全部知っている
夕方、口の渇きで目が覚めた。それに加えてひどい頭痛と吐き気。そして胃痛。
昨日の夜、一歩にボディにガゼルパンチもらったのかしら。そんなわけない。もちろんお酒。同期のライブ、十六夜の打ち上げ。久しぶりに記憶を無くして、何年ぶりかに酒をのんで吐いた。酒なんて二度と飲むかと、殺してくれとベッドでのたうちまわったが、また僕は酒を飲むだろう。楽しくて楽しくて仕方なかったのだ。十六夜来てくれた方ありがとうございました。初のモリエールで、満員のお客さん。あんな嬉しいことはないよ。なのに僕のダメっぷりたらない。申し訳なくて嫌になる。リベンジしたい。圧倒的に。
しばらく日記を書いてない間、いろいろなことがあった。年はまたいだし、もう三月だ。はやいなー。もう何回も言ってる。この日本で現時点使われてるワードランキングがあるとしたら「え、もう三月?」絶対10位内はいってる。ちなみに「今日、花粉多いわ」は1位。「ごめんなさい」は僕の殿堂入り。
そんな中、1番ショックだったのはサボテンの解散。福岡でもずっと一緒にお笑いやって、一緒に売れるもんだと思いこんでたから、長木から辞めるって聞いて、無償に腹が立ったし、皆で旅行行った時のビデオなんか見て、その夜僕はわんわん泣いた。でもそんなの僕が言うことじゃない。あいつの人生だ。そんなのわかってんだよ。それでも僕は悔しくて寂しくてたまんなかったよ。
それでも古賀は続けるって言うし、僕はそれが嬉しかった。僕が言うのもなんだが、あいつは才能しかないから。あととても優しい。きっと大丈夫。あなたも夢中になるよ。
十六夜の組体操で、サボテンでスベったと言ったらがははと笑ってた。もう大丈夫。
他にも解散したり辞めた仲間たちがいっぱいいる。想うことはいっぱいあるよ。どうにでも出来んことも沢山だ。現に僕らは売れてないし、同期内で仕事の量も変わってきてるし、そりゃ全員が売れるわけない。全部知ってんだ。全部知ってんだよ。それでも僕らはあの夜を知っちゃったもんだから。
もう辞めれないよ。本当にたまんなかったんだ。
打ち上げの夜。馬鹿みたいに笑ってさ、服なんか皆ビリビリに破れて、最後なんて皆、裸だったんだ。楽しくて楽しくて皆笑ってた。皆とてつもなく優しい。
正直に言うよ。僕は昨日同期のちんちんにキスをした。何人にやったかもう覚えてないけど、愛しくてたまんなかったんだ。大丈夫、きちんと僕は女性が好き。んなもん、なんのフォローにもなってねえよ、て方。ごもっとも。あなたが正しい。
小さい頃に夢見た、憧れの世界には程遠い、最高に下品で、最高にロマンチックな夜。
やるんだよ。
僕は静かにゆっくりと、染み込むように決意した。
暑苦しくイカ臭い言葉たち。全部真夜中のせいにする。
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