第3巻・第5話 全米インセスト協会① ママがいきなり言い出した。
「ダイちゃん、パスポートに有効期限、まだ大丈夫よね?」
こんどの連休、中1日飛んでる平日に学校を休んで4連休にして、ロスに行くんだって。
「ロスって、何しに行くの?」
「ママのロスのお友だちがぜひダイちゃんと来てくれって言ってきたのよ」
「ふーん。でも、ママの友だちでロスに住んでるヒトっていたっけ?」
「ロンドンの日本人学校でお友達になった牟田さんって覚えてない?」
「あ、知ってる。息子が中学生だった人でしょ?きれいな人だったよね」
「そう。あの息子さん、いまロスでハイスクールにいってるのよ」
「ふーん。でも、なんで僕たちがロスに行くことになるの?」
「あら、ダイちゃん、知らなかったかしら。牟田さん親子、近親相姦してるのよ」
「え?」
「私、ロンドンにいたころから知ってたの。相談されたんだもの。そのころはダイちゃんとこういうことになると思ってなかったから、ずいぶんお説教じみたことを言ったわ。でも、この間、彼女のこと思い出してメールしたの。『私も息子とセックスするようになった』って」
「あらら。で、仲間ができてうれしい、ぜひロスにきて親子交換セックスしよう、って誘われたの?」
「うんもう、スケベ! 違うわよ。あのね、ロス、というかハリウッドの一角にあるホテルがね、全米インセスト協会っていう近親相姦の大きな組織の本部になってるらしいの。そこが凄いから、ぜひ遊びに来て、って誘われたのよ」
僕はネットで調べた。あった。ハリウッド・ノースカフュンガにあるHOTEL SHIMA。ここがこの全米一と自称する近親相姦協会の本部だった。「ホテルSHIMA」ってなんか変なネーミングだと思って、そっちを調べたら、戦前に日本から渡った日系人が経営する古いホテルだとわかった。
このインセスト協会、相当凄そう。各部会に分かれているんだけど、その分類が、母&息子、父&娘、兄弟姉妹、グランマ&息子、グランパ&娘、一家で、そのほか、という具合。
とにかく近親相姦やってる人たちが集まって協会を作って、それが法人格で登記されてるってことに驚いた。非営利の財団法人なんだけど、ホームページで実話の本や実録DVDを売って活動資金にしてるんだもの。
運営母体がこのホテルSHIMA(=志摩、らしい。三重県出身者の末裔かも?)で、このホテルは現在、協会が運営していることになっている。つまり、このホテルに泊まりにくる客はすべて近親相姦者であることが条件なんだって! どうやって証明するんだろう?
それはともかく、この協会、活動内容が凄かった。本当にそんなことしてるの? っていう内容ばっかり。僕も行ってみたくなったのでママの話に乗ることにして安藤先生、志保だね、に休みの届けを出した。
彩音と玲美は休めない学校行事が詰まっていたので、ママと僕だけの渡米。何しに行くか知って、彩音はすごく残念がった。
「いいなー。私も行きたかったー!ダイちゃんと姉弟相姦の部会に出たら、きっとスター扱いだったのにな」
なに考えてるんだろうね、このスケベ少女は。
(つづく)