【ソウル=辻渕智之】ラヂオプレス(RP)によると、北朝鮮の朝鮮中央テレビは3日夜、日本人指揮者、井上道義氏(66)が平壌の人民劇場を参観したと伝えた。井上氏の公式ウェブサイトでは、北朝鮮の国立交響楽団の招きで訪朝し、8日にベートーベンの交響曲第九番の公演を行うという。
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)機関紙・朝鮮新報は、井上氏の訪朝は2011年10月に続き2回目と報道。前回も国立交響楽団を指揮した。
井上氏は朝鮮新報の取材に「日本に伝わっている情報との隔たり」を感じ、「平和への希求であるベートーベンの第九を今こそ北朝鮮で演奏するべきだ」と語っている。
北朝鮮側は過去にも韓国の著名指揮者、鄭明勲氏らを招いた。自国の演奏レベルの高さを海外にも示し人的往来を規制する制裁解除などを狙っているとみられる。
井上氏はオーケストラ・アンサンブル金沢の音楽監督を務める。
(中日新聞)