東日本大震災:県外避難者「故郷戻らぬ」8割 本紙調査
毎日新聞 2013年03月05日 02時30分(最終更新 03月05日 03時06分)
東日本大震災で大きな被害のあった岩手、宮城、福島の3県から全都道府県に避難している県外避難者への毎日新聞のアンケートで、回答者の8割が移住の意向を示し、2割強が実際に移住していた。震災から半年おきの調査のたびに移住志向は増えている。東京電力福島第1原発事故で避難区域が設定された福島県からの避難者は、2割が「差別された」と感じたことがあり、6割が被ばくによる健康不安を抱え、9割近くが東電の賠償に不満を持っていた。11日で震災発生から2年。アンケートからは原発事故が復興に影を落としている現状が改めて浮き彫りになった。
アンケートは4回目。前回までの回答者に新規25人を加えた計118人に先月、記者が聞き取るなどした。回答者は岩手5人▽宮城20人▽福島93人。
現在の県外避難者数は岩手1669人▽宮城8531人▽福島5万7135人になる。
被災時の住所を離れて移住することについて、「考えていない」が20%で、「考えている」は58%、「移住した」が22%だった。「移住を考えている」は半年後の調査では54%で、1年後63%、1年半後75%と推移。今回調査で新設した「移住した」と「考えている」を合わせると移住の意向を示した人は80%になった。理由(複数回答)は「被ばくが不安」が37人と最多、「帰還の見通しが立たない」が36人で続いた。