果敢な攻め上がりで実力をアピールしたDF阿部=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで(木村尚公撮影)
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名古屋グランパスは3日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで控え組が磐田と練習試合を行い、2−4で敗れた。2日のJ開幕戦でスタメン落ちしたDF阿部翔平(29)が鮮やかなミドルシュートを決め、次節の浦和戦(9日・埼玉)での先発復帰を猛アピールした。
阿部がデモンストレーションに成功した。前半28分、果敢なオーバーラップから左足を振り抜いた。阿部は「攻め手がなかったから、自分がアクセントをつけようと思った」。気合を込めたシュートは相手DFをかすめ、ゴール左スミへ飛び込んだ。
Jリーグでは通算194試合に出場して無得点。左サイドバックというポジション柄、ゴールに縁がなかった男が見せた華麗なミドルシュート。「打ったら、入ったという感じ」。阿部は静かに振り返った。
ストイコビッチ監督が3バックを本格採用した影響もあり、阿部は2日の磐田戦で4年ぶりに開幕戦のスタメンから外れた。「まあ、自分は淡々とプレーするタイプですから」と悔しさを言葉にすることは避けたが、プロとして燃える思いはあっただろう。
磐田戦ではDF闘莉王の負傷退場後に阿部がピッチに登場し、システムも4バックに変わった。闘莉王は次戦の浦和戦を欠場する可能性が高く、その場合も阿部がスタメン候補に浮上する。
「きょうの4バックが次戦への布石だったのかどうなのか。自分は与えられた役割を果たせるように準備するだけ」と阿部。「90分プレーしても体力的には問題なかった。コンディションは上がってきている」
開幕ベンチスタートを発奮材料に、阿部が難敵・浦和打倒へ乗り出す。 (木村尚公)
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