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グーグル、新しい圧縮ライブラリ「Zopfli」をOSSとして公開

Deflateアルゴリズムを実装した新ライブラリ、圧縮率は従来比で5%程度向上
(2013年03月04日)
Googleが公開した圧縮ライブラリ「Zopfli」の名は、スイスのパンから取られたという(パン画像はGoogle Open Source Blogより)

 米国Googleが「Zopfli」と呼ばれる新たな汎用データ圧縮ライブラリをオープンソース・ソフトウェア(OSS)として公開した。従来よりも高い圧縮率を実現し、Webダウンロード高速化への貢献が期待できるという。

 スイスのパンのレシピにちなんで名付けられたZopfliは「Deflate」圧縮アルゴリズムを実装したライブラリで、圧縮後のファイル・サイズは従来の圧縮ライブラリよりも小さくなると、Googleの圧縮チーム担当ソフトウェア・エンジニアであるロード・ヴァンデヴェーネ(Lode Vandevenne)氏は2月28日付「Google Open Source Blog」に書いている。

 「圧縮後のファイル・サイズが小さくなれば、(ストレージの)空きスペースの利用効率が良くなり、転送スピードは速くなり、Webページの読み込み遅延も軽減される。データ転送料金を低減したり、バッテリの消耗を抑えるなど、モバイル利用時のメリットもある」(ヴァンデヴェーネ氏)

 もっとも、従来よりも強力な圧縮処理を実行するために、処理にかかる時間は長くなってしまう。ただしヴァンデヴェーネ氏によれば、これは展開スピードには影響を及ぼさないという。

 Zopfliは圧縮専用ライブラリで、データの展開には既存のソフトウェアが利用できる。zip、PNG、gzip、HTTPリクエストなどと互換性があるとヴァンデヴェーネ氏は説明している。

 Deflate圧縮アルゴリズムを実装したほかのライブラリ(「zlib」など)と比べて、Zopfliの圧縮率は3%から8%高くなるという。「ZopfliはDeflate対応圧縮技術のなかでも最先端を行っていると自負している」(同氏)。

 GoogleはZopfliの「Google Code」ページにおいて、「同技術は圧縮に時間がかかるが(最大100倍の低速化)、zlibより約5%、その他のzlib対応圧縮技術と比べるとそれ以上、圧縮率を高めることがわかった」と述べている。同コードは「Apache License 2.0」の下で利用可能だ。

 Zopfliライブラリは、最高圧縮率で圧縮する場合はzlibの2~3倍のCPU時間を必要とする。そのため、一度圧縮したデータを何度も利用するような用途、例えばWebの静的コンテンツのような対象に最適だという。

 今回のプロジェクトに携わった、ヴァンデヴェーネ氏と同僚のジルキ・アラクイジャラ(Jyrki Alakuijala)氏は、研究報告書の中で、「静的コンテンツや、データ転送もしくはストレージ・コストがCPU時間の増加以上に増えてしまうタイプのコンテンツ」にZopfliを利用するよう推奨している。

 「Zopfliのオープンソース化によって、Web管理者が頻繁にアクセスされる静的コンテンツのサイズを最適化することが可能になる。この取り組みでインターネットが少しでも速くなればとわれわれは考えている」(ヴァンデヴェーネ氏)

(Loek Essers/IDG News Serviceアムステルダム支局)

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