side 瓜流P
「はあーはあーただいま…」
と言っても「おかえり!」と返してくれる人は僕の家にはなく、
僕を出迎えてくれるのは3次元の人ではなく、ポスターや抱き枕などの2次元世界の住人達だった。
一人暮らしなので仕方ない事なのだが。
もう疲れた。死にたい。女の子に裸の写真を取られるなんて。
女の子のあんな風にされるなんて男としてのプライドはズタズタだった。
僕はなんて情けない人間なんだろう…明日から学校行くのやめようかな。
はぁ…鬱だ死のう。食事を取る気が起きない。いつもなら大好きな豆腐を食べたくなるのだけど。
もうそんな気分にもなれなかった。
「ちょろろりーん♪ちょろろろりん♪」
ふと携帯が鳴った。こんな時に誰からだよ。僕は仕方なく携帯の液晶を見る。
かむいからのメールだった。
「明日数学の課題コピーさせて。あとあのビデオ見た?ってマジどうでもいいメールやん」
僕は携帯を投げ捨てるように放置した。こんな気分で数学の課題などやる気がしない。
しかし。かむいがメールで言っていたあのビデオが気になる。
何で気になるかといえば僕はオタクだからだ。
そのビデオのタイトルは
「姉!ちゃんとしたいよ」
なんだこのふざけたタイトルは…でもこのエロアニメなら僕の傷ついた心を癒すことができるかもしれない。
僕はPS2のディスクトレイを開け、デスクを入れた。
「広弥ちゃん…おちんちんこんなに硬くしちゃってそんなに気持ちいいの…」
「おお、お姉ちゃん…僕のおちんちんもっと擦ってよー」
再生してから五分ぐらいでいきなり姉が弟ちんちんを手コキしているシーンが始まった。
さらに驚いたのは僕と弟の名前が同じだということだ。
ラッキーだ。しかも姉の中の人は北都南さんだ。北都南さんに自分の名前を呼んでももらえるなんて僕はなんて幸せな
やつなんだろう。人生悪いことばかりじゃないんだね。
僕はおもわずテレビの音量を上げた。
「お姉ちゃん…僕もう精液でちゃうよぉ…ガマンできないよぉ…」
「いいのよ広弥ちゃん!おねえちゃんに広弥ちゃんがイクところみせて…私の手に精液だして」
ビデオの中の姉の手コキのスピードが速くなる。僕のペニスには十分に勃起していた。
今気づいたが僕さっき着せられたチアのスカートを履いたままだった。
いまさら着替える気にもなれず、スカートをめくり僕はペニスを必死にしごいた。
おおおおお。久々に興奮するエロアニメだ。貸してくれたかむいに感謝するだりゃ。
ドピューーーーーーッ。液晶の中の弟と僕が射精するタイミングはほぼおなしだった。
「いっぱい…でたね…濃くて臭いのが…」
ビデオの中の弟と僕は同じ状態だった。自分でしごいたか、姉にしごいてもらったかの違いあるが。
僕は周りに人がいても気づかないくらいにオナニーに夢中だった。
今日起きた不幸なできことを忘れてしまうくらいに。
「そんなに気持ちよかったの?ひろくん?」
あれ…なんだか北都南じゃない女の人の声がした。
「うん…ってええええええええええっ姉ちゃん!!?」
僕の隣には液晶の中姉ではなく。僕の本当のお姉ちゃんがいた。
「ひろくんが一人暮らしするようになってからチア格好しながらがら一人エッチするような
変態になっちゃうなんてお姉ちゃん悲しいな…シクシク」
とワザとらしく泣きまねをする。
「だって…じゃなくて…どうして…あああ…」
僕は激しく頭が混乱した。落ち着け…KOOLになれ瓜流広弥。
いや落ち着いている場合ではない。
だって僕は
お姉ちゃんにオナニーをみられたんだから。
しかも弟が姉してもらうビデオで…
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