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2013年2月27日 (水)

健康食品マルチ商法「ギャランティ倶楽部」、配当金の支払いを停止

最近、国内でもその効能が広く知られるようになったアントシアニンエキス(天然ハーブビルベリーの高濃度抽出物)。高い抗酸化作用を持つことなどから生活習慣病の予防に適しているとされる。

このアントシアニンエキスの液状化技術を「約20年前に世界で初めて開発した」として、ピーク時には年商40億円を売り上げていたマルチ商法の会社がある。現在は「株式会社ギャランティ倶楽部」(東京都中央区)という別会社になっているが、これはあくまでも登記簿上のことで、実質的には「ビーエムエスコーポレーション」(以下、B社)が世間の眼をごまかすために衣替えしたに過ぎない。

同社のオーナーは福岡万明(かずあき)という人物。「もともとは大手飲料メーカーの役員まで務めた技術屋だった。独立当初はアントシアニンエキスが世間からなかなか認知してもらえず、一日に4、5本売れればよい方でした。ところが、Nという女性と出会ってから福岡の様子が一変する。倉庫に山積みになっていた商品がどんどん捌けるようになったんです。Nはネットワーク(=マルチ商法のこと)のリーダー的存在で、とにかく話がうまく、人をひきつけるカリスマ性も持っていた。彼女のおかげで飛躍的に売上が伸びていき、福岡はマルチのうま味を知ったわけです」(関係者)

詳細は省くが、報酬などをめぐってその後、福岡はNと対立。1口250万円で募集した「G会員」(安定報酬ギャランティ株主会員と称する最高額の投資型商品)も順調に拡大し、売上がピークに達しようとする2005年、ついに福岡はNをクビにしたため、双方が右翼、暴力団に解決を依頼するという泥仕合にまで発展したという。

さらには、全国の会員約590人から「違法なマルチ商法を展開している」などとして、総額4億7000万円の返還訴訟をおこされる一方、08年には、架空経費を計上して2億円の所得を隠し、法人税6000万円を脱税したとして、東京国税局がB社と福岡を告発(後に有罪確定)。

さすがにB社の名前では金集めもままならなくなったが、「福岡はまったく諦めた風がない。商号変更、本店移転、別会社設立などを複雑に繰り返す手口でB社の影を消して、事業の継続を図ったのです」(同上の関係者)

これまでに判明している法人名だけでも、「株式会社リフレッシュアイ」「株式会社ベリーライフ」「株式会社レックス」「株式会社REX」「株式会社BMSホールディング」「株式会社リセットプロジェクト」といった具合で、1法人あたり3度くらいの商号変更など当たり前のように短期間に行っているのだ。

そして、福岡は現在、「株式会社ギャランティ倶楽部」という「表の看板」で、従前とまったく変わらないマルチ商法を続けているが、関係者によると、ここに来て「大きな変化」があったという。
「ついにG会員向けの利益配分が2月分から止まることになった。1カ月間の延期と言っているが、実際にはどうなるか分からない。もしかすると、福岡は事業継続を諦め、本当に逃げる準備に入ったのかもしれない。と言うのは、福岡は登記上、ギャランティ倶楽部の役員からすでに抜けていて、80歳近くの事情を知らない老人が代表取締役になっているなど、不審な点がたくさんあるんです」

B社から始めて10数年、ギャランティ倶楽部に行き着いた「福岡流マルチ商法」もいよいよ最終局面をむかえているのかもしれない。(敬称略)

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