SNOW WHITE   Z



 満月に厳かに照らされる大聖堂。ここは帝領大司教殿。帝国の神威の象徴。
聳え立つ尖塔は、教皇の権威を睨みつける槍の穂先か……

聖職者然とした教皇の聖法着とは違い、まるで鎧の様な銀の装飾が施された
いかつい法衣を纏った初老の男が満月の青い光の中で佇む。
帝国大司教である。


「まだ見つからんのか?」

司教が柱の影に向かって話しかけていた。

「まだ?とはまた無理な事をいう。」

柱の影に潜んでいた何者かが姿を現した。
司教の身長の2倍近くはある長身の男。真っ黒な着衣は聖職者のものではあるのだが
目深に被った帽子の下から覗く、その双眸は狼のように赤く光っている。

「ベリアルの事でしょう?あのクラスの幻魔が本気で姿を隠したらお手上げですよ。」
黒い男が淡々と語る。

「じゃあ貴様は何をしにここに来た?売女の首が無理ならせめて指の一本でも千切って持って来い。」
司教が表情を変えずに凄む。
黒い男が、わざとらしく肩を竦め溜息を付く。

「今から一ヶ月程前にウェルズ伯領ヨハネスガルドで奴隷商の男とその仲間が殺された事件がありましてね。」
黒い男は柱に寄りかかり語りだす。
「どうやら奴隷が20人近くいたらしいんですが……現在に至るまで一人も保護されてません。」

奴隷という言葉に司教が初めて表情を曇らせた。
「奴隷というのは……また子供達か。」
各地で流行っている子供十字軍と呼ばれるものの悲惨な状況の対策に司教殿は連日追われていた。

「我々大人が不甲斐ないばかりに、子供達が魔境の信託に惑わされる。
今すぐにでも……あの堕落したカテドラルにアンティオッキアの聖炎を叩き込む事ができれば……」

その言葉に黒い男が金属質の響きで笑う。

「ははは。列車砲ですか!いいですね。アンティオッキア一世から三世まで全車並べて盛大にいきましょう。」
司教に忌々しそうに睨まれると男は再び影となった。


「それで?背信伯爵の魔都でゴミどもが死んでいた話には続きがあるんだろう?」
司教は飽くまで厳かに喋る。


「ヨハネスガルドの闇ギルドがこの件を仕切ってましてね。殺された奴隷商というのがまあ……その筋じゃちょっとした顔役だったみたいで。
それで彼奴ら……突き止めたみたいなんですよ。ベリアルの所在を。」
黒い男が司教の表情を伺いながら語る。
司教は月を仰ぎ無表情に聞き流している。

「刺客を放ったと聞きました。奴等もベリアルが何かは判っているようで。ギルドで一番の犬を放ったそうです。」
男が喋り終わると司教は振り返り言い放つ。


「罠だ。」


黒い男が驚いたという表情を見せる。
「正解です。わかりますか。」

馬鹿にしおって、と司教が不愉快そうに男を睨みながら続ける。

「お前が見つけられなかった者が、そんなクズどもに見つかるものか。
 ヨハネスガルドで奴隷商を襲ったのも、その闇ギルドとやらの犬を動かすための布石だ。」

司教の鷹の様な眼差しは聖職者のものではない。
それは、泥地に残された僅かな痕跡から軍馬の進路と積荷を割り出す、恐るべき軍略者の千里眼であった。
黒い男が満足そうにうなずく。

「その犬を追ってみようと思います。」


「悪魔ベリアル……討てるか?……ギアノイズ神父。」


「どうでしょうな。私の動きを奴が読まないはずがありませんし……」

重苦しい沈黙が司教と神父の間に濃い闇となって凝った。
神父は踵を返し司教座を後にした。



随分と胸が高鳴っていた。

「……ベリアル。スノウホワイト……」

ガチャリガチャリと、まるで法衣の下に鎧でも着ているのかのような金属音を立てて歩く。

「貴様に神威を突き刺すのは『ヘラクレス(帝国十二傑)』の『ハイドラ』でも、教皇の『バジリスク(女騎士)』でもない……」

神父の口がギチリと鰐のように裂ける。

「『ガーゴイル』のマルコ・ギアノイズだ。
処女王と呼ばれる貴様の腹を縦に裂いて、その子宮を引きずり出してやろう。さぞ美しいことだろうよ。」

神父の周りに小さなが火花が散ると、次の瞬間その姿が跡形もなく消え足音だけが夜の大聖堂を抜けていった。







マルガレーテに連れられてその部屋に入った途端、淫惨な光景が目に飛び込んできた。

一人の少女が複数の少女に犯されている。
犯されている少女は、自分を陵辱している少女達のペニスを懸命に扱いている。
尻の穴を激しく突かれながらも懸命に奉仕していた。
もちろん、それは全て少年達であった。
蛇の毒か、それともあの凶悪な媚薬の影響か、少年達の身体はまるで少女の様に艶かしく発達していた。
おそらく、彼らは男の身でありながら女の快楽を得る事ができるようになってしまったのであろう。
その快楽は少年達の心を淫らに蝕んでいた。
狂おしい快感に飢えた少年達は……他の少年を襲う。

一番か弱い者を……一番愛らしい少年を……数人で押さえつけてひたすらに欲望を叩き付ける。
それが今、目の当たりにしている光景であった。
犯されている一人の少年は確かに美しかった。その白い肌の上を白銀の髪が舞う。
休む事なく精液を飲まされ、肛門を絶え間なく貫かれ、哀れな生贄として輪姦されていた。
性的な興奮で朱に染まった頬を涙が伝い、連続的な絶頂の波で小刻みに震える唇からは唾液が糸を引き
か細い喘ぎ声は子犬の嗚咽のように切ない戦慄となって淫らな空間に響いた。
全身を汗と淫らな汁で塗れたその姿は、良く知っている誰かと重なった。

「あの子……あたしにそっくりでしょ?」

輪姦されている少年をウットリとした目で見ていたマルガレーテが呟いた。
テレジアは言葉がでなかった。

「あたしのお気に入りなの……名前も付けてあげたの。シャルロットよ。」
マルガレーテが近づくと生贄に群がっていた少年達は慌てて離れた。
パチリとマルガレーテが指を鳴らすと、大小様々な蛇達が少年達に襲いかかり呑み込んでいった。
後に残ったのは、潰れた蛙のような格好でだらしなく広げた肛門から精液を垂れ流している生贄だけであった。

マルガレーテはシャルロットを抱きかかえると、その額に優しい接吻を与え微笑んだ。

「また苛められてたのね。可愛そうに。でも貴方が可愛いからいけないのよ。」
尿道から透明な液体を滴らせる鈴口を、マルガレーテが指先でグニグニと弄ぶ。
何時間もドライオーガズムの衝撃に晒されてきた幼いペニスは、そんなささやかな刺激でもビクビクと淫らな絶頂を生み出す。

「んひぁあぁっ……!はぁっはぁっ!お……お姉……さまぁ……ああっ!んあっ!」
とっくの昔に精液など出し尽くしているにも関わらず、少年のペニスは何かを吐き出そうと必死に痙攣を始めていた。

「なに?その子あなたの弟なの?」
テレジアは少年の痴態に中てられてすっかり言葉を失っていた。癪に障るのでマルガレーテに悟られないように喋ったつもりであったが
声が少し震えていた上、耳まで真っ赤になるほど赤面していたのでは全く意味がない。

「そうよ。弟にしてあげたの。あたしと同じ髪の色にして、あたしと同じ肌の色にして……」
マルガレーテは喋りながらも少年への愛撫をやめない。
左手でペニスを弄びながら右手で乳首をこね回す。少年は一層甲高い声を上げて喘ぐ。

「ああっはああっ!!そこはぁ……だめぇですうぅっ!ううっ!うああああっ!!」

痛いくらいに勃起した乳首を扱かれて、少年は弓なりに仰け反る。

「ほらぁ……シャルロットは悪い子ねぇ……乳首まるでおちんちんみたいよ?ふふ。ゴシゴシしたら白いおしっこ出ちゃうかなぁ?」
乳首を器用にしごくマルガレーテ。
それを食い入る様に凝視するテレジアの股から、ツゥっと白濁した淫液が零れた。


「この子はねぇとっても優しい子なの。親もいないし家もない乞食暮らしで自分の食べるものもないのに
野良犬にパンをあげたりしちゃってねぇ……寂しかったのよね。その犬も馬車に轢かれて死んじゃったし……」

テレジアの耳にはマルガレーテの言葉など届いていなかった。
美しい女と少年の白い肌が快感で踊る姿に、ただ股間を熱く疼かせるだけであった。

「だから綺麗にしてあげたの。美味しい物もいっぱい食べさせてあげたわ。
女の子の快感もいっぱい教えてあげたの。初めての射精がお尻をほじられてしちゃったのよね?あたしもすごい興奮しちゃった……」

マルガレーテは七日七晩、その少年だけを愛し続けたのだという。
何度も何度も失神するほどの絶頂漬けで少年の心をドロドロに溶かし、マルガレーテの尿や愛液を毎晩飲まされ続けた結果……
少年は一匹の淫らで美しい獣として生まれ変わったのだ。
シャルロットとして……


「うううっううああぁっ!!!ひああぁあ!!お……おねぇさまぁあぁ……!ち……ちくびぃっ!!おしっこぉ!でちゃううぅぅ!!!」
少年の狂態を目の当たりにしながら、マルガレーテもまた激しい興奮状態に陥っていた。
夢中でシャルロットの乳首を、転がし捻り摘み様々な刺激を駆使しその胸のペニスを責め立てる。
自分で自分を犯してるような錯覚を見ているのだろう。マルガレーテにとってこれは自慰なのだ。

「うぅんっ!いっちゃうの?!乳首おちんちんこんなにされていっちゃうの?乳首からおしっこでちゃうの?!いやらしい子!」
シャルロットの柔らかい尻に、勃起したクリトリスを擦りつける。
姉が弟を後背位で犯しているような光景にテレジアの欲望がとうとう限界に達した。

テレジアの肛門から、今までに無いほど醜く巨大な蛇がドロリと顔を覗かせた。
肛門を無理やり押し広げられる背徳感は、テレジアの黒い何かをまた一つ目覚めさせた。

ドクドクと大腿を流れる液体に気付き、失禁したかと思ったがそれは膣の方から溢れ出した白濁液であった。
長い蛇が肛門をズルズルとくぐる刺激が鈍痛の様な絶頂を膣に送る。
だがそんなもので、この身体の黒く熱い疼きは納まるはずがなかった。

蛇に犯される絶頂で痙攣する尻を引きずりながら、四つん這いでテレジアが二人に這い寄る。

「テレジア……このいやらしい子にお仕置きしてあげて。」
マルガレーテがシャルロットの脚をM字に開きテレジアに向ける。
シャルロットは初めて見るマルガレーテ以外の女に明らかな怯えを見せた。
だが快感で全身をドロドロに溶かされた少年の身体は全く言うことを効かず
目の前の淫獣に対してその供物となる以外成す術がなかった。

「ほんと……マルガレーテにそっくり……そんなに小さなペニスをヒクつかせちゃって……よっぽど苛めてもらいたいのね?」
鼻と鼻が触れ合う程の距離でテレジアがシャルロットをなじる。

「ふあぁあっ!い……いじめ……ないでぇ……くらぁさいぃっ!!ううっ……あああうっ!」
シャルロットのペニスが小さく弾けた。すっかり薄くなった精液がテレジアの胸を汚す。
心とは裏腹に『いじめる』という単語に身体が反応してしまったようだ。

「ほんと……いやらしい子……」

我慢できなくなったテレジアがシャルロットの勃起した乳首にしゃぶりつく。

「んひゃああああっ!……っああああっ!!!」
痛いくらいに充血した乳首に突然訪れる淫らな舌の陵辱。
泣き喚くシャルロットなどお構いなしに、テレジアの熱い唇が乳首を包み込む。
ジュルジュルと唾液を絡ませて乳輪を唇で啜り、舌先で乳首の先端を激しく転がし
シャルロットが一際ビクリと反応した時を見計らって甘く噛む。

「あああああっ!!だめぇえええぇ!!!ちくびだめえぇええ!でちゃううっ!!でちゃうううううっ!!!」

ペニスから断続的に透明な液体を撒き散らしながらの激しい絶頂の痙攣が最高潮に達した時
テレジアの口の中に甘い液体が広がった……

「す……すごいでしょこの子。ミルクでるのよ……」

狂ったように快感に踊るシャルロットの身体を押さえつけていたマルガレーテが頬を上気させながら呟いた。
唇が僅かに震えている。シャルロットの快感を肌を通して感じ取っているのだ。
テレジアの股間は、美しい姉弟を同時に犯しているという錯覚に激しく興奮し愛液を滴らせる。

「ああ……この子……まるでおちんちんの付いてるマルガレーテみたいよ……」
シャルロットのペニスを撫でながら淫靡な微笑みをマルガレーテに向ける。

「や……やめてよ。そんなの変だよ……」
テレジアの視線から瞳をそらしながらも、その目は忙しなく泳ぎ潤んでいた。
否定はしても、テレジアの言葉に劣情を煽られているのは明らかだった。

「マルガレーテのおちんちんなら……あたしの処女あげてもいいなぁ……」
そういうとテレジアは、白濁液でドロドロになった柔らかい恥丘をシャルロットのペニスに押し付けた。
乳首を据われ、意識朦朧としていた少年が再び切ない喘ぎ声を上げ始めた。

「ううぅ……いれ……ちゃうの?」
子犬のように泣き喚く少年の後ろでマルガレーテが震えながらテレジアに問う。
テレジアの陰唇は目の前のペニスに今にも喰らいつかんとするかのように涎をたらし蠢く。

「入れたい……マルガレーテの精液いっぱいもらって……貴方の子供孕みたい……」
ウットリとした声でテレジアが喘ぎ、腰をくねらせる。ペニスの先端はもう膣に飲み込まれていた。
完全に快楽の虜になった女の痴態にマルガレーテが言葉を失い黙りこんでしまった。
テレジアの目はすでに焦点が合っていない。

「ああっはあっ……あ……アナタの……子供も……きっと綺麗な……ううっ!!」
テレジアの腰がユラユラと揺れる……淫らな肉の膨らみがペニスを愛液塗れにしながら嬲る。

「はぁはぁっ!アナタの……子供が……あたしの感じるところ全部……!あああんっ!……犯しながら生まれてくるのっ!!
あたしの愛液と!おしっことに塗れた赤ん坊っ!ううあっ!生ませてぇぇえぇっ!!あああっ!」

ぐちゅり……

テレジアの腰が一際深く蠢いた。
処女膜はドロドロに溶けてしまったかのように、何の抵抗もなくペニスを受け入れる。
しかし破瓜の痛みはテレジアにとって最早快感でしかなかった。
膣に飲み込んだペニスに押し出されるようにして、尿を垂れ流す。
狂ったように豊満な胸を振り乱し、肉付きのいい腰を躍らせるテレジア。
シャルロットの小さなペニスはテレジアの膣肉に締め上げられ、無理やり勃起させられる。

「んああうっ!うああっ!あああああおおうっ!」

獣のように喘ぎながら、テレジアが狂う。紙縒りのように締め上げられたペニスが子宮を付くたびに
尿を撒き散らしながら激しい絶頂を味わっている。

「や……やめてぇ!テレジアっ!お……おかしいよ!やめてぇええぇ!!!」

テレジアの予想以上の狂態に怯えながらもマルガレーテの股間はシャルロットのペニスと共鳴を始めていた。

「ひあああっ!や……やめひぇ……うあああっ!!くあああっ!!!」
涙と涎で顔をグチャグチャにしながら喘ぎ狂うシャルロットを目の当たりにしてマルガレーテは言葉を失う。
もうすぐこの快感が自分に襲い掛かってくるのだ。
マルガレーテのクリトリスが、テレジアに呑みこまれている陰茎を投影するかのように脈動してきた。

「ああうっ!!……やめてよぉぉ……テレジアァ……んんあっ!……やだよぉ!……こわいよぉぉ……!!」
快楽の沼の怪物に捕食される子羊。自分もその沼に身体中を拘束され腰まで浸かっているのだ。
マルガレーテのクリトリスがギリギリと締め上げられる。白い体がビクリと跳ねた。
本格的にシャルロットのペニスとの共鳴が始まったのだ。
もう逃げられない。そう思うと大腿がガクガクと震えると尿を垂れ流してしまった。

突然テレジアが怯えるマルガレーテに抱きついた。
間に挟まれ、テレジアの胸の谷間に埋もれたシャルロットが苦しそうに射精している。

「大丈夫。愛してる……マルガレーテ……」
テレジアはそう呟くと涙を流すマルガレーテに優しく接吻をした。
口の中に広がる……甘い……血の味……


「ああああぉぉおおぉっ!!だめぇえぇ!おちんちんでひゃううぅ……ぃいやぁ!!ゆぅひぇてぇえぇっ!うああぁああっ!!!!
ああうっ!!おおうぅっ!も……もう……だめぇぇええぇえ!!んぐぅ!!でてるのぅ!!でてるのおおぉおおぉ!!!」




肉の沼の怪物に、お姫様はとうとう飲み込まれてしまいました。







つづく





ギャラリートップへ。