中国:国防費の公表見送り…全人代前会見、異例の対応
毎日新聞 2013年03月04日 13時18分
【北京・工藤哲】中国の全国人民代表大会(全人代=国会)の傅瑩(ふ・えい)報道官は4日、北京の人民大会堂で記者会見した。近年はこの場で国防予算案の額を公表してきたが、報道官は今回、公表を見送った。沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)を巡る日中の対立やフィリピンなどとの南シナ海の領有権争いなどで中国への警戒感が強まっていることを念頭に置いた可能性もある。
報道官は会見で「中国は防衛的な国防政策を堅持している」などと強調。国防予算案の額については「全人代の審議後に明らかになる」として公表しなかった。2012年版の日本の防衛白書によると、中国は公表国防費が24年間で約30倍に増加した。13年度の国防予算案も増額は確実とみられている。
今年の全人代は5〜17日の13日間で、5日の開幕日には温家宝(おん・かほう)首相が施政方針演説にあたる政府活動報告を読み上げる。