判断先送りを正式に表明
（山口県）

「１年程度を目処に更に補足説明を求める」。山本知事はこのように述べ上関原発建設に向け中国電力が提出している海の埋め立て免許の延長申請を許可するかどうかの判断を、当面先送りする考えを正式に明らかにした。議場には傍聴席を埋めた反対派の人たちの怒号が渦巻き、議会が一時中断した。県議会の代表質問で４日、自民党の藤生通陽議員の質問に答えたもの。藤生議員は、質問の中で「国のエネルギー政策に関する議論が深まっていない中で、延長申請について判断すべき時期にはなく、拙速な対応は避けるべきでは」と山本知事の意向を質した。山本知事が登壇したそのとき、傍聴席に陣取った反対派の住民などから抗議の声があがり、議長が退場を命じたが混乱は収まらず、一時、中断した。約２０分後、議会は山本知事の答弁で再開。山本知事は「今後も審査を継続し、事業者に対して、その主張の根幹である重要電源開発地点に指定された上関原発の位置付けが、形式的ではなく実質的に何ら変わらない事について、１年程度を期限に更に補足説明を求めることにした」と述べた。そして去年１０月に中国電力から提出された海の埋め立て免許の延長申請について、事務的な処理の目安とされている期間は過ぎているものの「上関原発の位置付けを実質的に明確にするように、１年程度の期限をつけて再度説明を求めることにした」と述べ、最終的な判断を先送りしたことを明らかにした。反対派の山戸孝さんは「審査を引き伸ばすというのは、不許可以外の決定を出したいという願望があるから伸ばすという風にしか思えない」とコメントした。知事の意向を受け、県では、近く中国電力に対し５度目となる問い合わせを行うことにしている。