3月16日のJRダイヤ改定で、200系新幹線や近畿地区の183系、東海地区の117系など、さまざまな国鉄型車両が引退する。
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200系は、東北・上越新幹線の開業と同じ1982年にデビューした。東海道新幹線の初代0系車両のデザインが踏襲され、先頭部分の「団子鼻」が特徴的。寒冷地や降雪地帯を走ることから、車両の下回り全体がカバーで覆われ、機器が露出しない構造が採用された。また、鋼製にかわってアルミ合金製の車体となり、軽量化が図られた。
国鉄が民営化されてJRになっても200系は製造され、あわせて700両が、東北新幹線「やまびこ」「あおば」、上越新幹線「あさひ」「とき」として活躍した。しかし、最高速度を上げた新型新幹線車両の導入により、1990年代後半から活躍の場を減らしていく。2011年、200系の最高時速240キロを大きく上回る、時速320キロに対応したE5系が投入されると、200系は同年11月に東北新幹線での定期運転を終了。上越新幹線「とき」「たにがわ」での定期運転からも、今回のダイヤ改定で引退する。営業列車としては、4月14日の団体臨時列車が最後となる予定。
近畿地区の183系は、北近畿地方と京都・大阪を結ぶ特急型車両として、1991年に運転を開始した。183系が走る福知山線は、そもそも1986年の電化の際に、直流と交流の両方式に対応した485系が導入されていた。ただ、福知山線は直流方式のため交流機器は使っておらず、5年後の1991年、七尾線電化に伴う車両変更の際に交流機器が取り除かれた。直流機器のみとなった485系は、新たに183系の名称が与えられて運転を始めた。
改造により誕生した183系は、一時104両が存在し、北近畿エリアの特急列車として、「北近畿」(現「こうのとり」)「きのさき」「はしだて」などで活躍した。しかし、新型の287系車両の導入のほか、紀勢線の特急「くろしお」で運用していた381系による置き換えが決まり、この3月で引退を迎える。
東海地区の117系は、1982年に運転を開始した東海道線「新快速」「快速」用の車両。私鉄路線が並行することから、特急型車両で使用される「クロスシート」を採用し、客室内のサービスを向上させた。JR東海のイメージカラーであるオレンジの帯を巻いた車両が走行し、数年前まで「新快速」でも一部活躍していた。新型の313系車両の増備により、今回のダイヤ改定で定期列車から姿を消す。なお、岡山や下関などのJR西日本管内では今後も117系が残り、運行の様子を見ることができる。
このほか、荷物電車を乗客が乗れるよう改造した1両編成の123系が、中央線(辰野支線)から退き、E127系車両に置き換わる。JR京都線・JR神戸線からは、ステンレス車の通勤電車205系車両が引退する。国鉄型車両以外では、常磐線の特急「スーパーひたち」651系と「フレッシュひたち」E653系が同線の特急列車から外れ、すべての特急列車が新型のE657系車両に統一される。
(提供:鉄道コム)