とりあえず一度互換モードのダイアログを出した状態で,ダイアログにある「互換性を確認する」のチェックを外せば,以後当該のブックでは警告は出なくなります。
エクセル自体の設定として,互換性チェックを行わせない設定方法は(原則として)ありません。
互換モードで発生する制約には,幾つかの段階があります。
互換モードで直接影響される例として,例えば横256列縦65536行までというシートの広さに関しては,97-2003ブックに変換して保存した時点で外側が切り捨てられてしまい復元できません。
その場合,ご質問でうっとうしい「互換性チェック」では,具体的な問題の概要として
「機能の大幅な損失 赤いバッテン」
…範囲外にあるデータは保存されません
という明確な警告が表示されます。
警告されたとおり,外側セルに記載された内容は保存されず,Excel2010で使い続けて(保存後に開き直して)ブックの保存形式を変更しても元には戻せません。
こういう警告が出た場合は,復元は不能なのですから,保存前に適切な手当をしておかないとデータを失います。
次のレベルとしては,「機能の大幅な損失」として警告が出る例えばCOUNTIFSなどのような「2007以降で新たに使えるようになった関数,機能」については,やはり互換チェックの概要として
「機能の大幅な損失」
…2007より前のバージョンでは使用できません
という警告が表示されます。
文言通り,このブックを2003以前で開くと当該の数式はエラーとなって計算できませんが,2007/2010で使い続けている限りは全く制約無く利用できます。
2003で編集後,2007・2010にブックを戻すと,2003で壊してなければ問題なく復元します。
2003で開く必要があり,かつ当該セルの計算結果が必要というなら(何しろ2003では計算結果を得られないのですから)手当をしておく必要があります。
しかし逆に言うと,そういう新機能を使ったニュータイプブックはもはや2003では使えないのだと諦めて,2007形式で保存し2007以降でふつーに使う運用に切り替えた方が手間要らずです。
次のレベルとして「再現性の低下 黄色い!」が表示された場合,たとえば「セルの色を塗った」「オートフィルタで2007以降の新機能を使った」などの場合ですが,これも関数と概ね同じで2003以前では勝手に様子が変わって表示されます。
ここで若干注意が必要なのは,セルの塗り色などについて
1)互換モードで保存したあと,そのまま2007以降で開き直した場合には,損失はありません
2)互換モードで保存したあと2003で開いて色が変換され,それをまた保存したあと2007に戻して開き直すと,変換された色が現れて元の色を復元できません。
もしも仮に,色の細かいグラデーションにゲンミツなイミを与えていた場合などには,データを損失したというお話になります。
そこまで細かい細工をしていなければ,ちょっと変わっちゃったけどまぁいいか程度で無視し得る範疇と思います。
こういった違いについては,勿論全て理解していればそりゃ予測も対処も可能というお話になりますが,それまではダイアログの警告を「キチンと目を通して判断する」若しくは「スルーして使い続ける(損失が起きた時は自分に腹を立てる)」という格好になります。
若しくは上述の中でちょっと触れましたが,そもそもホントに絶対に97-2003で保存しなきゃならないのかについても,用途に応じて考えてみる必要もあると思います。
投稿日時 - 2011-05-06 15:02:18