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【報告】リュウグウノツカイを発見しました 2010-01-29

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このところ、千里浜にリュウグウノツカイが次々と打ち上っているとのニュースが新聞に載っていて、つい先日にはなんとアカウミガメの子どもが死んでしまっているが打ち上がったというのもあって、今日は千里浜まで行こうと決めていた。

リュウグウノツカイは、深海200m以上のところに住んでいて、時々海岸に打ち上げられて話題になる。最大で10mにもなる、世界でもっとも長い硬骨魚類である。僕はまだ一度も見たことがなかった。一度でもいいから見てみたいと思っていた。

千里浜は、海岸を車で走ることのできる数少ないところだ。砂が細かくて、大型バスも通ることができる。

ゆっくり走りながら時々気になる貝殻などを見つけては止めて写真を撮ったり、ほしくなった貝殻やブンブクの殻を採集した。リュウグウノツカイは、正直、見つかる可能性は低いだろうと思いながら走っていた。

ふと、濡れているところに細くて大きな白い物体が横たわっているのを見つけた。すぐそばには、カモメがいる。胸の鼓動が高くなる。車を端に寄せて止めて、近寄った。

すると、なんとリュウグウノツカイが横たわっていた。目はカモメかなにかにつつかれてなくなっていたが、ほぼ完全な姿であった。大きさは4mほ どある。興奮した。あわてて自然学校のナディアに電話し、また、ぴっからには写メを送ったのだが、その間、手が少し震えていた。ぴっからからは「新聞社に連絡だ!」とのメッ セージが入ってきたため、連絡したら記者さんがやってきた。名刺交換し、状況を説明した。記者さんによると、もう一か所、千里浜のレストハウス横にもリュ ウグウノツカイが打ち上がっているとのことで、そちらも見に行くことにした。そのリュウグウノツカイは、僕が見つけたものよりもさらに大きく450cmほ どありそうだ。大綱も高い。アコーディオンのように伸びる口に、赤くて細長く所々幅が急に広くなるピロピロしたところがあるつののようなヒレ、ぶつぶつが ついた銀色の皮膚、4m以上あるにもかかわらず体高は30cm、幅は5cmそこそこという不思議な体だ。

バケツに水を汲み、砂を流したらさらに分かりやすくなった。ひっくり返したら、目もあった。ナディアもやってきて、記者さんがとる写真に入った。もしかすると、この場面が明日北国新聞に掲載されるかもしれない。

この海岸は、以前クジラの子が漂着したこともあるという。すごいところだ。そして、今年はリュウグウノツカイが何度も見つかり、以前地元の人が 持って帰って食べると言っていたという。どうですか、食べてみませんか?と言われ、少し躊躇したものの、こうなったら食べてみようと思い、魚体のにおいを 何度もかいだが、腐敗臭はしなかったため、大丈夫だろうと判断し、筆箱に入っていたカッターナイフでさばいて切り身を持って帰ることにした。この魚は、さ ばく時にも不思議さを感じさせてくれる。簡単に骨が切れてしまう。カッターナイフで、背骨を切ることができてしまうのだ。硬骨魚類なのに。ついでに、腹の 中を見ようと思って、腹も割いてみた。オレンジ色の肝臓が見え、ヒダヒダのついた腸が入っている。中身はほとんどなく、おそらく空腹の状態であったよう だ。

その後、もう一度、最初に見つけた魚のところに行っ た。カモメがつついていた。今度は、つつかれて腹からオキアミが流出していた。話には聞いていたが、本当にオキアミを食べているんだなと納得。

夜、食べようとボウルから出すとき、やたらと水分が出ていた。変だなと感じる。見た目は、白身できれいだ。変なにおいもしない。うまいかもしれ ないと思う。塩コショウを振りかけ、油をひいて焼いてみた。途中中を見ると、また水が出ている。柔らかいのかもしれないと思う。十分に火を通して、ハシで さらに乗せようとしたが、身が柔らかくてハシでとれない。中華鍋からなんとかおろしてさらに乗せ、食べてみた。まるでコラーゲンの塊で、味はあまりしな い。塩コショウの味がおもなもので、後はアミノ酸系のうまみはあるものの、特徴的な感じでもない。魚の身を食べる舌触りのようなものもあまり感じず、どち らかというとゼリーを食べているような気分だ。ぶつぶつが付いている厚めの皮もすっかり柔らかくなっていた。コラーゲンが好きな人はいいかもしれないが、 僕ははっきりいって好きなタイプではなかった。焼いてしまったため、全部食べたが、まだ冷蔵庫の中にある身をどうしようかと頭を抱えている。今度、リュウ グウノツカイを見つけたとしても、さばいて持って帰ることはもうないだろう。もっとも、今度見つけることができるかどうかも定かではない。最初で最後かも しれない。

レアな体験ができて幸せであった。

そして、北國新聞にも掲載されてしまいました

【文:ぜんちゃん】


2010-01-29 Permalink

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この記事へのコメント

  1. sugi

    貴重なレポートありがとうございます。
    食べちゃうのがすごい1
    感動しました。僕もリュウグウノツカイに会ってみたい!

    2010 年 2 月 1 日 12:48 AM
  2. ぜんちゃん

    sugiさんへ

    コメントありがとうございます。
    ええ、食べちゃいました!あまりおいしくなかったけど!でも、会えたのは本当にびっくりしたし、ラッキーでした。
    朝、砂浜に行くと、いろいろな発見があるよ。ぜひsugiさんも行ってみてね。

    2010 年 2 月 5 日 6:58 PM
  3. おかもと ひろし

    2010年4月3日早朝に富山県生地海岸でリュウグウノツカイが打ち上げられていました。
    体長は1m前後あり、鳥に目の周囲をつつかれていましたが鮮度が良かったので、とりあえず持ち帰って食べられるかどうか
    調べることにしました。
    帰宅途中漁師に食べられるかどうか聞いたのですが、漁師いわく時々定置網に入るが捨てているとの事でした。
    今日はヤリイカを釣ってきたのでリュウグウノツカイは話のタネに食べるかどうか迷っています。
    3月末には、魚津でホタルイカを捕っている時にシマカツオ(約45Cm)が水面を泳いで来たので網ですくい、漁師に聞いたら食べられるとの事で刺身と塩焼きにして食べました。
    味はビン長マグロのトロに似ていました。この日は同じく
    ホタルイカを捕りに来ている人に約55Cmのシマカツオを1匹もらいました。
    今年は根魚が釣れないかわりに珍魚にお目にかることが出来ました。

    2010 年 4 月 3 日 9:39 AM
  4. おかもと ひろし

    リュウグウノツカイの件を訂正します。
    水族館で見てもらったところアカカシラでした。
    よくリュウグウノツカイと間違えられるそうです。
    お騒がせして申し訳ありません。

    2010 年 4 月 3 日 11:22 AM
  5. kaori

    リュウグウノツカイが打ち上げられると地震があるという伝承があるようだというのを今日はじめて知りました。
    ちょうど一年前・・・
    一年前から大地震の前兆はあったのですね。

    2011 年 10 月 25 日 11:02 PM

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