桜宮高バスケ部元顧問、テレビで涙の謝罪

　昨年１２月、大阪市立桜宮高バスケットボール部主将の男子生徒（１７）が自殺した問題で、生徒に体罰を行っていた顧問の小村基（はじめ）教諭（４７）が４日夜、ＮＨＫの「ニュースウォッチ９」にＶＴＲ出演し「私が彼を死に追いやった」などと話し、涙ながらに「本当に何も気付かない。愚かさに気付きました」と謝罪した。小村教諭が報道機関の取材に応じたのは、事件発覚後初めて。

　事件発覚から約３か月。小村教諭が初めてメディアに姿を見せた。午後９時に放送が始まった「ニュースウォッチ９」のトップニュースとして、インタビューがＶＴＲで約９分間オンエアされた。

　放送で小村教諭は、インタビュー現場に到着するなり深々と頭を下げ「心からおわびいたします」と謝罪した。

　教諭は、赴任した１９年前から体罰を行っていたと告白。しかし、インターハイ出場や全国大会ベスト８などの実績によって指導方針は生徒や保護者に理解されていたと思ったとし、「体罰という意識はありませんでした」と説明した。

　２年前に体罰に関する匿名の通報が大阪市に寄せられ、校長室に呼ばれて事実関係を問われたと紹介されたが、教諭は「問題はない」と校長に伝えたとした。

　さらに小村教諭は、男子生徒の自殺について「私が彼を死に追いやった。本当に何も気付かなかった」と、自らの責任であることを明言した上で、「彼のレベルアップがチーム全体のレベルアップにつながると考えた。手を上げることで変わると思った。家族の悲しみが不思議と自分では分かっていなかった。愚かさに気付きました」と涙ながらに話した。

　小村教諭は１月に生徒の父親から大阪府警に刑事告訴された。先月１３日には、大阪市教育委員会によって懲戒免職処分を受けていた。

（2013年3月5日06時03分スポーツ報知）