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平成25年2月19日

参院予算委で首相、金融緩和「円安誘導ではない」−補正予算案、審議入り


 参院予算委員会は18日、安倍晋三首相と全閣僚が出席して、2012年度補正予算案に関する審議に入った。首相は通貨安競争回避を明記した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の共同声明に関し、「今の金融緩和はデフレ脱却が目的だ。為替操作でいたずらに円安に導いているわけではない」と述べ、「円安誘導」との批判は当たらないとの認識を示した。民主党の桜井充政調会長への答弁。

 日本などの金融緩和に対し、欧州や新興国から事実上の為替誘導との批判があり、16日に採択されたG20の共同声明には「競争力強化を目的に為替レートを政策目標としない」ことが盛り込まれた。

 首相は、デフレ脱却に向けた日銀の対応に関し「残念ながら(日銀が)責任感を持って結果を出していけないということならば、日銀法改正も進めなければならない」とけん制した。

 自民党の脇雅史参院国対委員長がデフレ脱却への決意をただしたのに対し、首相は「税収を増やす、(経済)成長していこうという精神を取り戻すためにも、デフレから必ず脱却しなければならない」と改めて強調した。

 環太平洋連携協定(TPP)交渉参加問題については「聖域なき関税撤廃を前提とする以上、交渉には参加しない」と、自民党の衆院選公約を堅持する方針を重ねて示した。一方で「例えばTPPに参加した後、(自由貿易圏は)欧州連合(EU)や東南アジアへと広がる。トータルで考えることが必要だ」とも述べた。自民党の西田昌司氏への答弁。

参院予算委、あす集中審議

 参院予算委員会は18日の理事懇談会で、20日に安倍晋三首相と関係閣僚が出席して「安倍内閣の基本姿勢」に関する集中審議を行うことを決めた。


民主党、「実績」訴え懸命−追い風の首相相手に空回り

 2012年度補正予算案の審議の舞台を参院予算委員会に移した18日、民主党は与党時代の「実績」を懸命にアピールした。夏の参院選に向け、党に染み付いた負のイメージを振り払おうと立てた作戦だが、安倍政権の勢いが続く中、民主党の主張を浸透させるのは容易でない。

 質問のトップに立った小川敏夫元法相は、日銀が10年から金融資産の買い入れ対象を拡大し、11年には「物価安定のめど」として前年比1%上昇を目指すと決めたことを指摘。その上で、安倍晋三首相の金融政策を「民主党が掲げていた政策と全く変わらない。アピールばかり上手で、アベノミクスでなく安倍のマジックだ」と皮肉った。

 これに対し、首相は「民主党政権時、結果が出なかったのは事実だ」と反論。「そこから何かくみ取っていくことが人間には大切ではないのか」と小川氏の姿勢をやんわり批判した。

 民主党の桜井充政調会長は、野党時代の自民党が「ばらまき4K」と批判した高校授業料無償化や農家への戸別所得補償が13年度予算案に盛り込まれた点を取り上げ、「どうして継続するのか」と詰め寄った。首相は「急に変えると大きな混乱を与える」と説明。ともに14年度には見直す方針を示し、桜井氏は「良かったものは、きちんとした形で継承してほしい」と最後に訴えるのが精いっぱいだった。

 報道各社の世論調査で、安倍内閣の支持率は軒並み上昇。政党支持率も自民党の独り勝ち状態で、民主党は大きく引き離され、支持回復の兆しも見えない。

 「首相は今は自信満々だが、株価が下がれば状況は変わる」。この日の審議を聞いていた民主党幹部は強気に語ったが、別の民主党議員は「円安と株高が進む今は経済の話をしては駄目。作戦を間違えた」とため息をついた。



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