「こんちわー。って誰も居ないだりゃ〜。」
ドアを開けたその部屋の中には誰も居なかった。
(中に誰もいませんよ…)
どうやらは今の言葉は一人言になってしまったようだ。
僕はパイプ椅子に座り、机に講義の資料の詰まった鞄を置く。
そう、ここは僕の所属するアニメマンガ研究会の部室。
はっきりいって僕はこのサークルの中のでもかなりのオタクだ。
アニメのグッズを買うために食費はかなり切り詰めている。
おかげで毎日三食豆腐を食べる生活。
そうして貯めたお金で昨日はついついソフ○ップで3万円ほどエロゲーを衝動買いしてしまった。
僕はそのついでによったゲー○ーズで買った1万円のルイズのジッポで
マイルドセブンに火をつけた。
……
「今日の心理学ってさー…」
「えーマジーそうなの!!」
「ありなくない?最悪ぅ!」
一人で部室にいると隣の部室のチアリーディングの黄色い声がよく聞こえる。
普段はエロゲーやアニメの話でもり上がって隣の声など聞こえやしないのに。
「そういえばあの教授……」
「らしいね。私だったら…」
健康的な人のメスの声。その声は僕に向けられたモノではないのに。
女の子同士の会話というのはどうしてこうも僕の心を躍らされるのか。
あぁぁぁ。もうマイルドセブンの味すらよくわからない。
どうして今日に限って部室に誰も居ないのか。
いつも五月蝿いメス豚ビッチの汚らわしい会話と罵倒できるのに。
僕は肺いっぱいに紫煙を吸い込む。吐き出す。
「この前堀教授に凄いいやらしい目でみられたんだけど…」
この声はきっとのぞみちゃんの声だ。
この前の学園祭のチアの演舞で凄く目立ってた。
かわいかった。あの小さな体にチアの真っ赤な衣装がよく似合う。
大学生とは思えない幼児体型。そのみずみずしい太股にしゃぶりつきたい。
激しいアクロバットの最中にみえるスカートの中。アンダースコートとわかっているのに。
どうしてスカートの中に見える布というものはこうも背徳感を煽り僕を欲情させるのか。
「ぅあっちぃっ!!」
思い出にふけっているうちにどうやらタバコの灰が手に落ちてしまったようだ。
右手の手の甲にやけどの痕が。なんだかFateの令呪…にはみえないか。
「きゃああああああああああああああっ」
突然、おおきな悲鳴が聞こえた。
気づいたら体が動いていた。
パイプ椅子から立ち上がり、部室のドアを破るように開け飛び出す。
気分は令呪で呼び出されたサーヴァント。
隣のチアの部室の扉をぶち開ける。
それに掛かった時間を人間が使う時間単位で表すことすら馬鹿らしいとさえ思った。
助けなくちゃ。唯一あの悲鳴を聞いた男、僕が。
いや、エロゲー的展開を希望してのか。
これを気にチアの女の子とフラグを立てれると思ったのか。
「どうかしたんですかっ!!!」
僕はチアの女子の神聖な部屋に入ってそう叫んだのだった。
続き