葉を見つけて言おうとしているうちに、別のことが始まってしまったのだった。
「変な匂いだけど、なんか、甘い味、って感じも、する」
そう言った彩華が、そのまま舌を伸ばし、ちろっと、先っぼを舐めたのである。
5
「あうっ!」
光輝はピクピク、腰を弾ませてしまった。
何か、肛門もひくついて、とろりとした粘液が流れ出たように思った。
「げえーっ、甘いってよか、苦いって感じー」
「…………」
光輝は何とも答えられなかった。
肛門が火のように熱くて、粘液がとろとろ、いくらでも流れ出していく感覚がある。
「だけど、ヤッパ、いくらかは甘いかも」
と言って、彩華が亀頭の先を、ちろちろ、つんつんする。
「あ……あ……お姉ちゃん……」
そのつど光輝は腰を反応させ、喘ぎを上げた。
肛門の妙な感覚はいっそう強くなって、まるで柔らかい便が出ているようである。
「おちんちんは苦いけど、この液が甘いのかしらね」
「…………」
光輝は黙っていた。
自分で舐めたことはないし、その液は、自分でも初めて知るものである。
「どう、思う?光輝は」
「……さあ……」
やっとのこと、光輝は言った。
それ以外、言いようもなかった。
「液そのものは、甘いんじゃないかって思うのよ」
「じゃ、舐めてみれば?」
と、光輝は心の中で言った。
喉まで出かかったが、さすがに言えなかったし、たとえ本当に言おうとしても、声は出なかったんじゃないかと思う。
が、まさにそのことを、彩華が言ってきたのだった。
「ぺろりんて舐めたら、それ、わかるかしらね」
「……かも……」
気を失って、どこかに吸い込まれていきそうな気分になりながら、光輝は言った。
そして彩華はというと、光輝の言葉がGOサインであるかのように、その行為をしてきたのだった。
しかし、実際の彩華の行為は、ぺろりんと舐めるというような、上っ面のものではなかった。
光輝は、液が大量に流れ、盛り上がって溜まっている、亀頭の手前側のへりあたりを、彩華が舌で軽くなぞるとばかり思っていたのだったが、そうではなかったのである。
彩華は、口をあんぐり開けると、かっぷりとくわえてきたのである。
亀頭が、まるごと、口に含み込まれたのだった。
「がああっ!」
強烈な快感に、光輝は腰をせり上げ、呻いた。
何か、ペニスがそっくりなくなってしまったかのような、あるいは、肉体としての器官は消滅し、快感だけがそこにあるような、言うに言われぬ喜悦に、大声で唸った。
そのくわえ方だと、彩華の上唇が亀頭の上側にかぶさっていて、舌が下側にある。ということは、液を味わうことはできないわけである。
当然彩華は、味わうために、舌を動かした。亀頭のへりをなぞって、上に這わせてきたのである。
「があっ! がああっ!」
光輝はさらに腰をせり上げ、呻いた。
それはどうにもならない体の反射で、背中が勝手にしなっていく。
が、そうなることが、快感を何倍にも増幅するように思える。
気持ちよくて気持ちよくて、死にそうだ。
光輝が腰を大きく反らせたことで、粘液を味わおうとした彩華が、そのために、這い上がってこなければならなくなった。
と、彩華がそうしようとした時、右肘が股の真ん中をぐりっとこねくった。
「あっ! お姉ちゃん、痛いっ!」
股の筋肉と骨がどうにかなりそうで、光輝は悲鳴を上げた。
そしてそこをかばおうとして、光輝はせり上げた腰を落としていた。
それが、上がってきた彩華の動きと、カウンターになった。
ぬぼっと、ペニスが埋没した。
亀頭だけでなく、茎のほうまで、口にはまってしまったのである。
「あああっ!」
光輝は信じられない喜悦の感覚に、全身をわななかせ、ほとんど絶叫していた。
どくどくどくと、尿道を液体が走るのが感じられた。
が、射精現象とは違う。粘質の液が、際限もなく生じているようである。
熱い感覚が、肛門にもある。粘膜が、めくれ出たり、すぼまって直腸に潜り込むような、得体の知れないうごめきである。
透明な液も初めてなら、その体反射も初めてのものだった。
彩華が、吸った。
茎に唇をぴっちりと付け、んくーっと、亀頭を吸ったのである。
ジジジーン!と、脳髄が痺れた。
吸われた亀頭より、頭の中のほうが、快感のショックは強かった。
大脳も小脳も溶けてしまうかという、根こそぎの恥悦だった。
「ああ! あううっ!」
体が、跳ねた。
ガクンガクン、躍った。
さっきののけぞり同様、自分ではどうコントロールすることもできない反射だった。
ングング、彩華が吸った。
強い吸引である。液を味わうとか、そんな次元の問題ではない。
弟の勃起を吸い、しゃぶること自体が目的ででもあるかのように、一心に口を使っているのである。
もう、味のことなんかどうでもいいと思っているようだ。
それとも、引っ込みがつかなくなったのだろうか。
「あーっ! あぐっ、あぐぐうっ!」
体が躍り狂い、足がどんどん、床を蹴った。
それもこれも、自分ではどうすることもできない体の動きである。
射精が始まったら、ストップがきかないのと同じである。
甘実な痙攣に身をゆだねる以外、自分でできることといったら何もない。
脳髄のとろける痺れが、脊髄を走った。
腰の奥から、重々しい歓喜が、もわあーっと、膨れ上がった。
「お姉ちゃん、やめてっ……」
光輝は叫んだ。
が、それは声にはならなかった。
叫んだつもりになっただけだった。
何とか叫びを彩華に伝えようとは思うものの、歓びに跳びはねる体が、それを許してくれないのである。
吸引が、烈しさを増した。
6
それだけではなかった。
彩華は、亀頭を吸うだけでなく、口を上下もさせはじめたのである。
もはや、フェラチオという性愛以外のなにものでもなかった。
「おっ……お姉ちゃん……ちょっと……」
光輝は彩華の頭に手を添えた。
押しやろうとする気持ちと、抱きかかえようというのと、半々だった。
彩華本人は、押し離されると思ったようだった。
それで、そうされまいと、両手の指をしっかりと、肉茎に巻き付けた。
そうしておいて、頭の上下動である。
ちゅぷちゅぷ、淫らな音が立った。
それでなくても、絶項寸前に攻め込まれている。
肉体直接の刺激の他に、耳からも刺激が襲いかかり、爆発に歯止めはききそうもない。
「おっ!……お姉ちゃん、ちょっと……ちょっと……あ……」
もう射精へのプロセスが始まっていることを感じ取りながら、光輝は彩華の頭をやさしくたたいた。
拒否のしぐさではない。といって、射精を告げるわけでもない。
もっと烈しく、と訴えているわけでもない。
自分で自分が、何をどうしたいと思っているのか、訳がわからなくなっている。
体は、正直に暴れていた。
腰が躍り、足は跳ね、床を鳴らしていた。
それは、光輝も知っていた。
が、今の自分のことしか、考えは届かなかった。
そしてそれは、弟のことを口淫している彩華にしても、同様らしかった。
マグマの爆発が、迫った。
肛門が、収縮だけになった。
肛門の粘膜が直腸に入り込んだ分だけ、蟻の門渡りが肥大し、熱を持った。
「あーっ、おっ、お姉ちゃん……」
手が自然に、彩華の頭をかかえた。
頭の上下と一緒に動く両手が、ものすごくいい感じである。
姉の頭を使ってオナニーしているような歓びがある。
「おっ、お姉ちゃん……おっ、おれ……」
イッちゃう、精液が出ちゃうと、それは言わなかった。
言わないことが、たまらない快感だった。
言わないで、いきなり姉の口に射精しちゃおうと思った。
姉がこっちのことを無視するようにフェラチオしているように、こっちはこっちで、事前通告なしで、ドピドピ、ほとばしらせてやろうと思ったのだった。
その思いに、震えた。
と、自分でも予想できないなりかたで、ザーメンが噴き出した。
いつもの射精とは、全然違っていた。
精嚢が破裂し、亀頭が肥大し、白液がドピッとばかり射出するのとは違って、肛門あたりから一気に噴火する感じだった。
「うんむーっ!」
彩華が、鼻にかかった呻きを漏らした。
たぶん喉に、まともに精液がほとばしったのだ。
が、彩華はくわえたものを吐き出そうとしない。
そのままくわえている。そればかりか、きゅんきゅん吸うやり方を変えないのである。
いや、それどころか、吸い方は、いっそう強くなったように、光輝には思えた。
ただ、それは、射精時の快感のせいかもしれなかったが。
何か、音が聞こえたような気がした。
音というより、声のようである。
彩華が呻いているので、それかと思ったが、それとは違う。
彩華が、顔を上げた。
ハッとしたような素振りだった。
「ちょっと、起きて!」
小声で、彩華が命じた。
「誰か、来る!」
彩華が、パジャマをかきいだくようにして、ベッドに飛び込んだ。
あわてて光輝も立ち上がった。が、彩華のあとを追ってベッドに潜ることはできない。
泣きそうになってジーパンを上げた時、ドアの外で母の声がした。
「彩華なのお?」
「……何があ?」
眠たそうな声を無理に装い、彩華が答えた。
「何かさっきから、どんどん音してるんだけど……」
と言いながら、母がドアを開けた。
万事休すだと、光輝は思った。
ドアのほうに背を向けてはいるが、ジーパンは上げただけで、ファスナーもベルトもしていない。
ドアとはいくらか逆になる左手で、前を押さえているだけである。
「光輝……も、いるの……」
どこかとまどった声で、母が言った。
「何してるの? こんな時間」
「いや、ちょっと……」
首を母のほうにねじって、光輝はとりあえず、しゃべった。
母が入ってきて、前の部分を見たりしたら、それこそ一巻の終わりである。家を飛び出すしかない。
「ちょっと、何なの?」
不審げに首をかしげ、母が訊いてくる。
「あ、あの……お姉ちゃんに訊きたいこと、あったから……」
くらくら、めまいがした。
「何?訊きたいことって」
母がそう言ってきたら、黙って家を飛び出そうと思った。
「なんかあ、学校の友達のことでえ、相談したいとかってんだけどお……」
ベッドから頭をもたげ、彩華が救いの手を差し伸べてくれた。
というか、彩華だって誰かに助けてもらいたい心境だろう。
「明日で、いい〜?あたし、眠いんだけどおー」
と言って、彩華は布団をかぶった。
「いいでしょおー?出てく時、電気、消してってねー」
「んー、わかったー」
光輝は光輝で、不満そうに口をとがらせて言った。
が、すんなりと部屋を出ることはできない。
母にジーパンの状態を見せるわけにはいかないのである。
「じゃー、明日、いい?」
光輝は彩華に顔を向けたまま、後じさった。
電気のスイッチは、ドア脇にある。
母にやばいところを見られないように、電気を消そうと思った。
それ以外に、逃れようはない。
ベッドに頭まで潜っている彩華のことをずるいと思ったが、今は、仕方がない。
「ほんじゃ、シッツレイー」
と言いながら、スイッチに右手を伸ばした。
が、顔は依然として、ベッドのほうに向けていた。
手が、ふにゃりとしたものに埋まった。
「何すんのお?やーねえ」
母が妙な声で言った。エッ?と思って見ると、ラベンダー色の母のパジャマの左胸に触っている。
「アッ、わりい!」
あわてて手を引っ込めた。左手がゆるんで、ジーパンがずり下がった。
それを見られる前に、スイッチを押した。
真っ暗になった。
が、頭の中は真っ赤である。ぼーっとしている。
ヒヤーッとする感覚に襲われたのは、そのあとだった。
その感覚を体いっぱいに感じ、母の体をすり抜けた。
が、悪いことはつづくものである。
部屋を出たところで、そこに置いてあったパチンコを蹴飛ばした。
廊下は暗いが、音で、パチンコがどこに行ったかは、わかった。
なかば朦朧としながら、光輝はそこに右手を伸ばした。
バラバラバラと、とんでもない音が響いた。
ポケットの中でどうなっていたのか、光輝が体を低くしたはずみに、パチンコ玉がこぼれ出たのだった。
「なあに〜?何なのお?」
母が、ドアを閉め、廊下の電気をつけた。
「何でもない、何でもない。いいから、行って」
光輝は左手でジーパンを押さえ、右手だけでパチンコ玉を追った。
「ほんとに、何してんのお?」
独り言のように言って、母は下りていった。
今の音で、父も目を覚ましたはずだった。
母が父に何と言うかと思うと、生きた心地かしなかった。
姉との愛
- 妖精レイプ
- すっかりエレクトさせていた光輝は、真正面に展開されたさつきの局部の様に、危うく漏らしてしまうところだった。真っ白い腿の突き当たりに、ちょっぴり秘毛の飾りを付け、われめが桃色の口を見せている。が、一見単純そうでいて、どうも粘膜は複雑に入り組んでいそうである。色も、桃色一色ではなく、明るい桃色とかくすんだ色とか、もっとくすんで、もはや桃色とは呼べないのとか、何種類も混じっているように思える。
- 復讐
- その体位では、ヘアをうかがい見ることはできなかったが、肛門あたりに処女の血が滲み広がっているのは、見えた。ぴくぴくっと、ペニスが脈打った。たった今、ブリーフに射精したばかりだというのに、またしても光輝は、恋人の惨状を目にして、肉茎を弾ませたのだった。さつきに申し訳ない、という気持ちはあるものの、それとは別の快楽を感じていることは、疑いもない事実だった。
- オナニー覗き
- クラスの女の友達の、その友達が、四人の男にレイプされた。クラスの子は、どう慰めたらいいのかと悩んでいるのだが、何か適当な慰め方、ないだろうか、と光輝は遠回しに言った。美山さつきのことを襲ったのは三人だったが、姉は四人に犯されたということらしいので、光輝は四人、と言ったのだった。そのほうが、彩華には具体的に訴えかけることになると思ったからである。椅子に腰掛けて頭をごしごしやっていた彩華が、視線を落とした。自分と光輝の中間点の、カーペットの上あたりに、焦点を定めず、停止させている。
- 被虐悶え
- 北崎は、光輝の姉の彩華をも犯したのである。光輝が知っているとは知らないようだが、自分は、クラスメートの姉をレイプしたということは、知っているわけである。北崎が、ないことに光輝に話しかけてきたのには、何か、そっちのことも関係しているのかもしれなかった。豊橋を通じて、光輝の耳に入っていないか、探りを入れてきたとも考えられる。その豊橋は、黒板のすぐ前の席に座っていて、珍しく光輝と北崎が口をきいていることには、気づいていないふうである。
- よがりなく牝獣
- 邪魔をしていた指がずれて、貝の舌の上の部分が見えた。淫裂の溝からぴょっこり飛び出している。クリトリスというやつである。エッチな関係を持ったが、姉のそこも、まだ見てはいない。触ったことも、匂いも嗅いだこともない。ましてや、味わったことなど、ない。