近鉄松下百貨店:50年の歴史に幕 山口
毎日新聞 2013年02月28日 20時36分(最終更新 02月28日 21時17分)
山口県東部で唯一の百貨店、近鉄松下百貨店が28日、閉店した。周南市の中心街で50年間営業してきたが、郊外の大型商業施設などとの競争で売り上げが落ち込んでいた。
午後6時に営業を終えると、玄関前に集まった約500人に花が配られた。閉店セレモニーでは従業員ら約100人が玄関に整列。杉本康憲店長が「最後まで集まってくださったお客様に感謝します。50年間ありがとうございました」と礼を述べた。シャッターが下がり始めると、「ありがとう」「さようなら」という声が拍手とともに上がった。
売り場面積約1万平方メートルの店舗は後継テナントが決まっておらず、当面は空き家となる。1962年に松下百貨店として開業。同時に近畿日本鉄道の出資を受け入れ、65年に現在の店名になった。売上高は93年2月期の118億円をピークに、12年2月期は47億円に落ち込んだ。
地方都市の百貨店は経営が厳しい。九州・山口では11年に長崎大丸、都城大丸(宮崎県)が閉店。浜屋大村店(長崎県)も3月に閉店を予定している。【遠藤雅彦】