万年初段
けん自慰というプレイヤーがいる。
これがまた、あだ名をつけるとしたら「まるでダメ夫君」とつけたくなるくらい何をやってもセンスが無いんだ。
バーチャも、かなり試合数やってるのに、いわゆる「万年初段」。
そのままやってりゃ負け試合の全国記録でも狙えそうな勢いすらあるのに、カードもしょっちゅう無くすというオマヌケぶり。
まったく成長が無いんで当然周りからは小バカにされている。
でもね。
どんなに負けてても、キチンと名前入れてカード使って正面から向かってくるから、私は評価してる。
少なくとも、カード無しで「俺は五段に勝てるから六段くらい」なんて言ってる輩や、やりもしないで外野から「あっ反撃が安い、ヌルい」なんて解説君してる連中よりはね。
対戦格闘ゲームにおいて、それほど「理解していること」と「実戦で実行できること」との価値の差はあると思うんだ。
例えば「開幕立ちP」
ただ出すだけなら、ボタンが押せれば誰にでも出せるのは当たり前なんだ。
自分が十段、相手が初段でカード挿していて、セット数は2対2でファイナルマッチ。
大会の権利がかかった決勝戦。
そう。負けたら、失うものは50円だけじゃないんだ。
「絶対負けられない」。そういった状況で、迷い無しで打つ「開幕立ちP」にどれだけの価値があるか。
それは実際に、泥にまみれてきた、死線を潜り抜けてきた人間にしか決して分からない。
それを「ヌルい」だの「俺のが上手い」だの、やりもしない、傷つかない立場からの解説君がどうこう言う権利は無いと思うんだよね。
けん自慰は確かにヘタクソ。
でも、例え木刀だろうが剣を持って構えてる限り、私にとってそれは一戦士なのである。