逆転直後の八回をピシャリ!! 能見が勝利に大きく貢献した(撮影・安部光翁)【拡大】
ドキドキ、ヒヤヒヤの白星発進。引き戻した流れをしっかりと、つないだ。5-3と逆転した直後の八回。侍セットアッパー能見が、1回を完ぺきに封じた。
「いい流れだったので、よかった。緊張はありましたけどね。リリーフなので、失投は許されなかった」
2番から始まる好打順も三者凡退で締め、九回の守護神・牧田(西武)に託した。ブリンを二ゴロ、3安打2打点していたレジナットを一飛、ユウイチを空振り三振と、パーフェクトリリーフ。12球のうち8球をストライクで勝負した。テンポよくリズムを作り、勝ち越し点をもたらした阿部(巨人)のミットを強くたたいた。投手陣が苦戦する滑りやすいとされるWBC球に対応した。
「ボールが軽く感じる。中が空洞のような…。あのボールを持つと、日本のボールの素晴らしさが分かりますね」
決して最初からフィットしたわけじゃない。1月の自主トレから「130から150球の球数で(ブルペンで)3連投すること」を目安に投げ込み、順応。首脳陣の信頼を得た。阪神ではエースだが、中継ぎ起用にもきっちり応えた。適応力、対応力の高さで、マルチな活躍を期待される33歳。初の日本代表に「見ているだけで勉強になる。新鮮な気持ち」と気持ちは充実している。
山本監督は「今後は先発もありうるので、1イニングということだった」と6日のキューバ戦、8日からの2次ラウンドでのローテーション入りを示唆。壮行・強化試合を含む3試合6回でいまだ無失点、10三振と抜群の安定感を示している。
「勝ってよかったです。よかった、よかった」
国際舞台の厳しさを思い知らされた初戦。次からは、さらなる難関に挑んでいく。(山田 結軌)
(紙面から)