テレビ広告や新聞広告を大々的に行っている「いつかはゆかし」とその運営元「アブラハム・プライベートバンク」。広告で初めて知った人は「なにそれ?知らないし。怪しいし」と思うことだろう。
筆者は週刊ダイヤモンドや日経ビジネス等をよく読むので数年前から富裕層向けの企業だということくらいは知っていたのだが、知らない人も多いに違いない。
このブログを書くにあたって変な噂が無いか色々検索していて、ようやく筆者が探しあてたのが、同じ個人向け資産運用業としてアブラハム社と競合している同業者によるツイート。
足を引っ張る目的なのか嫉妬なのか分からないが、いきなりアブラハムを反社会勢力呼ばわりするツイートを発見して驚いた。
なんと!その発言者の名前は
藤野英人氏(ふっしー @fu4)。カリスマ・ファンドマネージャーとして
「ひふみ投信」(レオスキャピタルワークス株式会社を率いる御仁。その藤野氏と国内投信会社に勤務する会社員Activeindex氏による会話がこれ。
(
こちらをクリックすると一連の流れの中でアブラハム社に言及していることが分かります)
2012年11月12日
「@ActiveIndex ここはちょいと反社の匂いがするのであまり深入りしないほうがよいかも。」
と公の場でツイートしているのである。
天才ファンドマネージャーであるところの藤野氏の扱い資産額が40億円である。
対して、アブラハムは、517億円である。 華々しく「国内から海外へ!」と喧伝するアブラハム社を国内業者の立場として足を引っ張りたかったのか。それとも、単に「会社概要」のチェックを劣ったのか。
後述するが、普通に考えて丸の内の大手企業が反社会勢力に出資するわけがないし、且つ、大手監査法人がそのような会社を相手にするわけが無いことは一般人にも分かる。
さて、筆者が入会するにあたり会社について詳しく調べてみたので紹介しよう。
いつかはゆかしTVCMの動画(YOUTUBE)「いつかはゆかし」の提供会社であるアブラハム・プライベートバンク株式会社は関東財務局に登録されている金融商品取引業者で投資助言・代理業である。同社はアブラハム・グループ・ホールディングス株式会社のグループ会社である。アブラハム・グループの株主は、東京海上日動火災、ジャフコ、創業メンバーとなっている。
ジャフコとは、
「日本最大のベンチャーキャピタル」である。東京海上日動火災は一般的には保険会社だが資産運用の世界では「
世界最大級の機関投資家」である。株主の筋は良いと言える。
特にジャフコは、
ソフトバンク、マネックス、ライフネット生命。
すなわち急成長する会社を見つけて投資をしては、その会社を上場させている。
アブラハム・グループの業績は好調のようで、同社は、2012年、2013年の両方で、監査法人トーマツ・デロイトトーマツから、
日本とアジアで急成長企業として表彰されている。
そして、企業としての成長性だけではなく、安定性もある。
アブラハム社長ブログによると創業以来
「無借金」。従い、倒産リスクが無く(確かに負債が無いと理論上、倒産しようがない)
堅実経営とのこと。決算非公開ながらも利益水準は
東証一部上場基準レベルはクリアしており財務的な安定とのこと。
事実、公表しているアブラハム・プライベートバンクの扱い
契約額実績も急増、512億円を突破しており、その人気振りがうかがえる。
同社リリースより非常に華々しく、マスコミ取材履歴も130回以上ある。
前述のレオス藤野氏はそれにしても嫉妬による悪質なデマもしくは勘違いだと思うが、もしかしてそれを鵜呑みにする人もいるかもしれない。筆者が思うに、「アブラハム」という名前が問題だろう。つまり、名前が怪しい(笑)
アブラハム社は富裕層向けの会社として、特定少数相手にビジネスをしており知る人ぞ知る会社という印象があった。富裕層向けの会社として「アブラハム」という語感は非常にマッチしていたように思う。
ではそもそも「アブラハム」の社名の由来はなんだろうか?
なぜ、社名が「アブラハム」なのか?アブラハムは、リンカーンなのかユダヤなのかアラブなのか、とても気になるところである。
その答えは公式サイトにあった。
アブラハム・グループ・ホールディングス株式会社 社長挨拶より
社名の由来は、
アブラハム・マズローという学者が唱えた欲望の5段階説。
つまり
「個人の自己実現」を応援したい、という想いを社名につけたという。
それはアブラハム・プライベートバンクのミッション・ビジョンにも反映されている。
<ビジョン>
日本人の金融リテラシーをグローバルスタンダードに近づけることで、将来不安を抱えるすべての人を安心へと導くアブラハムの役員、その沿革は?次に、アブラハム・プライベートバンクの経営陣の経歴を見てみよう。
綜合商社、メガバンク、外資系戦略コンサルタント、公認会計士、MBAバンカーというメンバー。
そんな彼らがなぜ安定を捨てて、何のためにベンチャーをやっているのか。
そんな彼らの起業の経緯は、創業時の話はジャーナリストの
佐々木俊尚氏の書籍「起業家2.0」に詳しい。
安定した大企業を辞めてリスクを取り、仲間同士で起業し、マンションの一室から社会を変革する事業に挑戦し、
ゼロから這い上がる様子が描かれている。
創業後の沿革はどうか?
「
アブラハム・グループ新卒採用サイト 会社沿革」に詳細があるが、コンパクトにピックアップすると、
2005年に
マンションの一室で起業↓
2006年に東京海上・ジャフコらから
5億円の資金を調達し、
金融資産1億円以上の富裕層限定会員組織「ゆかし」を立ち上げる。
↓
その会員(富裕層)に提供する金融サービスとして2008年に
アブラハム・プライベートバンク株式会社(投資助言代理業)の
海外投資コンサルサービスを開始する。
↓
従来、富裕層にだけ提供していた海外投資ノウハウを一般投資家にまで広げて提供するため
2012年10月末、
自分年金支援サービス「いつかはゆかし」の提供を開始。
↓
2012年12月 従来の海外投資コンサルを
「ゆかしスタイル」に改名。
同時に、自分年金支援サービス、海外ファンド積立サービスの「いつかはゆかし」のテレビCMを開始
という流れだ。
それにしても、「ゆかし」「ゆかし」といくつも出てきて正直分かりづらい。
改めてまとめてみる。
平たく言うと、敷居が高い順に、
1億円限定金持ちクラブ「ゆかし」>数百万円以上海外投資コンサル「ゆかしスタイル」>月5万円以上自分年金積立サービス「いつかはゆかし」>無料WEB情報「ゆかしメディア」 というラインナップだ。
一連の「ゆかし」の違いはというと
①
「ゆかし」・・
金融資産1億円以上の富裕層限定の会員組織 http://www.yucasee.jp/
②
「ゆかしスタイル」・・・
海外投資コンサルティング(投資額、数百万万円以上から利用可能)http://yucasee-style.jp/
③
「いつかはゆかし」・・月5万円から1億円を貯めるサービス
自分年金支援サービス(海外ファンド積立サービス) 誰でも入れる。http://itsukaha-yucasee.jp/
④
「ゆかしメディア」・・
最上級を刺激するニュースサイト(誰でも閲覧可能)ライブドアやニフティにコンテンツを提供している。http://media.yucasee.jp/
さて、このような経緯を見て、疑問を持った人もいるだろう。
なぜ、アブラハムは(なんか儲かりそうな)富裕層向けのビジネスだけでなく、
私のような一般庶民を対象にしたビジネスを2012年から開始したのか?その答えは、
いつかはゆかし公式サイト 社長挨拶にあった。
長いが全文引用させてもらおう。
筆者も同世代なのでこれには強く共感した。もっと詳しく知りたいならば、社長ブログやFACEBOOK(知り合いでなくても見れる)を覗いてみると良いだろう。同様のメッセージが繰り返し語られている。
アブラハムグループ社長ブログアブラハム高岡壮一郎氏のFACEBOOK
東京神谷町にあるアブラハム・プライベートバンクが入居するビル(日比谷線神谷町駅真上)